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”そして3期へ…” ラブライブ!スーパースター!!2期第12話「私を叶える物語」感想

2期12話の感想です。どんな感動のラストが待っているのか――。と思いきやまさかの展開に…。賛否両論阿鼻叫喚が巻き起こった最終回でした。
(ヘッダー画像引用元:ラブライブ!スーパースター!!2期第12話より)

私を叶える物語

「留学してほしい」という千砂都の想いを受けたかのんは、家族やマルガレーテの後押しもあり、「世界に歌を響かせたい」という自分の夢を叶えるために留学を決断します。

やはりかのんを後押しする役割は、小さいころから共に過ごしてきた幼馴染みの千砂都こそふさわしい。そして顔を見ただけで子供の悩みに気づくお母さん、さすがだなと思いました。ラブライブシリーズではメンバーの家族がちょいちょい登場しますが、こういうシリアスなシーンに関わることはあまりなかったかと記憶しているので新鮮に映りました。

かのんちゃんの前髪は母親譲り(引用元:ラブライブ!スーパースター!!2期第12話より)

11話でのかのんの発言に「3年間この学校でスクールアイドルとして頑張って、もっとハッピーな気持ちになりたい」というものがあります。この言葉に嘘偽りはないでしょう。一度は歌をやめかけたかのんは、結ヶ丘に入ってLiella!としての活動を通して、心から歌を好きになることができたと同時に、この場所で結ばれた絆に大きな価値を感じています。

留学を決意するかのん(引用元:ラブライブ!スーパースター!!2期第12話より)

しかし、自分の夢を叶えるうえで留学はまたとないチャンス。かのんの夢を叶えてあげたい、足枷になりたくないという千砂都の強い気持ちが、かのんの心を突き動かしました。まさしく「私を叶える物語」を歩む覚悟が決まったというところでしょうか。他のメンバーもかのんを失いたくないと思いながらも、最終的にはかのんを送り出すこと、かのんが留学した後もLiella!を続けていくことを決心します。

未来の音が聴こえる

そして迎えたラブライブ決勝で披露されたのが「未来の音が聴こえる」。Liella!ではあまりないバラード曲です。全体的にはゆったりとした雰囲気なんですが、ハーフと倍テンを繰り返すテンポや細かいドラムの刻みなどによって聴いていて飽きない展開になっています。衣装やステージが1期オープニング「START!! True dreams」のオマージュになっており、まさしく、

本当の夢は 止まらないんだね

START!! True dreams/Liella!

といったところでしょうか。これから広がるかのんの夢を応援するような意志を感じます。

冒頭の歌詞が千砂都とかのんの掛け合いになっているのもいいですね。背中を押した側と押された側の2人が歌うことで、

君がくれたメロディ 僕の歌を重ねて歩いていこう

未来の音が聴こえる/Liella!

という歌詞の説得力が増しています。そして髪をおろしたちぃちゃんが尊い…。髪紐をほどいたスタイルは、「かのんちゃんがいなくなってもやっていける」という強い想いを感じることができます。

髪下ろしちぃちゃん(引用元:ラブライブ!スーパースター!!2期第12話より)

もちろん楽曲としてのクオリティは高く、普通に好きな曲なのですが、個人的な好みを前提に話すと、ストーリーのコンテキストが前面に伝わってくる「Sing! Shine! Smlie」や、4つ打ちの王道和ロックサウンドでライブ映えしそうな「Chance Day, Chance Way」のほうが好きですね…。1期最後の「Starlight Prologue」が強すぎたせいで、最終回の挿入歌への期待値が高まり過ぎていたというのも正直あったかと思います。

留学中止からの3期発表

とにもかくにも、この曲でLiella!はラブライブ優勝を果たします。部室で勝利を噛みしめて感極まるメンバーを見てると本当にうれしくなりますね。

オニナッツの「初めての一等賞…」は感慨深い(引用元:ラブライブ!スーパースター!!2期第12話より)

