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バリトンの味わい深さ…

7/23に大阪コンサートブラスさんの定期演奏会に出演させていただきました。
お越しくださった皆さま、本当にありがとうございました。

今回は普段演奏しているユーフォニアムではなくバリトンという楽器に持ち替えての出演でした。
この楽器はマウスピースという吹き口がユーフォニアムと大体同じでユーフォニアム奏者が持ち替えて演奏することが多い楽器です。

今の私の活動状況では多くても年に数回程度しかお披露目の機会がないバリトンさんですが、定期的に音を出してお手入れも欠かさず…と来たるべき日に備えていたわけですが、その日が来ましたといった感じです。嬉しい。

ユーフォニアムが好きなのはもちろんのことなのですが、英国式ブラスバンドに触れ、大学でいろんな編成で曲やってみたりして、少しずつバリトンを知って好きになっていきました。
そんなバリトンとの出会いがあったからこそいただけた機会なんだなとしみじみ…。

私がバリトンを吹きはじめるよりもっと前の英国式ブラスバンドとの出会いについても書いてますのでよければ読んでいってください。

バリトン奏者として依頼をいただいて演奏したのが今回初めてでしたので、普段とは全然違うアンテナを立てまくってた感触です。

普段から合奏をするときは、それこそ周りの音を聴いて演奏するためにしっかりアンテナを張っているのですが、今回は楽器も違えばフィールドも違うわけです。

周りから聴こえてくる音をキャッチして吹くという意味では私の担当した2ndバリトンという立ち位置はすごく面白いです。

まず大前提として、大編成の合奏だと楽器によっては同じパート内で1st、2ndとパート分けされてそれぞれが違う音を吹いたりします。
吹奏楽だとトランペットとかクラリネットとか。
そこでユーフォニアムはといいますと、基本1st、2ndはなく同じ楽譜を吹いて、稀に別の音を吹く場所もある…ってことが多いです。

ですがこちらを見ていただいたら分かるように、英国式ブラスバンドってほとんどの楽器がパート分けされてるんですね。

今回のコンサートでは、この2ndという立場の奥深さを体感しました。

このnoteでも「ユーフォニアムってこんな楽器で~」といろいろ書いてきましたが、少なくとも吹奏楽でのユーフォをやっていると、様々な役割を担う、というかころころといろんな役を演じ分けるような感覚で、ゴーイングマイウェイなところがある楽器だと思ってます。

ですので普段から1st、2ndとパート分けされてる楽器ってつくづくすごいな…と感じていて、今回ついに「2nd」を冠するパートを担当するということでドキドキしていたのですが…いやはや難しい…。


若干話がそれますが、このパート分けというところでよく言われている話がありまして。

中高のクラブとかだと、上級生が1stをして下級生は2ndとか3rdを吹いて…なんてことが多いです。
もちろんそれがダメってわけでもなく、ソロがあれば1stが吹くし、ハーモニーを作るにも一番高い音を担当するのは1stだし、下級生よりは経験値のあることの多い上級生が吹くというのは自然な流れなんですが。

じゃあ2nd以下は簡単なのかと言われるとそういうわけじゃないのが面白いところで…。

(1st2ndだけじゃなくもっとパート多い楽器もあるんですがここでは便宜上2ndを取り上げます)
2ndは1stの奏者が出した音楽の方向性にぴったりと合わせて演奏したり、ハーモニーを作るにも音量や響かせ方を上手く加減したり、高音でスパーンと演奏する1stの勢いに負けない低音を鳴らさないといけなかったりします(基本高音の方が音は抜けやすいので難しい)。

なんて話をユーフォニアム奏者がするのも若干違和感がありますが、それぞれの役割に難しさがあるのです(言うまでもなく1stは高音大変だし重圧がすごいことかと思います)。

こういったお仕事を普段は側から見て「すごいなあ〜…」と感心してたわけですが、今回はそれが自分に回ってきたわけですから呑気なことも言ってられず。

ユーフォニアムとマウスピースが同じなので〜なんて言いましたが、役割的な話をしだすとこれらは似て非なるものだと思います。

今から楽器とかセッティングの話をしますが、若干ついていけないよって方はせっかくですので大阪コンサートブラスさんのホームページをご参照いただいて。

2ndバリトンはコの字にセッティングされたところの奥まった場所に座っているんですが、音楽的にも橋渡し的な役割をするのでこの位置に座ることが多いと想定されます。

左からはユーフォニアムと1stバリトン、後ろからはトロンボーン、右からはホーンセクションとE♭バス…めちゃくちゃ音に囲まれまくっている席です。とっても贅沢。

ですのでこの地の利を活かしてしっかりぴったりバンドの音楽に自分の音をアジャストさせていくぞ!と意気込んでいたんですが、リハーサル数日、ゲネプロ(直前リハ)、お客さんが入った本番と会場や状況が変わるたび驚くほど耳から聴こえる音が違うものですから毎度新鮮で楽しくて。

先ほどは2ndは1stの音楽に寄り添って〜と言った旨の説明をしましたが、英国式ブラスバンドのバリトンに関しては、1st2ndで以外と全然違う動きをしているときもあります。
1stがメロディーで2ndが伴奏、とかも案外多く、そんなときはトロンボーンと同じ動きをしていたり。
連携が多いパートだからこその楽しい耳の使い方をできた本番でした。

そして何より役割云々の話以上に本番のサウンドのパワフルさといったら…
素晴らしい奏者の皆さんが集まった大阪コンサートブラスさんにしか出せないサウンドを身近で感じ、その音の一部となれたことを嬉しく思います。
聴きにきてくださってるお客様の反応を見ていても、楽団としてたくさんの方に長く愛されているんだなあと感じることのできたあたたかい空気のコンサートでした。

これからしっかり経験値を積んで、私も魅力的なバリトン奏者になれたらなと思います。
まずはまた皆さんにバリトンをお聴きいただける機会を掴めるように、日々頑張ります。

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。


【出演情報】
8/24(土)14:00開演
オオサカン昼下がりの音楽会シリーズ アンサンブルコンサート『ローブラスアンサンブル〜てんこ盛りローブラス〜』
※私個人のSNS(noteから飛べます)のDM等でもチケットご予約いただけます。

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