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やっぱり、最終的には、結局、回り回って三田本店


9月某日、都内

何だかとても蒸し暑く、何となくやる気も出ない。こういう日は二郎だ。
冷たいうどんとか冷やし中華とかあるけど、
ここまでくるとそれらの食べ物では回復しない

ここはストレス発散も兼ねて5日分のアブラと
炭水化物をとりにいくことにした。

会社からドコモのシェアサイクルを走らせ20分。昼休みはめちゃくちゃ長くとったのはここだけの秘密。もう失うものは何も無い。

行くのはそう、ラーメン二郎三田本店だ。

私は三田本店より好きな店舗は複数ある。
汁なしの関内二郎、つけ味の桜台二郎、
そして非乳化の極み、目黒二郎。
しかし、これらの店に何度行っても、結局戻るところはここなのだ。

ポケモンでいうマサラタウン
ドラゴンボールでいうカメハウス
まだ完結してないがワンピースのフーシャ村

大体最初のところに大事な鍵は
全部詰まってるのだ。
これらに値するのがラーメン二郎三田本店

昼を少し外した13時半だというのに
30人ほどの行列が店を囲っていた。
そしてラーメン二郎産みの親である総帥が
日傘を配っている。

「こんな暑いのにすみませんね、やってられんでしょ〜」とYouTubeで何度も見たセリフに
近しいものを皆に笑いながら投げかけていた。

そんなこんなで30分ほど待ち、いざ店内へ

いつも店内に入る時に少しにやけてしまう。

令和の世の中に、
昭和から一ミリも時が動いていない空間が
東京のど真ん中、慶應ボーイひしめく
慶應義塾の横に、どどんと鎮座しているのだ。

同じ港区なのに港区女子とはえらい違いだと
思っていると、いざ着丼。
頼んだのは小豚、全マシ

この小ラーメンが二郎でいう並サイズという
ルールも頭がいいのか悪いのか、適当な
ルールすぎていつもニヤニヤしてしまう。

今の物価高騰の事態に、850円。
今増えてきた二郎インスパイアの店だと
1400円くらいしそうなボリュームだ。

いざ勢いよく食べ始めると、
全ての二郎を支えてきただけの歴史を感じる。
体に悪い食べ物のはずなのに体に溶け込む。
野菜もアブラも豚も麺も最高にうまい。
これが二郎だ。食ってみろと言わんばかりの
オーラが丼全体から放出されている。

さて後半になってきた。頭の中で流すのは勿論
ZARDの「負けないで」

気持ちで負けてしまっては二郎を楽しめない。
自分なら食える。こんなのじゃ足りない。
あと半分しかないじゃないか。
自分に嘘をついて、胃袋の隙間という隙間に
麺を詰めていく。

よく筋トレをすると自己肯定感があがるというが、全く同じ原理で二郎も成り立っていると思う。

ギリギリで持ち上げられるおもりを扱えた
達成感と同じく、自分を信じ、真摯に丼に向かい、油断せず本気で戦う。

今回も最後まで自分に負けず、美味しく食べることができた。

店の外に出て、
滝汗をティッシュで拭きながら、
もはやこれはスポーツだなと
改めて二郎の概念を実感した
夏の最後の思い出であった。

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