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忘れやすくなる?みょうがの魅力

ミョウガは本州から沖縄まで自生する多年草で、ショウガの仲間です。生姜などと共に花も茎も香味野菜として日本では古くから親しまれていますが、食用に栽培しているのは日本だけで、日本でしか食べれない野菜のひとつなんです。


みょうがを食べ過ぎるとバカになる?

 古くからの言い伝えでは、あまりたくさんみょうがを食べるとバカになると言われてきましたが、安心して良いようです。これは、釈迦の弟子の一人「周梨槃特(スリバンドク)」という人物がいて、彼はいつも自分の名前すら忘れてしまうほど物忘れが激しかったそうです。その彼の墓に生えていた草(みょうが)に、名前を荷って死んでいった彼にちなんで「茗荷」となずけたそうです。

ミョウガの旬は?

 ハウス栽培もあり、通年流通していますが、通常6月から10月過ぎの夏から秋にかけての間が旬になります。その中でも夏のものは「夏みょうが」、秋に採れるものは「秋みょうが」と呼ばれています。おおむね「秋みょうが」の方がふっくらとして大きいようです。

ハナミョウガ

 ミョウガは地下に地下茎を伸ばして広がります。地表に伸びている葉が付いた茎の様なものは茎ではなく偽茎と言われるものです。そして、赤い芽の様なもの、いわゆるミョウガが土から顔を出すのですが、これは花のつぼみのようなものなんです。そこで、ミョウガの事を「花みょうが」と呼んだりします。ミョウガの断面を見るとタケノコの皮のように幾層にも包まれた芯の先に花芽ができ始めているのが分かります。

 ハナミョウガは高知県のハウス栽培で通年出荷されており、その生産量も圧倒的に日本一。政府がまとめた2014(平成26)年産の全国の生産量で見ると高知県が4901トンで全国の80%以上を占めており、そのほとんどは施設栽培で生産されています。一方、続く秋田県や奈良県、群馬県などでは主に露地栽培で生産されています。

ミョウガタケ

 土を盛るなどして偽茎と呼ばれる葉の部分を軟化栽培した竹の子のようなものを「みょうがたけ」と呼びます。ミョウガタケは作っている所は少なく、宮城県が有名で、次いで京都となっています。農林水産省の統計データを見る限り、その他には群馬が僅かに作っている程度で、ほとんど他では作られていないようです。

 ミョウガタケの栽培はとても手間がかかる作業で、露地栽培で根株を大きくしてから室に植え返し、収穫までには1年半ほどかかります。ほんのりとした紅色に色付けをするために、2回ほど一時的に光を当てなければならず、それでも色が付かない物ができたりします。そういった紅がついていないものは価値がグンと下がってしまうそうです。収穫も背の低い室の中に中腰で入り、ひざを付いての刈り取り作業なのでとても体に負担がかかる作業となります。食べるときは感謝の気持ちを持ってありがたく頂きたいものですね。
 ミョウガタケはミョウガの新芽にあたり、毎年春に出てきます。露地物の収穫時期は4月頃ですが、ハウス栽培されたものは11月中旬頃から出回り始め、初夏の5月頃まで続きます。最も美味しい食べ頃の旬はやはり春で、3月から4月にかけてとなります。

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