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雨の日ほどきれいな花

紫陽花を見ると日本を感じる。桜はヨーロッパでも人気でよく植えられているが、紫陽花を見たことはない。紫陽花は梅雨だからこそ育つという花なのだろうか。
ヨーロッパの6月には梅雨は来ず、そのまま夏になるため晴天率も高い。ジューンブライドと言われるのは1番気候がいいからだ(それだけで日本で6月に結婚式をあげるのは大変なこと)

鎌倉には庭や玄関先に紫陽花を植えている家が多いのだなと、花が咲き始めて初めて気がつく。葉だけをみて紫陽花だなと思うほど良く見て歩いているわけではないらしい。
日本は季節を象徴する花があり、それを大切にしているからみんなその花を植えていて、それが景観になっている。
花を見て今の季節を感じようとする心が西洋とは違う気がする。みんなが花を見るためだけにこぞって出かけたり、そのために花を目玉にした場所がたくさんあるのも喜ばしい。
紅葉にしろ花にしろ、日本人は自然の中に美を感じるというところは、数少ない日本の変わっていない個性。

今の時期の鎌倉はとてつもない人で、普段は学生しか乗り降りしないような北鎌倉駅も朝の渋谷駅並みに人が雪崩れ込んでくる。
東京で暮らしている人はこのくらい慣れているかのような平気な顔をして電車に乗ってくるが、こちらとしては「またこの季節になったか…」という感覚だ。紅葉よりも人が北鎌倉に集中する。
明月院があるからだ。

雨の日が良い花

写真を撮るにしろ、花を見に行くには天気が良い方がきれいに決まっている。桜をわざわざ雨の日に見たいとは思わないし、ネモフィラは青空と組み合わさるから夢のような景色になる。

しかし紫陽花は雨の日ほど美しい。暗く水が滴るところでこそ青が際立つ。晴れている日の紫陽花はどこかつまらなく感じる。水が乗ることで色に深みや変化が出ているのだろう。

雨の降る夕方に近所の本覚寺と妙本寺に行ってみると、誰1人おらずきれいな紫陽花が咲いていた。

花びらの中にも様々な色があり、それぞれの花びらも色が違う。土質が酸性かアルカリ性かで色が変わるところもおもしろい。
妙本寺のように苔が多く生えるような見るからに酸性のところは全て青い紫陽花だった。

蓮もおもしろい。

水を弾く様子はずっと見ていられる。この歳になってもおもしろい現象。トトロを思い出す。

赤い傘の妻

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