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”追いかける夢の先にあるもの” ラブライブ!スーパースター!!2期第11話「夢」感想

2期11話感想です。無事に東京大会を突破したLiella!。ウィーン・マルガレーテがラブライブに出場した理由が明らかになるとともに、かのんに留学の話が――。ということで最終回も直前なのに怒涛の回でした。
(ヘッダー画像引用元:ラブライブ!スーパースター!!2期第11話より)

Liella!とマルガレーテの差

東京大会の結果発表から始まった11話。マルガレーテは2位で、勝利したのはLiella!でした。勝つと信じていましたが、このときばかりはさすがに声が出ましたね…。本当によかった。ついに悲願である東京大会優勝を果たしました。

かのちいの尊すぎる笑顔(引用元:ラブライブ!スーパースター!!2期第11話より)

勝利の決定的な差となったのはやはり「みんな」を意識していたかどうか。スクールアイドルは1人でやるのではなく、観客を含めたみんなでつくりあげていくもの。いくら技術的な実力があろうと、その意識が欠けていたマルガレーテはLiella!に勝つことはできなかったのです。おおむね前回の記事で書いた予想と合っていてホッとしました…(今まで予想を外しまくっていたので)。

しかしそうなるとサニパがマルガレーテに負けたのがイマイチ釈然としないんですよね。「慢心と言われても仕方がない」と柊さんは言っていましたが、ラブライブ2連覇を目標とし、かつサニパにとって今回が最後の年だったわけですから、実際に慢心していたとは考えにくい。そして少なからずサニパもLiella!と同じような方向性でスクールアイドル活動をしていたはずです。これらの点を踏まえるとサニパがマルガレーテに負けたことへの納得感が薄く、ちょっと説明不足かなと感じました。

マルガレーテの夢

東京大会が終わり、年が明けてからも、かのんはマルガレーテのことを気にかけていました。なぜマルガレーテはラブライブをくだらないと言いながら出場していたのか。それは不合格になったウィーン国立音楽学校へ推薦してもらうための条件がラブライブで優勝することだったから。

エスパーかのんの伝家の宝刀「それだけなのかな…」(引用元:ラブライブ!スーパースター!!2期第11話より)

マルガレーテの楽曲がどこかクラシカルで芸術的要素が高かったのも納得です。もともとアイドルソングみたいなものには興味がなかったのでしょう。彼女がラブライブをバカにしていたのも、クラシック畑の人がポップスやロックなどの大衆音楽をどこか下に見ている(もちろんそうでない人のほうが多いと思います)というステレオタイプ的な表現の一環なのだと思われます。

推薦の条件を満たせなかったマルガレーテ(引用元:ラブライブ!スーパースター!!2期第11話より)

マルガレーテはかのんに「人の夢を奪った」と言いました。Liella!が東京大会で優勝したことで、結果的にマルガレーテは推薦への条件をクリアできなかったことになります。逆恨みと言ってしまえばそうなのですが、誰かの幸せが誰かの不幸になり得るという世の中の真理の一端を見た気がします。

かのんの夢

マルガレーテの真意が明らかになるとともにかのんに舞い込んできたのが、まさにマルガレーテが行きたがっていたウィーン国立音楽学校への留学の話です。

留学…???えっっっっっっっ??????
3期は?????????????????

よく考えてみれば、留学は廃校問題と双璧をなすと言っても過言ではないラブライブシリーズの”お家芸”。なぜこの展開が予想できなかったのでしょうか。「学年進行するから3期も当然あるでしょ」と思っていたオタクたちを震撼させる展開にタイムラインは荒れました。

かのんは留学をしないとみんなに宣言しますが、世界一の音楽学校から高い評価を受けていることをマルガレーテから聞いた千砂都がかのんに留学してほしいと伝えたところでエンディングに。こんなに先が気になる引きありますか?

