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日の名残り カズオ・イシグロ

感想と、印象深い言葉をメモしてます

世界史に詳しかったらわかるかもしれないんですが、1944年あたりのことを書いてます。

うーん、難しいって思って読み飛ばしてました…

世界情勢をヘタリアあたりでやったほうがいいかもな…


○執事像に囚われる主人公


品格のある執事とは?偉大な執事とは?という抽象的な問いにもがき続けている思考が文章に表れています。反すう思考は辛いよね、わかる

・長年居たメイド長との未来を何度も想像している

・父親の死に対しても淡白に接している

・外交会議でのふるまい


p296のシーン

医師から、「あなたはどこかのお屋敷の召使ではないか?」と問われたとき、圧倒的な開放感を感じている主人公から察するに、一個人として扱われるよりも執事という肩書が落ち着く、安心するのだと思う。

p351

あのときああすれば人生の方向が変わっていたかもしれない、それをいつまでも悩んでいても仕方のないこと。

主人公は、自分の中で過去を受け入れます。次のページp352では、

私どものような(執事、メイド)人間はなにか真に価値のあるもののために微力を尽くす、結果はどうあれそれで十分ではないか。と自分を慰めるような言葉をかけています。

セルフコンパッションの本を読んでいたからか、自分の現状を見つめて励ますシーンを見ると、思考の置き換えを見習わないと、と思わされます。




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