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ホールで吹くということ。定期演奏会を終えて。

おはようございます。

改めまして、先日の定期演奏会にお越しくださった皆様、ご来場ありがとうございました!
二人の"バーンズ"の世界をお楽しみいただけましたでしょうか。

私もオオサカンにお世話になり始めてから(エキストラの時期含め)、数え間違えてなければもう6度目の定期演奏会となるみたいで…早い…。

今回の期間中、指揮者の飯森さんはよく『響き』にフォーカスして私たちの音楽を引き出してくださいました。
定期演奏会はいつも今回と同じいずみホール(サムネのホール)で開催されるのですが、吹き慣れたいずみホールのはずが普段と全然違う音が返ってくるのが分かりました。
リハ中も、どんどん響きが濃厚で煌びやかに磨かれていくのが手に取るように分かるワクワクを噛み締めていましたが、いずみホールにきてみて「明らかに違う!」と、そんな実感があったのです。
吹き慣れた(聴き慣れた)ホールで、奏者全員が新たに得た響きへのアプローチを実践する。そうするといい意味での「いつものいずみホールの音」とのギャップが生まれる。

こういった新しい発見をするたびにやっぱり音楽って最高だなぁなんて思うのです。
楽しいな、ワクワクするな、もっと上手くなりたいな、そんな熱量を持って毎本番を終える。なんて幸せなんでしょう。

さて、本番といってもいろんなシチュエーションがあるわけですが、吹奏楽の演奏場所は音楽ホールが多いかと思います。
生の音が命だ、みたいなことを以前の記事でも書きました。

本番で得られるインプット材料として大きな要素の一つが「ホールで吹ける」ということ。
普段練習用ミュートを外して吹く機会すら貴重な毎日を送っているわけですから、設備の整ったホールで吹けるという時間はインプットの宝庫です。

お客様にお聴かせするのはホールに響いた音です。手元で鳴っているこの音をどう変化させたらどんな表情を見せられるのだろう。そんな風に試行錯誤するのはなかなかに楽しいものです。

そしてリハーサルや本番で得られる演奏体験と同等に私が価値を見出しているのは、本番直後の練習です。

今から書くことは訳あって今の自分にとってすごく耳の痛い話になりますので、だからこそ今書きます。

私は高校の頃、吹奏楽部に所属し部活動に熱中してまして、その吹奏楽部での年一回の定期演奏会は「ザ・シンフォニーホール」というそれはまあ立派なホールで行われておりました。

その定期演奏会の度に顧問の先生は、年に一回シンフォニーで演奏するために頑張れると、そして定期演奏会が終われば、あのホールで吹いた翌日の練習こそ大切にとおっしゃっていました。

「本番翌日の練習こそ大切に」、これにはいろんな意味が含まれていると私は認識しています。
違ったらすみません、先生。

いきなりまとめから入るとします。
「本番翌日の練習こそ大切に」
大事な本番が終わったからと言って全てが終わりではない、そこで得た経験を今後に活かしてこそ良い経験をしたと言えるのだ、気を抜くなよ的なアレ。
本番に向けて積み上げてきたものがあって、それを発揮できる時間を経験して、反省点も出たりして。その熱量が新鮮なうちに自分のものにしてしまいなさい!ということ。

ここで重要視したいのが単純な記憶力の問題。
熱量があるうちにというのも含め記憶力とも言えるのですが、『耳が覚えているうちに』ということです。

(好みはさておき)我々アナログな楽器を演奏する人間は特に、「このホールはこんな音がするんだ」ということに敏感です。シンフォニーホールレベルでキャパも大きく立派なホールで演奏できることなんて数えるほどしかない中で、本番直後は終演後の熱もあいまってそれはまあホールに響いた自分の音が脳裏にこびりついていることでしょう。

しかし人間の記憶力なんてたかが知れている、と私は思います。
いくら録音していようが、脳内のその音は必ず少しずつ薄れていきます。だからこそ1ミリでも鮮明にその振動を思い出せるうちに、本番に得た感覚に縋り付くようにして楽器と向き合う。

実際高校の定期演奏会では、ゲネプロ(最終リハーサル)の前に普段の基礎合奏をざっとやっていたのですが、「この音をよく覚えておいて」とおっしゃっていた記憶があります。
脳裏に焼き付けて、この音を少しでも鮮明に持って帰って、自分のものにする。このチャンスを逃さない。ということだと思います。

さて、先生の言葉をこのように咀嚼した私は今でもこれを指針に、というかそれが当たり前になるくらいにはこの意識が染み付いているのですが、今回の演奏会の翌日は楽器を吹きませんでした。まだまだ体の使い方やスタミナの使い方が下手なようで、口が派手に腫れ上がってしまって。
先日の記事のコンディションの話じゃないですが、金管楽器は唇を振動させて音を鳴らすので体の変化にすごく敏感な楽器です。
そもそも普通に生活を送っていて口に金属を当てて振動させるだなんてことしませんから、負荷も当然かかります。口が腫れたり、唇や中の粘膜の部分が切れたりすることもあるんです…(奏法の見直しは必要かもしれないですが)。
今までも無理な吹き方をすると口が腫れたりということはあったんですが、今回はもはや怪我レベルだと判断して一日を悶々と過ごすこととしました。

本番終わって家に帰って、「ああ、明日は吹けないなこれは」と悟ったときにまず押し寄せたのはなんで今吹けないんだ、悔しい!もったいない!って気持ちばかりで。
今思うと意外というか。もし本番翌日にサボりでもしたら、罪悪感半端ないだろうなぁとか思ってたんですが。
したいことが、して当たり前のことができないもどかしさや、そんな状態になるようなアプローチしかできない己の技量の至らなさを恥じる気持ち。

そして音を出せたときの高揚感。
楽器を吹かない間も、ここをもっと良くしたいだとかあの練習をしてみようだとか考えていたわけですから、これはこれで実りのある今しかできない楽器との向き合い方ができた気がします。やっぱり本番はいろんな気付き、インプットに出会わせてくれる最高の機会です。
昨日はスタジオで音出せたんですが、ちゃんと調子も戻ってきてて安心できましたし!

これの繰り返し。楽器って楽しいですね。
今日はどんな練習をしようかなんて楽しみにしつつ、まずは仕事に行ってきます。

今日も良い一日を。それでは!


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7/7(日)20:30配信開始
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7/23(火)19:00開演
大阪コンサートブラス 第26回定期演奏会
2ndバリトンでエキストラ出演


8/24(土)14:00開演
オオサカン昼下がりの音楽会シリーズ アンサンブルコンサート『ローブラスアンサンブル〜てんこ盛りローブラス〜』

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