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日本人の3〜4人に1人が抱える頭痛

頭痛とは

頭部に感じる痛みのうち、表面痛でないものをいう。

頭痛はありふれた症状で、外来初診患者の約10%が頭痛を主訴とする。
日本人の3〜4人に1人(約3000万人)が「頭痛持ち」である。

そのうち
2200万人が緊張性頭痛
840万人が片頭痛
1万人が群発頭痛
といわれる。

男性よりも女性のほうが頭痛の症状を訴えることが多く、筋緊張性頭痛の6割、片頭痛の8割が女性である。

女性が訴えることが多い頭痛の1つに生理時に伴うものがあるが、これは生理中にエストロゲンが血中から減少し、それがセロトニンに何等かの影響を与えて片頭痛を引き起こしやすくなるからではないかとも考えられている。

頭痛の原因

(1)血管拡張

片頭痛など。
有力なのは「三叉神経血管説」である。血管収縮による頭痛はないとされる。

三叉神経血管説とは脳から伝えられた何らかの刺激が血管周囲にある三叉神経を刺激し、三叉神経の末端から血管を拡張させる作用をもつサブスタンスPなどのさまざまな神経伝達物質が分泌される。その結果、血管が広がり、その周囲に炎症が起こって頭痛として自覚されるというもの。

Wikipedia

(2)精神・筋の緊張

肩こりからくる筋緊張性頭痛など。
筋緊張性頭痛では、
ストレス → 筋収縮 → 頭痛 → ストレス
という悪循環が生じる。

(3)牽引性

頭蓋内の痛覚感受組織がひっぱられたり圧迫されて起こる。

(4)炎症性

髄膜炎やクモ膜下出血などでは、痛覚閾値の低下のために頭痛が起こる。
いわゆる髄膜刺激症状のひとつとして起きる。

(5)神経痛

頭部を支配する感覚神経である三叉神経や上部頸髄神経の損傷は頭部の神経痛を引き起こす。

(6)関連痛

耳・鼻・歯などの疾患による痛みの関連痛となる。

頭痛の分類

(1)一次性頭痛

基礎疾患がない頭痛で、慢性・反復性のため、患者が「いつもの頭痛」と心得ていることが多い。

【緊張型頭痛】
頭痛の最も一般的なタイプで、痛みは首・後頭部・眼・体のその他の筋肉に広がっている。緊張性頭痛は頭痛のタイプの約90%を占めている。

✅身体的ストレス
無理な姿勢・合わない枕・目の酷使など。
(長時間に及ぶパソコンやテレビ画面・モニタなどでストレス大)

✅精神的ストレス
心配事や不安・悩みを抱えるなど。
(人間の性格にも左右される → 几帳面な人・真面目な人ほどストレス大)

いずれも女性に多く、数日持続する。うつや精神的なストレスによって起こり、主に頚部・側頭部の異常な筋収縮に起因する。

【片頭痛】
発作的で脈打つような痛みや嘔吐などの症状を伴うのが特徴である。
その名の通り頭の片側に現れることが多いが、両側から痛む場合や後頭部にかけて起きることもある。

軽度から激しい頭痛、体の知覚の変化、吐き気といった症状によって特徴付けられる神経学的症候群である。生理学的には、男性よりも女性に多い。

片頭痛の発生メカニズムについてはまだ解明されていない部分もあるが、有力な説としては「セロトニン説」と「神経血管説」の2つがある。また、遺伝の要因もあるとも考えられている。

セロトニン説ストレス・緊張などにより脳が刺激を受けると、血液成分である血小板から血管を収縮させる作用を持つセロトニンが多量に放出されるようになり、脳内の血管が収縮する。時間の経過と共にセロトニンが分解・排泄されて減少すると、一度収縮した血管が逆に広がりはじめるようになり、この時に頭痛が起こる。

