依存心のいい訳
私の父は 最近しっかり「老人」が板についてきた。3年前まで木工所を経営する職人だった。
母は父と結婚してすぐ長女が生まれ
その後一生 専業主婦として生きている。
父がいわゆる遊び人でギャンブラーだった為
母はとても苦労した。お金の工面から3人の子育て、父の女性問題…
いつもいつも喧嘩していた。
毎日毎日、母の愚痴を聞かされた。
どんどん母の愚痴はエスカレートしていった
ある日 母に連れられて街中に行った時
私は何か買ってもらえるのかと思いウキウキしていたら、なぜか薄暗い路地に入り、その路地の一角にある間口の狭い小さなスナックの前で立ち止まった。
「ここの店のママはね、お父さんの浮気相手で
あんたと同じクラスの○○ちゃんのお母さんなんだよ!」と言った…
「………」
(私にそれを聞かせてどーしろというのか?)
(狂ってるの?)
その時、高校2年生だった私は、もう幼い子供ではないので、状況も把握したし、母の悔しい気持ちも痛いほど分かった。
が、
何故わざわざここに連れてきて、しかも私と同じクラスの子のお母さんだと私に言うのか?
夫婦の問題は夫婦で解決してくれ!
私にどうしろというのだ…
結局、気分は最悪になり買い物もしないで家路についた。
クラスで○○ちゃんに会っても、私は何も言わなかった。彼女の家は母子家庭という事も知っていたし、中学校も一緒だったが、とても大人しく読書が好きな空気のような雰囲気で
私とはクラスメイトという以外接点がないので、目が合うとお互いニコ☺️っと微笑み合うくらいだった。
母は彼女のことを私がいじめるとでも思ったのだろうか?それで自分では出来ない憂さ晴らしを間接的に私にさせようとしていたのだろうか?いまだにその真意は測り知れない…
もちろん卒業するまで、私は彼女にその件について話はしてないし、する必要もなかったので
母の策略は失敗に終わった。
母の愚痴は止まらず、見ているのも辛かったので私達姉妹はよく母に
「もう離婚してもいいよ」と言った。
母の返事は決まって
「あんた達がいるから離婚出来ない」
「あんた達のせいで離婚出来ない」
と言った。
後に私と1番上の姉は離婚を経験するのだが
姉と私の気持ちは
(自分が辛い思いするのを子供達のせいにしたくない!)ということでまとめられた。
私達は母に幸せになってもらいたかったし
笑顔が見たかった。
母が幸せになれないのが自分達のせいだなんて悲しすぎると思っていた。
母と私は毎回のように同じやりとりをした。
母 「お金がない お金がない💦」
私 「自分も働けばいいじゃん❗️」
母「商売やってるから電話かかってくると困るから家から出られない」
それは携帯電話の時代になっても言っていた笑
母 「私は車乗れないからどこにも行けない」
私 「車の免許取れば?」
母 「お金がないから無理。
もう歳だから無理」
これは一例だが、全てがいい訳…
自分から行動を起こさず文句ばっかり言う。
自分が幸せになれない元凶は全て父のせいだという。
確かに昔は母が可哀想で父を憎んだ事もあったけど、自分達がちゃんとご飯を食べれたのも
お風呂に入れたのも、学校に行けたのも、お布団で寝れたのも、なんだかんだ父のお陰という事もいつしか気づいたし、父の唯一の遊びはパチンコ屋さんに行くだけになったし、可愛いもんだと思えるようにもなった笑
自分の幸せを自分で作ろうとしない母は
全てを父に依存していた。
幸せは父が運んで来てくれるものだと
今も信じて疑わない。
昔の人は男の人の言う事を聞いていれば
それが良妻賢母とか言われ、
母も自らを清廉潔癖❗️と言っていた。
私と姉が離婚した時、「私の清廉潔癖に泥を塗った!」と言われた…
今でもそれが一番正しいと思っている
人間がまだまだいると思う。
最近はちょっとだけ良い方向に変わって来ていると思う。男性もキッチンに立つし
子育ても女性に任せきりにしない世の中になって来ている、専業主婦でも労働という意識を持ってくれる男性も増えて来ていると思う。
まだまだ女性の立場が弱いなーと感じる時もあるけど、自分が幸せになれないのを他人のせいにするのはもうやめにしたい❣️
母は常々
「お父さんより私の方が早く死ぬことが
お父さんへの復讐!お父さんは何にも出来
ないんだから私が先に死ねば困るに決まって
る!」と言っている怖😱
でもごめんなさい🙏
父はそれほど困らないと思う笑笑
父の昔話を親戚のおばちゃんとかから聞くと
小説のような結構大変な人生を歩んで来たようだけど、ある日私が
「おじいちゃん(父)自分が不幸だなーと思うことあった?」
と聞いてみたら、しばらく考えて
「そんなにね〜な〜」と言っていた笑笑😆
そういう人は多分これからも大変な事を大変と思わず、きっと楽しい人生のまま最期を迎えられると思う😊
心配なのは相変わらず悲劇の主人公の母の方だ。
最近「カサンドラ症候群」という病気があるという事を知った。
母が自分の人生を諦めてしまったのもその病気を患ってしまっていたのか…?
頑なまでに父への恨みは治らない。
自分の心に嘘をついて、いい訳ばかりしていると楽しみも見つからず、光を見つけられない。
母は身をもって私に反面教師として教えてくれている。
それでも残り少ない人生諦めないで
「楽しかった😊幸せだったよ☺️」
と母の口から聞きたいなーと心から願う。
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