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Jユニ図鑑コンプリート  「苦労したこと」「得たもの」など2年間を振り返る。

Jリーグユニフォームを再現しようと行っていた「Jユニ図鑑」が1992年から2021年までホーム用だけではありますが、完成することができました。
これもSNSで温かく見守っていただいた方々のおかげです。
ありがとうございます。

およそ2年かかりましたが、細々ながらやってきて良かったなと実感しています。
この2年の「Jユニ図鑑」を振り返って自分にとって良かったこと、得られたものを整理していきたいと思います。

(ぜひTwitterで #Jユニ図鑑 ハッシュタグを見てください!)

ありがとう1029

そもそもなぜ始めた?

元々ユニフォームが大好きで、ユニフォームについて思いを巡らせることが好きでした。
その際に書籍やカタログで特集されているものをよくみていたのですが、自分の愛読書である「Jクラブ歴代ユニフォーム完全カタログ(枻出版社)」が2006年で終わっていました。

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Jリーグのユニフォームのデザインは世界的にみても評価が高く、日本独自のブランドが参入している点も珍しいと思っていたので、この素晴らしいユニフォームを体系的に残せないものか?と思っていました。
いつか図鑑のようになれば良いなと思い「Jリーグのユニフォームの図鑑」ということで「Jユニ図鑑」と名付けた。

なんとか同じ体裁で全ての年代、全てのユニフォームを作っていこうという意気込みで始めたのでした。
しかしなかなか、うまくいきません。
そもそも私は生粋のデザイナーではありません。
Adobeソフトの使い方はわかっていても効率的な使い方を知りません。
とても素人的な使い方でPhotoshopやIllustratorを操作して、いろんな方々のブログやyoutubeを参考に試行錯誤しながらひとつづつ作っていきました。
最初はとても時間がかかりましたし、造形が下手でした。

ユニフォームを並べる魅力

私はユニフォーム一枚見るだけでも楽しいんです。
どの年でどんな選手が着ていて、どんな試合があったか。
その時は私は何をしていたか。
思い出せないものはネットで調べてまた知識が溜まっていく。
私はそれがたまらなく楽しかったんです。

数年でモデルチェンジするユニフォーム。
そのデザインごとにその時代の思い出があり、ユニフォームはその思い出を思い起こすトリガーとなると思っています。

ユニフォームを年代で並べるようになるきっかけがありました。
それは内田篤人選手が引退すると聞いた時です。
2020年8月20日に8月いっぱいで引退するという報道を耳にしました。
大好きな内田選手が引退してしまう。
その早すぎる引退にショックはありましたが、私なりに彼のこれまでの功績を讃えることができないか?と思い、現役時代の所属クラブのユニフォーム集を作ることにしました。

鹿島の初期のものは既に作ってあったのですが、シャルケ、ユニオンベルリン、そして最近の鹿島のユニフォームを急いで作りました。
胸番号があるものは番号も作って。
引退発表から三日後の8月23日にこのようなツイートをしました。

内田選手のこれまでをユニフォームで振り返る。
「いいね」が40も付きました。
当時のフォロワーは340人くらいでしたので40もいいねがつけばウハウハです。
自分が見たいものが作れたこと。
それで良かったのです。

しかしこの内田篤人ユニフォーム集がのちにサッカーデザイン業界の巨匠に取り上げるられることになり大変でした笑
9月になり別サイト(Behance)に載せていた内田篤人ユニフォーム集をツイートいただいて多くの反応をいただき、その月だけで1100人もフォロワーが増えたのです。

もちろん内田篤人さんの人気にあやかっている分も差し引かなければならないのですが、ユニフォームを時系列で並べることがウケが良いなと思いました。
その人の歴史をユニフォームで振り返る。
これクラブでもやってみようと思いつきました。

ユニフォームを並べることによって前後との比較、そのクラブ(ブランド)のデザインの傾向、定番のデザインとハズしのデザインなどいろんなことが見えてくることがわかります。
時系列やグループで並べることによって単発で見るよりそのクラブのユニフォームをより深く見たり感じたりすることができるのではないか。