Wikipedia

【群発頭痛】
発症のメカニズムについては未だ明らかにされていない点が多いが、頭部の血管の拡張が関わっているのではないかと考えられている。
お産などよりも痛いとされ、心筋梗塞、尿路結石、と並び生きているうちに味わえる三大痛の一つとされ、別名「自殺頭痛」とまで呼ばれている。 目の後ろを通る血管が拡張して炎症を引き起こすため、目の奥の痛みを自覚するようである。

また、この血管を取り巻いて、涙腺のはたらきや瞳孔の大きさをコントロールしている自律神経が刺激されて、涙・鼻水が出る、瞳孔が小さくなるといった症状を伴うともいわれる。吐き気を伴う場合もある。

(2)二次性頭痛

頭部外傷による頭痛

【頭頸部血管障害による頭痛】
脳血管障害により頭痛が起こることもあり、代表的なものに「脳出血」「クモ膜下出血」「髄膜炎」「硬膜動静脈瘤」などがあげられる。
これらの頭痛の特徴は、突然頭部を何か堅いもので殴られたような突発的な痛みが発生することがあげられる。いずれにしても脳血管障害の場合は命に関わる危険性が極めて高くなるので、早急な救急処置を行うことが大切である。

【非血管性頭蓋内疾患による頭痛】

脳脊髄液圧の上昇(偽性脳腫瘍)や低下、サルコイドーシス・SLEなどの非感染性炎症性疾患、髄腔内への投与に関連する頭痛、脳腫瘍などの頭蓋内腫瘍など。

【物質またはその離脱に伴う頭痛】

食品では、赤ワイン・チーズ・チョコレートなどのチラミン含有食品、アルコール、グルタミン酸、亜硝酸塩などが頭痛を起こす。

冷たいものを食べると喉元が冷やされ、体は体温を維持しようと血流量を増すために血管が拡張して引き起こされる頭痛もある。

なるべく急激な血管の拡張が起こらないよう、冷たいものはゆっくりと食べるようにすると良い。

【二日酔いの頭痛】
アルコール飲料を飲み過ぎた場合に起こる。
以下、原因

✅アセトアルデヒド
アルコール過剰摂取 → アルコール代謝不全(肝臓) → アセトアルデヒド多量 → 血流で脳に到達 → 中和するために酸素を過剰摂取 → 血管拡張 → 頭痛

✅脳の髄液圧低下
脳は、頭蓋骨内部の髄液の中に浮かぶ形で存在する。
アルコール摂取 → 脱水 → 髄液中の水分も失われる → 低圧状態 → 頭痛

アルコール代謝能力が低い人や、アルコール度数が高い飲料は、頭痛を起こしやすい。

赤ワインは、チラミンを含有するぶんだけ頭痛を起こしやすい。

頭痛対策

(1)生活習慣の改善

長時間座りっぱなしのことが多い人は小まめに気分転換をはかる。
・背筋を伸ばす
・ぬるめのお風呂にゆっくり入る
・首や肩をマッサージする
・ウォーキングやストレッチなどの軽い運動を行う など

過労やストレスを溜めないよう、こまめに気分転換をはかる。
・趣味を見つける
・深呼吸する
・運動する など

規則正しい生活を心がける。
睡眠不足や睡眠のとり過ぎにも注意する

頭部への直射日光を避ける。
・帽子をかぶる
・外出時間を調整する

(2)予防策

・脱水症状を避けるため水分補給を心がける(特に起床時)

・ビタミンB2やマグネシウムを多く含む食品を摂取する

・頭痛が発生している時の飲酒は避ける。

・多量の飲酒は避ける。飲む場合は時間をかけてゆっくり飲む。

・アルコールと一緒に適宜食べ物も摂取する。

・頭痛が起こりそうな時は深呼吸をする

・入浴はアルコールの代謝が逆に遅くなる。

・片頭痛が起きたら
指で軽くおさえたり、冷やすと痛みの緩和ができる場合がある。
まれにカフェイン飲料が効く場合がある。


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