紗々とぶぶんぶんぶん
教育を生業としての生活が始まり、3年目に突入した。
生徒や保護者に「気づきを促すこと、説明すること」が仕事である。
そんな私は、今月から拠点長という役割をいただいた。
今の私には、生徒の成績向上だけでなく、管轄教室の統率、
業績の向上が求められている。
そこで第一に考えたことは、自分の中にある抽象概念や、
周囲の人たちが見落としている身の回りの不思議を言語化することである。
誰かに伝わることが前提の言語化であるため、
見られることが前提のこのような形が最善かと考え、
改めてこのアカウントを活用する運びとなった。
私は、生徒にも公言しているが日本語を寵愛してやまない人間である。
千原ジュニアが全編直筆した、「嗚呼、蝶でありたい」という4コマ漫画で
個人的にとても面白い言及がなされていた。
「日々や諸々の『々』は同じ音を繰り返す漢字なのに、
なぜ紗々のときはサシャになるんだろう」
読んだ瞬間、確かにと思い、あれこれ調べてみた。
漢字辞典によると、このような説明がされている。
紗々は日本語のルールをはみ出している。
日本語を学びたての、まだあどけなく母性本能すら呼び起こさせる
帰国子女のようであり、まさにお口の恋人である。
部分という2文字を繰り返すときは、々々と繰り返すようである。
一見すると、「ぶぶんぶんぶん」と呼んでもおかしくないが、
この場合はぶぶんぶぶんと、読むのが正解である。
なるほど、四字熟語になったときは最初の漢字を繰り返せばいいのかと、
合点がいきそうになるが、そうは問屋が卸さない。
気分上々は「きぶんじょうき」ではなく
「きぶんじょうじょう」という読み方になる。
この漢字は、気分という熟語がひとまとまりだという前提がなければ、
一生かけても読むことはできない。
日本語はとても難しいし、日本語の問題点だけで酒の肴になるほど面白い。
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