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ピアノを弾くことは好きでいれてよかった。

昔話です。

私は幼少期にエレクトーンを習ってました。

別に特別その習い事が嫌いだ!とかいうこともなかったんですが、いまいちしっくりこなかった覚えがあります。

発表会とかは楽しかった覚えがあるんですが、なんせ当時の私は練習をしませんでした。


通っていた音楽教室では毎週課題が出されていました。
「次のレッスンではこの曲の何段目まで弾けるようになりましょう」なんて具合です。

グループレッスンなのでみんな同時に演奏するんですが、まともに練習していかなかった私は周りの演奏にそれとな~く合わせて誤魔化しながら…みたいな半端なことをやっていった気がします。

エレクトーンって電子楽器なので、なんかスイッチ押して音色変えたり色々するんですが、それも使い方すら覚えておらず。

後はエレクトーンを弾くだけじゃなくて、ソルフェージュの検定みたいなものもあったと思うんですが、それもからっきしダメ。

例えば音を聴いてこれは何の音だとかの音感のテストをやったりするやつですね。
分かるはずがないだろうと。


こんな具合です。
そりゃこんな体たらくでは、親も「もう辞めたら?」ともなって当然です。
思い出してるうちに申し訳なくなってきますね。


そんなこんなでエレクトーン教室を辞めた私は晴れて自由の身…かと思いきや、やたらと家でピアノを弾くようになりました。

教室に通っていたおかげで楽譜は読めるようになっていたので、ポップスのピアノアレンジの楽譜を買ってもらって好きなだけ弾いたりするわけです。
それがまあ楽しくて。

2,3年ほど自由にピアノを弾く期間を挟んで、次は「ピアノ教室」に通うことになりました。

兄が先に通っていた近所の教室で、自由にやらせてもらえる先生だからいいんじゃないかということで。

やはりうっすらは「習い事かあ…」みたいな気持ちがなかったわけではないですが、そのときはピアノが楽しい時期だったのでともかく初レッスンってな感じで新たなピアノ人生がスタートです。
これがまた私にとっていい出会いでした。


習い事の中ではピアノって割とメジャーな方かと思うんですが、世のピアノ教室で取り入れられている定番のカリキュラムというものが存在します。

バイエル、ブルグミュラー、ハノン、ソナチネなどなど…耳にしたことはありますでしょうか。
ピアノ経験者にはお馴染みの教本です。

新しく通い始めたピアノ教室の先生は、これらの教本をすっ飛ばしました。

正確には初レッスンでブルグミュラーの『アラベスク』という曲を「まずはこれ弾いてみよっか」と言われ、それをクリアして以降は基本何を弾くも自由。

それこそ好きなポップスの曲とか。
さすがに発表会のときはクラシックの曲を紹介してもらって弾きましたが。

上手に弾けたらクリアの証に楽譜に花丸つけてもらえるんです。
それが妙に嬉しかったりしてね。

一緒に習いに行ってた兄も、家で練習してたのなんて小学校の校歌かもののけ姫くらいしか聴いたことないんで多分先生がそういう方針なんだと思います(さすがにもうちょっといろんな曲弾いてたと思います)。

ピアノ教則本の定番『ハノン』も、結局高校2年で音大受験を決めて初めて手に取ったくらいでして。
急にピアノで12音階とか言われても困る…レベルでも細く長く続いたのはこの教室だったからだろうなあなんて思い出してます。


こうして書き出していると、エレクトーンを習っていた当時の私にも演奏に没頭できなかった理由があったのが分かります。

・周りと足並みを揃えて練習する必要がある
・取り組む曲へのモチベーションを保つ理由が薄かった

このあたりでしょうか。


なにかに打ち込むって、定期的に続けたいと思える成功体験や喜びが必要になってくると思います。

楽しいポイントがあったとしても、それが「続けたい」に釣り合うほどかどうか。

それこそ、めちゃくちゃ先生に褒めてもらえるとかそんなのも十分なきっかけになりえます。ピアノの先生も乗せ上手でした…。


楽器演奏となるとまず一定以上楽器を扱えるようにならないと苦しさばかりが先行してしまうことがあります。

よく聞く話では、ギター初心者はみんな押さえるのが難しいコードで躓いて辞めていくとか…

中には経験のないことをひとつずつクリアしていく感覚が楽しくて楽器吹くのが好きなんて人にも出会ってきましたが、それはもうひとつの特技みたいなものだと思ってます。


管楽器だとまず音を出すところに最初のハードルがありますから、自分自身もそうですし、レッスンで生徒さんと関わる中でも「演奏に楽しみを見出す」ということにフォーカスして考える局面は多々あります。

まさに今もそんなことを考えていたのでつい昔のことを思い出したりしていたのですが…。


前にも書いたことがありますが、今楽器を続けられているのは、楽しいと思える出来事や出会いがうまい具合に連続してくれたおかげです。

演奏にはもちろんテクニックもある程度必要ですし、知識を問われることもあります。

でも第一に、聴き手としても演奏者としても音楽の楽しさをたくさんいただいてきた自分が伝えたいことって、やっぱり「音楽って楽しいよ」ってことなんだよなあと…。

上手く演奏できることが楽しさに繋がる人も、誰かと一緒に音を出すことが楽しい人も、聴き手として好きな音楽に触れていることが楽しい人も、それぞれいるから難しいんだと思いますが。


ほとんど昔話に終始してしまいましたが今日はこんなところで。

練習が嫌だとか言ってた子どもが今では12年以上同じ楽器続けてるんですから、人生は分からないもので…。

今週末はアンサンブルの本番です。
バラエティ豊かなコンサートになりそうな予感です、ぜひお越しください。

※私の各SNSのメッセージにご連絡くださいましたら、チケットお取り置きいたします。




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