そして問題のシーン。留学の準備をしろと部室を追い出されてしまったかのんは、校門近くで結ヶ丘の制服を着たマルガレーテに「留学中止」という衝撃の事実を知らされます。かのんの「どうなっちゃうの~~~~」という叫び声と顔芸でエンディングへ…。

顔芸やらせりゃいいってもんじゃないぞ(引用元:ラブライブ!スーパースター!!2期第12話より)

いやこんな最終回あります???千砂都の想いやかのんの葛藤、他のメンバーの決心、すべてが水泡に帰したと言われても仕方がないような展開です。これまでの感動を返してくれ。私もみんなも叶えられない物語になってるじゃないですか…。最後のリエラのうたはよりによって「Time to go」(=出発の時間)というタイトル。もはや高度なギャグに思えるレベル。出発できてない。未来の音が急に聴こえなくなってしまったラストにタイムラインは荒れに荒れました。賛よりも否のほうが明らかに多かったのではないでしょうか。

ところが最終回直後の生放送では一縷の希望が。ラブライブシリーズ初の3期制作です。11話時点では留学話で続編の雲行きが怪しかったので、ひとまず一安心ではあります。これならこのラストにも納得……………………はしませんよ???

たしかに11話の感想を書いた時には留学しない展開を望んでいましたが、こんな唐突な展開が来るとはさすがに予想外でした。なぜこんなことになってしまったのでしょうか。

ここからは完全に個人的な想像の域を出ませんが、実はギリギリまで3期が制作できるかわからなかったのではないでしょうか。だからどっちに転んでも話が作れるように留学というテーマが出てきたのでは。3期が制作できなかったらふつうにかのんの留学を見送るハッピーエンドで終わっていたのではと思います。

生放送の際もキャストの大半が泣いていましたが、単に3期が予定調和で決まっていたらあんなに号泣しないのではないでしょうか。むしろ笑顔で発表できていたはずです。もしかしたら2期で打ち切りの可能性もあったなかで続編が決まったということだったら、あの様子も納得です。まあ仮にそういう理由だとしても、大人の事情で脚本が振り回されることに納得はできませんが…。

3期と新メンバーのゆくえ

なんにせよ、3期では留学中止の理由が明らかになるはずですので、ちゃんと筋の通った話をつくってほしいものです。そして同時に発表された一般公募オーディション。学年が進むので新メンバーが出てくることは当然ですが、ここまでキャラが増えると全体の動かし方が難しくなるので不安もあります。

結ヶ丘の制服を着たマルガレーテ(引用元:ラブライブ!スーパースター!!2期第12話より)

以前からオタクの間で話題になっていますが、最終的に12星座に倣って12人になるとすると、新メンバーは3人。結ヶ丘に来たことからマルガレーテは確定でしょう。3rdライブでも、一部公演での出演だったサニパと違って結那さんは全ての公演に出ますから、後々を考えて経験を積ませているのではと思います。2期を通じてかなりのヒール役だったので、恋ちゃん以上にこのイメージを覆すのは難しそうですね。あとは割と棒読み気味なので声優としてのレベルももう少し改善するといいのですが。

残りは一般公募が担当するキャラともう1人は芸能経験者でしょうか。SNSを見ると、ありあの加入を予想する人が割といるのですが、過去作で黒澤姉妹や近江姉妹がいたから安直にそう思っている人が多い印象です。本編を見る限りではどうも根拠が薄い。むしろ8話ではフラグが折られていたような気がします。なのでマルガレーテ以外は新キャラなのではないでしょうか。

最終回にはそれなりに不満はありますが、ラスト以外は割と綺麗にまとまっているのではないでしょうか。ひとまず3期制作が決まったということで、もう少しLiella!の物語が見られるということは純粋にとても嬉しいです。かのんたち1期生が3年生になる3期でおそらくスパスタは今度こそ最後だと思われるので、より丁寧で納得できるラストを見届けることができればオタク冥利に尽きます。

当面のところは3rdライブが楽しみですね。いくつ当選するかわかりませんが、行けるところにはできるだけ応募しようかなと思います。それでは!


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