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TUGUMI(著者:吉本ばなな)

TUGUMI
著者:吉本ばなな
初版:1989年

二度とかえらない輝かしい季節、少女から大人へと移りゆく夏に、ふるさとの海辺の小さな町ですごした少女たちの日々――。めぐりゆく時の切なさと、生きることの歓びを描く。(出典:中央公論社 HP)
http://www.chuko.co.jp/tanko/1989/03/001775.html


「物語のかたち」
透明な金平糖のようなかたち。ツンツンといくつもの尖ったものが表面を覆っている。しかし、尖った先は丸みをおびているので、触っても痛くない。透きとおっていて、とても美しい。

 この本を読むと、繊細で不安定で、でもキラキラと輝いている、そんな美しいものを見たときの恋焦がれるような気持ちになります。恋のように甘酸っぱくて、これから何にでもなれそうな、どこへでも行けそうな、そんな自由で走り出しそうな気持ちが胸いっぱいに膨らんで、気持ちが体ごと浮遊するような心地良い気持ちになります。その心地よさは癖になり、何度もその感覚を味わうために読み返してしまうほどです。


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