見出し画像

今知って欲しい、「友安製作所とハンバーガー」〜2. Donの自家製ベーコン〜

こんにちは!新米広報のCyan(シアン)です。

今日は、「友安製作所とハンバーガー」2周年記念企画の第2弾!「Donの自家製ベーコン編」をお届けします。

実は、友安製作所Cafeのハンバーガーに使用しているベーコンは全て手づくり。そしてなんと、ベーコンをつくっているのは我が社の会長、Don(ドン)なんです。

Donは友安製作所の二代目で、先代からカーテンフックの製造を受け継ぎ工場を守ってきた存在です。御年77歳 。今でも毎日のように工場に立ち、カーテンフックや真鍮雑貨をつくっているひとりの職人でもあります。

まさかそんな人物が、カフェのハンバーガーに挟むベーコンをつくっているとは思いませんよね。私も初めて知った時はとても驚きました。

今回は社内で初めて、Donにベーコンづくりについてインタビューを行い、その調理現場にもお邪魔することができました!

燻したベーコンを燻製機から取り出す様子

「やってみようかな」で、やってみる

もともとベーコンづくりはDonの趣味でした。ベーコンをつくるようになったきっかけを聞いてみると、「きっかけなんてない」とのこと。
たまたまベーコンづくりが家庭で出来ることを聞いて、「自分もやってみよう」と思い、本でレシピを調べたそうです。

それから半年に一度くらい、ベーコンをつくって家族や親しい人たちに食べてもらうようになったといいます。

「自分で何かをつくって、人に振る舞いたい」という気持ちから、ベーコンづくりだけでなく、うどんを打ったり、料理教室に通って本格的な中華料理を習ったりしていたというDon。「興味のあることは自分でやってみたい」という思いが強いのは若い頃からだったそうで、学生時代にはお茶を習っていたといいます。そうやって食に向き合ううちに、器にも興味を持ち、陶芸に取り組んでいたこともあるそうです。

今でこそ料理が趣味という男性も多いですが、Donの若い頃は今とはジェンダー観が異なっていた時代。お茶や料理を習う際に「男性が...?」と不思議がられたり、教室に参加させてもらえないこともあったといいます。

そんな話を聞くと、それでも自分の「やってみよう」という気持ちを貫いていたDonのブレない好奇心に感心させられました。ものづくりを生業とするDonだからこそ、「つくる」という行為をフラットに捉えていたのかもしれません。

博多Cafeのキッチンにて、グリルされているDonのベーコン

ベーコンをカフェのお客様に

「振る舞いたい」という想いでベーコンづくりをしていたDonですが、まさか自分のベーコンをカフェでたくさんのお客さんに食べてもらうことになるとは、想像もしていなかったといいます。

「まさか」のはじまりは、友安製作所がカフェをオープンさせるところからでした。

Donの時代は、生粋のまち工場だった友安製作所。息子のBoss(現社長)が入社したことで、徐々にインテリアの会社へと変化を遂げていきました。
はじめに日本にはないカーテンレールやカーテンを輸入し、インターネットで販売していくと聞いた時は、正直あまり理解できなかったといいます。

自分で仕事を取りに行くのではなく、「こんなものつくれませんか?」という他社からの依頼に応えるスタイルでやってきたというDonとは、全くやり方が異なっていたのです。
それでも徐々に事業が大きくなっていく様子をみて、納得したといいます。

ある日突然「カフェをやる」と聞かされた時は、流石に畑違いすぎるため「なんで?」と驚いたものの、その頃には、「やると決めているのだろうから、しょうがないな」と思っていたそうです。
さらに「カフェでDonのベーコンを出したい」と切り出され、そういうことならと頷いたといいます。

「あいつに言われたら嫌とは言えない」と冗談めかして語るDonですが、経営者として、息子としてBossのことを信頼しているからこそ、様々な挑戦を受け止めてきたのだと感じました。

半年に一度趣味でつくっていた頃とは違い、カフェ3店舗にベーコンを届ける今では、2ヶ月に3回、合計100kg程のベーコンを仕込んでいるそうです。その労力は以前と全く異なるものですが、「自分に出来るところまではやる」と決めているのだといいます。

Donのベーコンを使用したベーコンエッグチーズバーガー!

