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雇われ人が「世界経営者会議」に参加した気づき〜スケールの大きい抽象論を語ってこそ経営者〜


2019年10月28日(月)、29日(火)の2日間に渡り、帝国ホテル東京にて開催された、”第21回 日経フォーラム「世界経営者会議」”へNサロンの招待枠へ応募し、雇われ人ながら参加してきました。

参加した気づきをまとめましたので良かったら読んでみてください。
※初note投稿です。お手柔らかに。


世界経営者会議とは?


日本経済新聞社やハーバード・ビジネス・スクールが主催する、登壇者も聴講者も経営者、という経営者が集うイベントです。


仕事の都合もあるため、全ての講演は聞くことができない中、今年は、ファーストリテイリング会長兼社長の柳井さんや日清食品ホールディングス社長・CEOの安藤さん、日本マクドナルドホールディングス社長兼CEOのサラ・エル・カサノバさんが登壇者として参加されると聞いて、どのような話をされるのか気になり、聴講してみました。


講演の内容についてはすでに様々な方がnoteにまとめてくれています。


日経電子版でも関連の記事が公開されています。


講演内容の一部は動画でも公開されており、下記から視聴できます。

https://channel.nikkei.co.jp/e/2019102829ngmf?videoId=6099264203001
                       「日経チャンネル」より


利益追求型経営ではなく、三方良し型経営が求められる


今回の会議全体の共通テーマは「激動を味方にするリーダー像」。

経営環境のグローバル化、人生100年時代、テクノロジーの進化による労働環境の変化、など、まさに今企業を取り巻く環境が変化してきている中でどのように企業として生き残るか、が語られていました。

「ジェンダー問題」、「高齢者問題」、「外国人労働者問題」、「環境問題」、「働き方改革」、「デジタル化」、「ダイバーシティ経営」

これらの社会問題を解決することがビジネスに直結し、企業の成長をもたらす。

自社の利益だけを追求する経営手法はもう時代遅れで、サステナビリティ(持続可能)の観点での経営を行わなければ企業としての存続が難しくなる時代に変化してきている。

まさに日本古来、近江商人の哲学である「三方良し」の経営を行うことが求められていることは、登壇者のみなさんが語っていることの共通点であると感じました。

さすが、名だたる有名企業の経営者が語られていることはスケールが大きく、雇われ社員からすると、見ている世界が違い、視座が高いんだろうなぁと感じました。


すごいのは分かるんだけど、モヤモヤした感じ


社会問題を解決するために、企業があるんだ!
環境に配慮して企業は成長していかなければいけない!
ダイバーシティ経営を推進して、外国人労働者、ジェンダー問題に取り組まなければならない!

これらが企業活動にとって大事であることは重々分かります。

少し前は「CSR活動でブランディング」という流れもありましたし、今ではCSV経営(企業活動を通して社会問題を解決する経営のことのようです)ということもあるようで。

ただ、一雇われの身として、一現場の人間として、これまで目の前のお客さんの課題を解決する提案をする。お客さんのニーズにマッチしたものを、適切な価格で購入してもらい、お互いwin-winな関係性を構築する。そしてちゃんと企業に対して収益、利益をもたらす。このようなことを考えながら事業活動をしている身としては、「社会課題の解決」と言われてもあまりに漠然としており、普段の業務への落とし込みをするには飛躍し過ぎている感が否めませんでした。

利益を稼がなければ、社会問題を解決しても企業の存続は困難。
これまでどうやって業績を上げたのか?
そしてこれからの環境の変化に対してどう対応していくのか?
この辺りの具体的な方法を参加する経営者は聞きたいんじゃないか?と思ってました。

また、話を聞いているとふと疑問に思うことが出てきた。

社会問題を解決する役割は企業規模、企業としての成長フェーズに依存するのではないか?

どうなったら社会問題の解決に取り組めば良いのか?
タイミングが非常に難しいのではないか?と思ってしまいました。


企業のあるべき姿を語るのが経営者


日清食品ホールディングス社長・CEOの安藤さんは社会問題へ取り組むタイミングについて、1つの考えを話されていました。

それは「テクノロジーの進化によってコストが抑えられるタイミングがくる。そのタイミングと、企業としての社会的責任が世論から求められるタイミングがくる。このタイミングの重なりで社会問題へ取り組むべきだ」ということでした。

世論が社会的責任を求めるということは、ある程度認知がされている企業であり、業界内でもトップ争いをするような影響力の大きい企業になれば、社会問題への取り組みはしなければいけなくなるのだと思いました。

また、業界内でトップ争いをするような企業ということは、土台となるような収益基盤、利益をしっかり確保できる体制が築けていることが大前提であるため、私としては下記の整理をしました。


まずは本業で収益基盤を構築し、利益を上げ続ける。
次に本業に近しい社会問題に対して取り組む。
一見社会問題への取り組みはコストと思われるが、
結果、本業の収益にも好影響をもたらす。


このようなサイクルを生んで、今後の変化の激しい時代を生き抜いていきましょう。というのが、今回の会議で述べられていることの共通点であるのではないかと思いました。

企業として、本業と社会問題の取り組みとの好循環サイクルを生むため、経営者が果たすべき役割、あるべき姿、見るべき世界観を登壇者のみなさんは参加されている経営者に対してお話されていたのだと思いました。

それは、現場の細かなオペレーションの改善策であったり、営業活動にハッパをかける、など本業に拘った話ではなく。

企業が今後目指していく理想の姿や、激変する環境で市場から求められ続けるための企業としてのあり方を、先頭を切って宣言することだと思いました。

経営者以下の役割としては、ビジョンの具体化と実現に向けての手法を考え、実行していくこと。

それぞれ役割が異なるので、見えている世界、視点が異なるのは当然。また両方の視点も持って働いてしまう者は、どちらの立場としても中途半端になり得る。
自分の役割、立場にあった視点でビジネスに取り組み、社会問題の解決に取り組んでいけば、より良い企業になっていくだろう。

この考え方が、これから企業で働く者に求められる思考であると思います。




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