ここぞという時の連続【第１０２回：ミャンマー言いたい砲台ラヂオ放送後記】

2023年11月2日 12:51

こんにちは。
いつもラヂオの中で最も時間をかけて考えているのは、一番どうでも良い冒頭の楽屋トークネタの新町です。
今週も張り切っていってみましょう。

お知らせです。
好評をいただいております。
100回記念企画の有料記事ですが、MC石川さんのエッセイの冒頭を公開しました。
いわゆるチョイ見せではあるんですが、なんとそれだけで3000文字超というボリュームです。
是非読んでいただけたらと思います。

今回の放送のアーカイブです。

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今回番組で取り上げた注目ニュース

・ミャンマー少数民族が独自戒厳令　軍政の支配力が弱体化か（東京新聞）
10月27日より始まった少数民族の独自の軍が合同で行ったというところが歴史的に見ても例をみない事態ということのようです。
10月末の段階で８０を超える拠点を占拠したという情報も一部あります。
成果も凄い事ですが、この少数民族の軍はクーデター以降に出来たものでは無く、これまでも幾度となく自分たちの自治の為に国軍と戦ってきた軍というところが大きなポイントです。
中には戦闘部隊だけではなく広報を司るところもあり、NUGとも連携して国軍を打倒した先の事まで考えて動いているところが先進的だと考えます。
例えば捕虜の扱いなどについても戦時下における国際ルールにのっとって行おうとい姿勢がみられる事は非常に画期的と言えるのではないでしょうか？

・ザガインの避難民キャンプでインフル流行（キッティッ）
戦時下において最も被害を受けるのは最も力がない人々です。
長らく避難生活を強いられている人たちにとってこのような病気は本当に大変な事だと思います。
沢山の支援が必要という事は当然ですが、その支援がキチンと届くようにと考えるだけでも大きな仕事となります。

・ヤンゴン地域フモービー郡所在の空軍基地に22日ミサイル5発が撃ち込まれる　
戦略的に都市部近郊でもこのような動きが出てきました。
PDFなどの国民側の勢力の大きな作戦の上でどの程度の重要度がある作戦かはわかり兼ねますが、決してヤンゴンであっても絶対的安全地域ではないということを表すニュースだと思っています。
比較的平穏な雰囲気のヤンゴンで基本的な生活の営みはコロナ前の状態に戻っていると言えなくはないですが、決定的に違うのは以前には無かった薄い緊張感は今でも常に走っているという事を現地で実感しています。

テーマトーク
「クーデターから1000日を超えて〜ミャンマー民主化を問い直す〜」

東京大学の山口健介先生が書かれた著書を基に話しました。
放送でも言ったのですが、
2011年～軍が行っていた時期と2016年以降スーチーさんの政権での時期で経済の伸びが違うという数字をもって軍政権の方が経済政策が良かったとする認識は短絡的な考えであるというのがこの本での分析からわかります。

まだ私は全部読んでいない状態でアレコレと語るのも恐縮ですが、データ分析の重要さがわかる本だという印象です。
是非フラットな視点で最後まで読んでいこうと思っています。

軍が憲法違反のクーデターを起こしてから1000日が経過しました。
直後のデモを行っていた時期や9月のDデイ宣言などここぞというタイミングはいくつもあったと思いますが、この1000日というのも重要なタイミングとなると現地にいながら感じています。

この国の地力や底力はこの9年嫌という程感じてきましたが、今ほどその可能性を感じる時は無かったかもしれません。
表面上の数字では決して表れないミャンマーの魅力を極端な有事で今感じているというのもなんとも数奇な話ではあります。

とは言え、コロナから3年以上ほぼ止まってしまっている教育のダメージは計り知れないものがあります。
それは今日クーデターが終わったとしてもこの先数年続いていく大きな問題です。
一日も早い回復が望まれるところです。
私も微力ながらこの教育というジャンルでもこの国に貢献できるよう奮闘していきたいと思います。

それでは、また来週。

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