あれ?今の自分、原始人?って疑え②

こんにちは。ともやです。
この記事は前回の記事の続きになります。
前回の記事を読んでいない人はそちらから読んで頂けたら幸いです。

2匹のネズミが大量のチーズを発見した頃、
2人の小人は未だにチーズステーションCで事態の検討を続けていました。
良い解決策が見つからない不安と苛立ちをお互いにぶつけ罵り合っていました。

小人のホーは時々ネズミ達のことを考えました。
あの2人は今頃あてもなく迷路を彷徨っているのだろうか?でもそれはいつか好転するに違いない。
もしかしたら今頃、すでに新しいチーズを見つけ、たらふく食べているかもしれない。自分も迷路に冒険に出かけ、新しいチーズを見つけられたらどんなに良いだろう。それを鮮明に想像すればするほど、チーズステーションCを離れなければならないと思いました。

ホーは不意に叫びます「出かけよう!」
しかしヘムはすぐさま「だめだ。ここは居心地がいい。ここのことならよく分かってる。他のところは危険だ。」と反論します。
ホーは確かに、他のところは危険かもしれないと不安がよみがえり、新しいチーズを見つける希望もしぼみました。

ある日ヘムが言い出します。「もしかしたら、あのチーズは近くにあるかもしれない。きっと壁一枚向こうに隠されているんだ。」
2人は朝から晩までかかって、壁に穴を開けました。しかし、そこには何もありませんでした。
ホーは勤勉に働いても成果が上がるとは限らないと学びました。

ヘムは「もう腰を下ろして、事態を見守っていたらいいんじゃないかな。いずれチーズは戻ってくるだろう」と言いました。
ホーもそう思いたかったのですが、待てど待てどチーズは現れません。
2人は空腹でどんどん弱っていきました。

ついにある日ホーは自分自身を嘲笑いたくなりました。
「ホーお前は何をしているんだ。繰り返し同じことしかしないで、事態が好転しないのを不思議がるなんて、どうかしている」と。

ホーは出かける準備を始めます。
それをみたヘムはホーに問いただします。「もしチーズがなかったらどうするんだ?あったとしても、見つからなかったら?」
「分からない」ホーは答えます。
その質問は何度も自問したものでした。しかし答えは分かりません。


ホーは想像してみました。笑顔を浮かべ思い切って迷路へ入っていく自分を。
その姿には自分でも驚きましたが、気分が良かったのです!
時には道に迷うだろうが、最後には新しいチーズが見つかるに違いないと思いました。
さらに想像力を働かして、自分が新しいチーズをたらふく味わっているところを思い浮かべました。出来るだけ現実的で細かいところまで。
すると、さっきよりも気力が湧いてきました。
早く出発したいという気持ちになり、この場に止まることが勿体無いと感じたくらいです。

「いよいよ迷路に出発だ!」
ホーは笑って宣言しました。

迷路は薄暗く、曲がりくねっていました。
長いこと同じ場所に留まっていたホーは、以前冒険していた時よりも恐怖心が強くなっているのを感じました。
そこでホーはこう考えました。
「もし恐怖がなかったら、何をするだろう?」
恐怖は役立つこともあります。恐怖を感じ、行動に移る。
しかし、恐怖のあまり立ちすくんでしまうこともあります。

もし恐怖がなかったら前に進むに違いない。
ホーはもっと早く出発しなかったことを後悔しました。
でも、「遅れをとっても、何もしないよりはいい」と考え、歩みを進めました。

それから数日間、あちこちで小さなチーズのかけらを見つけました。
あまり長持ちはしませんでしたが、それを食べながら探索を続けました。
迷路は思っていたよりも複雑で、2歩進んでは1歩下がるといったことを繰り返しました。

