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旅人と地域にとっての「win-winな旅」について考えてみた。

旅は、ありきたりな毎日に新鮮な風を吹き込んでくれるもの。非日常な世界を通して、「また明日から頑張ろう」というエネルギーを与えてくれるもの。少し視点を変えて、私たち旅人が旅先に与えらえるものって何だろう。

今回は、「旅をする側の人間が旅先に還元できること」というテーマに向き合いました。



1. その土地の経済を回すこと

言わずもがな、旅先では何かと出費がかさみます。「せっかくの旅行だから」「今しかできないことだから」とついつい美味しいお店をハシゴしたり予定をつめこんで、お財布のひもがゆるみがち。

2020年、新型コロナウィルスの蔓延により旅行すること自体のハードルが高かった頃。私は海外留学から帰ったあとで、どうしても大好きな京都に行きたい!という思いから(感染対策を万全にしたうえで)京都市内を観光しました。今でも忘れられない、閑散とした二寧坂(にねんざか)の景色。シャッターが下りたお店がちらほら。知っているお店が「閉店」の張り紙を出しているのを目にしたときは、寂しい気持ちでいっぱいに…。

▲清水寺へのお参りルートのひとつ、二寧坂①|2020年夏頃
▲清水寺へのお参りルートのひとつ、二寧坂②|2020年夏頃

これは極端なケースではありますが、自分が旅先に還元できることのひとつとして、その観光地の経済を回す一助になるって重要なことなんだと改めて感じた出来事でした。


2. 「行ってみたい!」の連鎖をつくること

SNSや口コミなどで目にする素敵な旅情報。見ているだけでワクワクしますよね。私自身、検索しなくても「おすすめ」の広告で流れてくる素敵な旅先の写真を見たり、実際に旅行した友人から聞くリアルな話を通して、「私も行きたい!」と好奇心が刺激されることもしばしば。

20歳のときに語学留学で訪れたオーストラリアもまさにそうでした。同じ学部の先輩が前の年に留学していたのを知り、先輩のブログを読んで興味を持ち、実際に現地での様子を教えてもらって選んだ留学先。教えてもらった通り、大満足できる滞在になったことは言うまでもありません。

その土地を訪れた人達のリアルな声は、やはり説得力が違うもの。今や国境を越えた情報共有が当たり前になり、意外な観光地にも人が流れるようになりました。それゆえに「オーバーツーリズム問題」が浮上し、社会問題に。旅人とそこに住む人たちがwin-winな関係性を築けるようになるには、より十分な時間が必要だと思います。「行ってみたい!」の連鎖を断つことなく、旅人とそこに住む人たちにとって快適な環境を作っていくことは、持続可能な旅・観光にとっては欠かせないテーマになっています。


3. 新しい風を吹き込むこと

国内・海外を問わず、旅先で出会った人たちと仲良くなるキッカケとして良く出る話題が出身地の話。「今日はどちらから来たんですか?」社会人になってから頻繁に一人旅をするようになった私は、訪れた滞在先や飲食店でよく声を掛けてもらいました。そこから地元の話で盛り上がったり、「休みを取ったら行ってみるよ」と声をかけてもらうこともありました。私の地元・関西の話から、「大阪・京都・神戸の言葉のニュアンスの違い」で盛り上がったことも。

イギリス留学中、当時お世話になっていたホストファミリーに持参したお土産をとても気に入ってもらい、「日本の包装紙は美しい」「日本茶(Green Tea)はこっちでも大人気なんだよ」などと嬉しいコメントをもらいました。そこにはない刺激や新しい考え方、つまり「新しい風」を吹き込むことも、旅先に受け入れてもらう側である旅人が与えらえることのひとつとしてあるのではないでしょうか。


「人と地域のつながりをつくる」

旅先の経済を回す一助になる・「行ってみたい!」の連鎖を作る・「新しい風」を吹き込む。これらを通して、人と地域のつながりをつくることが、旅先に贈ることのできるギフトのひとつなのかもしれない。

そして、消費者としての旅の「その先」を考えることで、旅人と旅先のwin-winな関係性を築くヒントが見えてくるのかもしれない。そんな気づきが得られた今回のテーマでした。


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