そこからコツコツ、ほぼ毎日何かしらのユニフォームを作るという作業を繰り返しています。

苦労した点

一番苦労したのはそのユニフォームの情報収集です。
ユニフォームデザイン、ブランド、スポンサーなどその時に着用していたものを精密に再現したい。
そのためには正確な情報が必要です。
画像検索をするのですが、古い年代のものはユニフォームが真正面から写っている写真は稀です。
フリマサイト、オークションサイトなどもチェックします。
Youtubeで動いている選手を見て判断したこともあります。
クラブのWikipediaには歴代のスポンサーが載っていてこれも参考にしました。
単純な画像検索で引っ掛からなくてTwitterで検索することも多かったです。
今はTwitterを通じてユニフォーム仲間も増え、DMで聞くこともあります。
ありがたや。

苦労したという部分では技術面も大変でした。
細かなグラフィックなどを再現する技術がない。
それはもう途方に暮れることたびたびでした。
特に2010年以降、サッカーユニフォームは昇華プリントという製法がよく使われるようになり細かなグラフィックを用いることが多くなりました。
これまでの丸や四角のオブジェクトを組み合わせるだけの素人技法ではとても再現できません。
ベジェ曲線、ペンツールなど苦手でも取り組むしかありません。
慣れないし、うまくいかずイライラするし、それはそれは苦しい時間です。
時にはiPadで手書きしたものを取り込んでということもやります。
しかしこの苦労はのちに得たものになるのですが。

ひっそりコンプリート

Jリーグに参入した順番でクラブの歴代ユニフォーム集を作っていきました。
そして先日テゲバジャーロ宮崎の2021シーズンひとつだけを投稿し、これにて(とりあえず2021シーズンまで)コンプリートとなりました。
はぁ、長かった。
よく頑張った自分。

得たもの

2年かかりましたがコツコツとやってきて良かったなと思います。
なぜならJリーグのユニフォームを(今はホームだけですけど)もっと深く知ることができたし、デザインや素材など時代による傾向が理解できたからです。
それまでは自分は詳しいつもりでしたけど、全然そんなことなかったです!
Jリーグの歴史を振り返ると素晴らしいユニフォームがたくさんあります。
知らなかった名作がたくさんあります。
そしてそれを作ってきたブランドが無数にあります。
日本には良いユニフォーム、良いブランドがあると気付けたことが一番大きいです。
そしてユニフォームに対して謙虚になれました笑

胸スポンサーを追うだけでも日本企業の栄枯盛衰を感じることができますね。
サッカーユニフォームは日本経済の写し鏡かもしれません。

これ筋トレみたいなもんで、いきなりダイエットできたり、いきなり筋肉モリモリにはならないですよね。
少しずつですけど、今はある程度ユニフォーム筋肉ついているように思います。
知識ももちろんですけどユニフォームに対する愛情が増しました。
まだまだ知らないユニフォームがあると思うとワクワクします。
探究心というか好奇心がいまだに衰えるどころがより旺盛になったと思います。

そしてSNSに投稿することによって世の中にもユニフォーム好きがたくさんいるんだなと実感できたことが良かったです。
それぞれがそれぞれのやり方で私のユニフォーム集を楽しんでくれました。
本当にありがたい!
今では新ユニフォームの情報があると教えてくれる人もたくさんいます。
そんなユニフォーム仲間が全国にいると実感できたことも大切な気づきでした。

そしてPhotoshopやIllustratorの技術が2年前に比べて少しは上がったこと。
これこそ筋トレのようですが毎日操作することでより効果的、簡略化できる方法を身につけていきました。
それでもまだまだ自分の好きなこと、できることしかやっていないので世の中のデザイナーさんは本当にすごいなと思います。
私はいまだに自分のことをデザイナーだとは思っていません。
あくまでユニフォーム研究家です笑
研究発表の一つとしてユニフォーム画を作っています。
いずれにしてもデザインソフトの技術が多少なりとも上がったことも得たもののひとつと言えます。

これから

2022年1月頃のこと。
そろそろコンプリートするなと思うとなんだか不思議な気分になってきました。
これはもしかして燃え尽き症候群で辞めちゃうかな?ということもよぎりました。
しかし、まだ終わりません。
図鑑は更新されないといけない。
2022シーズンも作らなければなりませんし、アウェイにも手をつけないといけないし、WEリーグやFリーグもこれからです。
Jユニ図鑑は終わりなき旅なのです。
この文章を書きながらも並行してユニフォーム作りをしています。

そして全国のユニフォーム仲間と交流を楽しむ。
ユニフォームから少しでもサッカーに興味を持ってもらえる人がいたらそれは幸せなことです。
ということで、これからもよろしくお願いします。

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