ある日見込みがありそうな、大きなチーズステーションに辿り着きました。
中を覗くと、空っぽでした。
ホーはひどく落胆しました。「徒労に終わることばかりだ。。」
もう投げ出したくなりました。もしチーズが見つからなかったらどうしよう
そんな不安と恐怖に駆られることもありました。
そんな時はこれを思い出します。
「もし恐怖がなかったら、何をするだろう?」
ホーは幾たびも恐怖に駆られながら、足を前へと踏み出しました。

歩くのをずっと続けていると、ホーは自分の気持ちの変化に気がつきました。
暗い路地に足を踏み入れた時、笑顔を浮かべている自分に気付いたのです。
チーズも持っていないし、どこに向かっているかも分からないのに、どうしてこんなに気分がいいのだろう?
ホーはある事に気付きます。
「恐怖を乗り越えられれば、楽な気持ちになる」
ホーは暗い道を進むたび、爽快な気分になりました。

何度か空っぽのチーズステーションを過ぎた後に、
新しいチーズステーションを見つけました。
ホーは中に入り、胸を躍らせました。
入口あたりに、量は少ないですが、新しいチーズのかけらがいくつか落ちていました。
それは見たこともないチーズだったのですが、とても素晴らしいものに見えました。かじってみると、とても美味なチーズでした。

ホーはある事に気付きました。
「チーズがないままでいるより、迷路に出て探したほうが安全だ。」
人が恐れている事態は、実際は想像するほど悪くないのだ。自分の心の中に作り上げた恐怖の方が、現実よりずっとひどいのだと。
ホーは気力を取り戻すと、一層力強く歩を進めました。

そして、永遠に迷路を走り回らなければならないのかと思いかけた時、その時は訪れた。
角を曲がったところで、チーズステーションNを発見したのである。
そこには、見たことのないほどの大量のチーズがうず高く積まれていた。
中には初めてみる種類のチーズもあった。
しばらく、現実なのか幻想なのか分からなかったが、旧友のネズミ達の姿を目にしてはっきりわかった。
ネズミ達は手を振ってホーを歓迎し、ホーはネズミ達のでっぷりとしたお腹を見て、彼らがかなり前からここにいたことを悟った。


物語は以上です。
如何でしたでしょうか。
登場人物は2匹と2人でしたが、4種類とも人間に当てはめることができるそうです。
自分がどのタイプに当てはまるのか、考えてみてください。
僕はたまにスニッフ、ほとんどヘムかなと感じました。


1つだけ、③の印象的な場面について紹介します。

本の感想を口々に語り合っている時に、ある一人が
「自分がヘムだと思った人は手をあげて」
とみんなに投げかけます。

しかし、手を挙げたのはたった一人でした。
それを見て、質問者は違う質問を投げかけました。
「自分以外の人がヘムだと思った人は手をあげて」
すると全員が手を挙げました。

面白いですよね笑
自分がヘムだということは認めたくないという人間の心理がよく分かります。僕も完全にその一人です。
自分がヘムかもしれないと疑い、そして素直に認めることが重要ですね。。。

以下、感想&僕が学んだことです。
・物語だけの本も読んでみたかった
最近どんな話を聞いても、自分に当てはめるとしたらどう解釈するかと考えるのにハマっているので、読者が分かりやすくするための①③がお節介に感じた笑(でも、おかげで具体例が分かりやすくて分かりやすくなっています。)

・自分がヘムになっていないか真剣に疑うことが大事
正直あまり心に響かなかったけど、それは自分がヘム化してることを自覚出来ていないからだと思った。客観的に自分の行動を見れば明らかにヘムなのに。

・定期的に読むのが大事
上の感想にも繋がるけど、人は無自覚のうちにヘムになっていると思う。人はホメオスタシス(恒常性)という今の状態を維持しよう!!という特性を原始時代に安全に生き抜くために獲得したらしい。毎日違うところで暮らしたり、違う獲物を狩っていたらリスクが大きいからね。でも、現代社会ではそれは悪い方向に働いちゃうこともあるから、「今自分、原始人になってないかな〜?」ってたまに疑うことが大事。

ここまで読んで下さってありがとうございました。


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