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海外旅行のおすすめ「観光案内所」

僕は、列車やバスで初めての町に降り立ったら「i」の看板を探す。Tourist information center観光案内所のアイコンは、世界共通で「i」。

海外へ一人で出かけ始めた80年代後半。現地での情報源は、当時マイナーだったガイドブック「地球の歩き方」だった。

地球の歩き方(インド/1988年版)

「地球の騙し方」のおかげで

体験談の投稿や町の中心部などは手書き地図だったり。旅先で知り合った日本人旅行者とは「地球の騙し方」と揶揄しあうほど古い情報や偏った主観情報に困ったこともある。「冷房の効きの良い部屋」を信じて行った安宿に冷房がなかったり。
だからか、まず観光案内所を訪ねる癖が身に付いた。

ミンダナオ島の小さな観光案内所では、記名帳を見たら何日も観光客が来ていないことを知って不安になったこと。ロサンゼルスの街中の観光案内所では、プロサッカーチームの本拠地について聞いたら「サッカー?何それ?」って感じで情報がなかったり。
雪の夜に訪ねたヨーロッパのある町では、空き部屋のある宿を教えてもらったのに実際に宿に行くとアジア人の僕の身なりを見て「部屋は満室だ」と何軒か断られたり。
観光案内所の思い出は色々ある。

今だって「観光案内所」に出会いがある

今は何でもスマホで探せて、スマホで予約できる時代になったけど、僕は今でも「i」の看板を見つけては、ホッとしたり嬉しくなったりする。

先月出かけたドイツとスペインでも、行く先行く先で観光案内所を訪れた。
少し所在無さげにパンフレットのラックを眺めてから、カウンター越しに「初めて来たんですけど、中心エリアの地図とかありますか?」なんてスタッフに話しかけてみる。
最近は市街地図も有料が増え、土産になりそうな地図じゃないと買わないけど、Google mapや旅行サイトでは得られない情報が聞けたりする。
ごく稀に無愛想なスタッフがいるけど、大概は感じの良い人で、何かしら役立つことを教えてあげようという気持ちが伝わってくる。
僕のように最低の英語力の日本人でも観光案内所の人なら問題ない。

知らなかったチャコリTXAKOLIの産地

記憶に新しいのは先月。
スペインのサンセバスチャンの観光案内所のお兄さんが親切だった。
チャコリTXAKOLIというバスク地方伝統の微発砲の白ワインを楽しみにしていたので、「美味しいチャコリが飲みたい」と話したら、それならと、サラウツというチャコリの産地でもある海沿いの街とそこまでの行き方を教えてくれた。
サンセバスチャンからサラウツまでは、地元の人しか乗らない路線バスで小一時間。山道を遠回りするように走るバスの車窓も楽しかったし、サラウツのローカルビーチは素敵だった。サーフィンポイントにもなっているようだった。

チャコリTXAKOLIの産地サラウツのビーチ

もちろんサラウツがチャコリ産地だったことも知らなかった。旅行サイトにも書いていない。
ビーチ沿いのカジュアルなレストランで、イカの炭火焼きを食べ地元産(だと思う)のチャコリを飲んだ。最高だった。

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