留学してほしいと告げるちいちゃん。ところでメイちゃんいなくなってる?(引用元:ラブライブ!スーパースター!!2期第11話より)

かのんが留学するかどうかで焦点になるのがかのんの夢です。劇中で何度か言及されているように、かのんの夢は「自分の歌を世界中に響かせること、歌で世界中の人を笑顔にすること」。1期の世界地図や今回の地球儀のカットは、かのんが世界を意識していることを暗示しています。

世界中に歌を響かせる夢は叶うのか(引用元:ラブライブ!スーパースター!!2期第11話より)

そうした背景を考えると、留学はかのんの夢を叶えるうえで願ってもないチャンス。千砂都はかのんの夢を後押しするために留学を勧めたのでしょう。ちいちゃんの心情を考えると本当に泣けてくる。親友の夢を応援したいけれど、一緒にLiella!としての活動はできなくなってしまう――。まさに苦渋の決断。1期11話でもそうでしたが、やっぱりかのんの背中を押すのはちいちゃんの役目。ここに来てFlyer’s Highがとてつもない破壊力を発揮しています。

しかし同時に、かのんが結ヶ丘とLiella!をとても大事にしているのも事実。「3年間この学校でスクールアイドルとして頑張って、もっとハッピーな気持ちになりたい」というかのんの言葉は本心だと思います。

しかし夢の規模感的なものがあるとするならば、「Liella!としての活動<世界中に歌を響かせる」という図式になります。かのんにとってどちらも大切な夢であることに変わりはありませんが、Liella!での活動はまさしく現在進行形で追いかけ、叶いつつある夢。そして世界中に歌を響かせることはまさしく”追いかける夢の先”にある夢だと言えるでしょう。

ちいちゃんの言葉を受けて、かのんは今と未来、どちらの夢を取る決断をするのでしょうか。正直なところ、どちらが正しいと言えるものではありません。ラブライブ決勝も控えているし、最終回がどのように描かれるのか本当に気になるところですね。最後の挿入歌もありますし、スタプロを超える名曲が来るかと思うとワクワクします。しかしその一方で、3期がなくこれでLiella!の物語が終わってしまう可能性があるかと思うととても寂しい。

3期のゆくえ

ここからは最終回、そして今後も物語が続くという願望を込めた3期の個人的な予想ですが、サブタイが「私を叶える物語」であることから、やっぱり留学エンドが固いのではと思います。しかしそうなると3期は絶望的に…。

理事長が留学期間について「4月から」とは言いましたが、終わりが明言されなかったので短期留学パターンでかのんがすぐ帰国する展開も考えました。ですがそれはそれで拍子抜けなんですよね。

だとしたらそもそもこんなにかのんも千砂都も悩む必要がない。「留学せずに結ヶ丘に残って3年間スクールアイドルとしてやり切りたい」(大意)というかのんの発言は、裏を返せば留学すればもうLiella!としての活動はできなくなるという意味にも解釈できます。

ほかにも次のラブライブギリギリでかのんが一時帰国するパターンとかいろいろ考えましたが、圧倒的主人公のかのんがいなくなる展開はあり得ないし、どんな展開を予想しても、留学という前提条件付きで納得できるものは思いつきませんでした。やっぱり2期で終わってしまう未来しかないのか…。

そうなると3期につながる最終回の展開は1つ。やっぱり「留学しない」というパターンです。留学の目的はかのんの「世界中に歌を響かせる」という夢を叶えるため。逆に言えば、この夢を叶える方法がほかにあれば留学しなくてもいいことになります。

ここでポイントになるのが、マルガレーテの「ラブライブは向こう(ウィーン)でも少し知られた存在」という発言。これを受けて、3期で世界規模のラブライブが開催されるという展開にならないでしょうか。そこで優勝できれば、かのんの「世界中に歌を響かせる」という夢をLiella!のみんなで叶えることができます。

こういうゆるいLiella!をもっと見ていたい…これ電気どこから引っ張ってるんですかね(引用元:ラブライブ!スーパースター!!2期第11話より)

少々無理筋ではありますが、これが「私を叶える物語」と「みんなで叶える物語」を両立する3期になる――。そんな展開を期待しています。追いかける夢の先に何があるのか。どんな展開になろうとも、オタクたちはみんなLiella!の物語を少しでも長く見ていたいだけなんだよ…。頼むよ3期…。



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