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Kunitachi Art Center2020〜こんな時世なので、文章を!〜

こんな時世にオープンアトリエをすることになるとは…という感想を展示が始まる数日前からずっと考え続けています。

少し内輪話をすると、このオープンアトリエをするにあたり、私からゲスト作家たちに企画書(小話)をメールしました。個人アトリエのスタジオT.Mは私の公開制作パフォーマンスとゲスト作家の作品で構成されたのですが、展覧会名を『Concrete work』という私個人のコンクリートを使った制作に沿ったタイトルにし、ゲスト作家にconcrete workについて一緒に考えてもらおうとしました。

そのメールはコンクリートを使った建築手法として、「プレキャスト(工法)」という用語があり、それは「既に成形されたコンクリート」のことなのですが、現場でプレキャストを組み立てることをプレキャスト工法と言います。それらは、建築物から道端の縁石まで、果てしなく並べ続けることを可能に思わせる物たちなわけです。

このことを、美術作品においてプレキャストを用いるか、プレキャストを成形するのかといった話題にし、作家たちにふったのでした。このことに直接、反応してくれたのが髙柳恵里さんの『プレキャスト工法』なのですが、プレキャストをペットボトルに見出し、それらが並置される作品です。率直な作品な気もしますが、展示場所で「成形する」という作業も行っていると思います。
その作品では、プレキャスト(ペットボトル)が作品完成後も維持されることで、水の流動性は一旦保留されます。そのことでペットボトルが水として未使用で拡散性があり、未だ利用可能な物として見えてくるような手法工法に思えたのでした。

他の作家や私自身の作品についても読み込んでいきたいと思います。

宮本智之 2020.3.29

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