ベーコンづくりのひみつ

では、Donのベーコンはどのようにして出来上がっているのか。尋ねてみると、そこには想像以上の手間暇があることがわかりました。

一度に扱うお肉の量は、3~4kgのバラブロックを9本。正直、一般家庭で見るお肉の量ではありません。まずはそのお肉全体にスパイスを擦り込むために、片面に200箇所ずつフォークをつき刺します。

使用するスパイスは、塩、胡椒、パプリカパウダー、オールスパイスパウダー、ナツメグ、シナモン、などなど。黒胡椒など粒のスパイスは粉状に砕いてから混ぜ合わせ、大量のスパイスミックスをつくります。それを大きな肉の塊にまぶしていくだけでも大変な作業です。

スパイスをまぶした状態で袋に入れ、冷蔵庫で1週間寝かします。1週間後、大きなタライに水を張って、ちょろちょろと水を流すこと3時間。お肉から余計な塩分を抜く工程です。

3時間後、ペーパーでお肉の水分を拭き取り、フックで刺して棒に吊るせる状態にします。しばらく干して、その後燻製機へ。40度まで熱を加え、お肉を乾燥させた後、チップをいれて煙を出します。それからは、なんとそのまま5時間!温度計で燻製機内部の温度を確認しながら、燻し続けます。

Donがベーコンづくりに使っているオリジナルの燻製機

ベーコンの燻製に適切な温度は65度。温度計を確認しながら、温度の変化に対応します。冬場は高温を保つのが難しく、夏場は温度が上がりすぎないように要注意。その日の環境やお肉が持つ条件が異なるため、様子をみながら対応しなければならないそうです。

5時間、定期的にチェックする温度計。温度管理が重要です!

出来上がったら今度は室内で干して、お肉を冷まします。それからラップに包んで冷蔵庫でさらに一晩。そして最後に、切り分けて真空パックに詰めていきます。これでやっと、カフェに送るベーコンが出来上がりました。

燻製機から取り出したベーコンは、室内に吊るし、冷まします

初公開!ベーコンづくりの現場へ

ベーコンづくりはDonのご自宅で行われているので、これまでその様子を知るのはBossだけでした。
今回、初めてベーコンづくりの現場にお邪魔し、5時間の燻製を終え、燻製機の扉が開かれる瞬間を捉えることができました!

その様子がこちら!

燻製機の扉が開いた瞬間!

見てください!ずらりと並ぶベーコンの姿に、なんだか興奮しませんか?そして扉を開けた瞬間から、燻製のスモーキーな良い香りがその場に立ちこめます。思わず「美味しそう〜」と声を漏らしてしまいました。

そして注目したいのが、この燻製機。中を除いてみると、ベーコンが吊るされているのは、カーテンレールとカーテンフック?!
もちろん、当社の商品です。普段は工場でカーテンレールのカットや、カーテンフックの製造を行っているDonならではのお手製燻製機となっています。

カーテンレールとカーテンフックに吊るされたベーコン!

初めの頃は既製品の家庭用燻製機を使っていたものの、カフェの店舗も増え、ベーコンづくりの量が追いつかなくなったことで、この燻製機をつくったそうです。

ちなみに、燻し終わったベーコンを室内で干す際の竿も、私たちにとっては馴染み深いアイアン製。自社の製品や資材を組み合わせてDIYされています。

「あるもので出来ることを考えないと」というDonのひとことに、豊かな発想力と創造力を持つことの大切さに気付かされました。

これぞ「なんでもつくってしまう友安製作所」のものづくりスピリットではないでしょうか。

ベーコンづくりも、職人仕事

Donにベーコンづくりへのこだわりを聞いてみました。
それは、「手間暇をかけることをいとわないこと」。

2月に3回、100kgものベーコンをつくることは本当に大変な作業です。しかし、「どうせつくるのなら」と毎回一生懸命に取り組んでいるといいます。

その心意気は、工場に立つ時と変わりません。今回初めてベーコンづくりという観点でDonにお話を聞きましたが、そこにもやはり「職人の強さ」と言えるものを感じました。

Donのベーコンは、添加物不使用で安心して食べていただけます。
時間をかけて燻製しているので香りがよく、漬け込んだスパイスの塩味と共に、ハンバーガーとの相性が抜群です!

ぜひ友安製作所cafeでご賞味ください!

ダブルパティのベーコンエッグバーガー

おわりに


「カフェのベーコンはDonがつくっている」ということは、これまでも社内では有名な事実でしたが、誰もその様子を知りませんでした。

今回このインタビューを通して、”自家製ベーコン”という友安製作所のハンバーガーのこだわりポイントを初めて深掘りすることができました!

ものすごい手間暇をかけてつくられているDonのベーコンの魅力を、カフェでハンバーガーを召し上がるお客様にも、もっとお伝えしていきたいです。

Donのお話にあった「やってみよう」と思い行動することや、「あるものでつくる」という精神は、友安製作所の文化そのものであるように感じます。

新米広報としては、「DonとBossってやっぱりどこか似ているんだな」と、ほっこりした気持ちにもなったインタビューでした。




この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?