『じぶん時間を生きる』
元P&Gのマーケターで、現在は戦略デザインファーム「BIOTOPE」を起業している佐宗さんが書かれた現代版『モモ』です。
元々凄く生産性を極めた働き方をしていたそうで、コロナ禍をきっかけに軽井沢に引っ越したことで、東京との時間の過ごし方を違いから、この本を書かれたのだそうです。
確かにコロナ禍をきっかけにして、時間の過ごし方は大きく変わりました
。今まで普通に毎日通勤していたのが、テレワークが主体になり、外出することが減り、家族と過ごす時間が増えたり、自分の趣味に没頭する時間が増えたりと、様々な変化があったように思います。
私自身もコロナのときは、当時熊本にいまして、今まで普通に外回りで営業していたのが、電話のみの営業に変わったことに戸惑いがありました。
佐宗さんは、このようなことをきっかけに自分の時間というのを考え直すきっかけになりました。
「本当に今の時間の使い方が自分の人生にとって幸せなのか?」
「本当に今住んでいるところが幸せなのか?」
など、今まで普通に過ごしていた時間を見直すことになったのだそうです。
時間についての考え方を見直す
この本を読んで思ったのが、
「時間は測るものではなくて、心で感じるもの」だということです。
最近はタイパ(タイムパフォーマンスの略)が流行りで、
何でも短くことを済まし、成果を出すことが望ましいとされている風潮があります。
さて、本当にこのような時間の使い方がいいのか?ということです。
哲学者の千葉雅也さんがタイパに関してこのような発言をしておりました。
「最もタイパが良いのは生まれてすぐに死ぬことだ」
僕はこの言葉が凄く刺さりました。今まで短時間で成果を出すことが良いと信じ込んでいたために、自分の時間の過ごし方を見直すようになりました。
時間とは心の感じ方で、タイパや生産性を意識した生き方には、そのタイパで短くしている時間には何も感じていません。
ただ、その情報を得ただけ。または成果を出しただけ。
それ以上でも以下でもない時間を過ごしているということになります。
最近思うようになったのは、
「何も感じない時間を過ごすことほど、時間の無駄はないし、その時間を過ごしている時、自分の心は豊かではない」
自分の心が豊かになるとは、何もしていなくても今という瞬間に集中し、感覚を研ぎ澄ましたことで、心の充足を得ることだと僕は思います。
だから、恐らく瞑想やマインドフルネスが流行ってきているのだろうと思います。
スマホ・SNSなど様々な情報であふれ、刺激的なことで満たされると、よりもっと刺激的なことを求めるため、切りがないです。
今の生活や活動に集中すること。これからの時代、バックキャスティングの考え方以上に、大事になってくる考え方だと思いました。
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