配球分析 2023BNP Paribas Open C. アルカラス vs J. シナー(C. アルカラス選手サーブゲーム)
こんにちは、トモヒトです。
今回は、2023年BNP Paribas OpenのC. アルカラス vs J. シナ―での配球パターン分析をしてみます。
今回は、3球目までの配球に絞って見ていきます。
シナー選手のサーブゲームでの分析は、以下の記事で行っています。
1stサーブ時の配球
まずは、1stサーブ時の配球を見てみます。
デュースサイド
まずは、デュースサイドでの1stサーブを見てみます。
3球目のショットタイプとの関係
デュースサイドでの1stサーブコースと3球目のショットタイプの関係を見てみます。
3球目のショットタイプの内訳を見ると、以下のようになります。
フォアハンド(FH):58.82%
バックハンド(BH):23.53%
フォアハンドドロップショット(FHDR):17.65%
これを見ると、デュースサイドでの1stサーブ時の3球目は、約59%がフォアハンド(ドロップショットを含めると約77%)で返していることがわかります。
また、3球目のショットタイプ別にポイント獲得率を算出すると、次のようになります。
フォアハンド(FH):30.0%
バックハンド(BH):25.0%
フォアハンドドロップショット(FHDR):33.33%
3球目がフォアハンドのラリーのほうが、わずかにポイント獲得率が高いことがわかります。
ただし、ラリー数自体が少ないため、これだけではフォアハンドのほうがポイント獲得率が高いと結論づけるのは難しいと考えます。
3球目のショットタイプ別の配球コース
次は、3球目のショットタイプ別に配球コース(3球目まで)を見てみます。
このように見ると、3球目がフォアハンドのときはデュースサイド(相手のフォアハンド側)へのショットを適度に混ぜているのに対して、バックハンドとフォアハンドドロップショットのときはすべてアドサイドを狙っていることがわかります。
もちろん、バックハンドとフォアハンドドロップショットは対象ラリー数が少ないため、偶然そうなっている可能性もあります。
仮にバックハンドとフォアハンドドロップショットをアドサイドへ打つメリットを考えるとすれば、次のように考えられます。
バックハンドに関しては、「攻撃力で劣るバックハンドをフォアハンドで返されるのを避ける」ためにアドサイドへ返す
フォアハンドドロップショットについては、コートの対角線上に相手を動かす、仮に追いつかれてもバックハンドで返す可能性が高いためダメージを最小限にできる
アドサイド
次は、アドサイドでの1stサーブを見てみます。
3球目のショットタイプとの関係
アドサイドでの1stサーブコースと3球目のショットタイプの関係を見てみます。
3球目のショットタイプの内訳を見ると、以下のようになります。
フォアハンド(FH):87.5%
フォアハンドドロップショット(FHDR):12.5%
これを見ると、アドサイドでの1stサーブ時の3球目は、ドロップショットも含めるとすべてフォアハンドで返していることがわかります。
また、3球目のショットタイプ別にポイント獲得率を算出すると、次のようになります。
フォアハンド(FH):64.29%
フォアハンドドロップショット(FHDR):100%
デュースサイドと比べると、ポイント獲得率が高いことがわかります。
3球目のショットタイプ別の配球コース
次は、3球目のショットタイプ別に配球コース(3球目まで)を見てみます。
デュースサイドでのサーブ同様、フォアハンドではデュースサイドへのショットもまぜつつ基本はアドサイド(相手のバックハンド)、ドロップショットはアドサイドへ集めていることがわかります。
2ndサーブ時の配球
次は、2ndサーブ時の配球を見てみます。
デュースサイド
まずは、デュースサイドでの2ndサーブを見てみます。
3球目のショットタイプとの関係
デュースサイドでの2ndサーブコースと3球目のショットタイプの関係を見てみます。
3球目のショットタイプの内訳を見ると、以下のようになります。
フォアハンド(FH):57.14%
バックハンド(BH):42.86%
また、3球目のショットタイプ別にポイント獲得率を算出すると、次のようになります。
フォアハンド(FH):0%
バックハンド(BH):100%
フォアハンドのポイント獲得率が0%で、バックハンドのポイント獲得率が100%というのは驚きの結果ではあります。
3球目のショットタイプ別の配球コース
次は、3球目のショットタイプ別に配球コース(3球目まで)を見てみます。
ポイント数が少ないですが、フォアハンド・バックハンド合わせても、ほとんどのポイントで3球目をアドサイドに返していることがわかります。
アドサイド
次は、アドサイドでの2ndサーブを見てみます。
3球目のショットタイプとの関係
アドサイドでの2ndサーブコースと3球目のショットタイプの関係を見てみます。
3球目のショットタイプの内訳を見ると、以下のようになります。
フォアハンド(FH):30.0%
バックハンド(BH):30.0%
フォアハンドスライス(FHS):10.0%
バックハンドスライス(BHS):20.0%
フォアハンドドロップショット(FHDR):10.0%
1stサーブ時の3球目にはなかったスライスが出てきている点は興味深いと感じます。
また、3球目のショットタイプ別にポイント獲得率を算出すると、次のようになります。
フォアハンド(FH):33.33%
バックハンド(BH):33.33%
フォアハンドスライス(FHS):0.0%
バックハンドスライス(BHS):0.0%
フォアハンドドロップショット(FHDR):0.0%
3球目のショットタイプ別の配球コース
次は、3球目のショットタイプ別に配球コース(3球目まで)を見てみます。
割合としては、3球目をアドサイドへ返すことが多く、特にコート外へ追い出されるような厳しいリターン時はすべてアドサイドへ返しています。
コート外からストレートへ返す場合、センター寄りへ甘いショットになりやすいため、クロス(アドサイド)へ返して次の返球に備えるのがリスクは低いと考えられます。
まとめ
今回は、2023年BNP Paribas OpenのC. アルカラス vs J. シナー(アルカラス選手のサーブゲーム)での配球パターン分析をしてみます。
3球目のコースに着目してみると、基本は相手のバックハンド側にボールを集める配球になっていました。
また、相手のフォアハンド側へボールを散らす役目は、フォアハンドがほとんど担っていることも見て取れました。
これが、ほかのプレーヤーに対しても同様なのか、また、ほかのプレーヤーにも同様の配球傾向が見られるのかを調べると、興味深い結果が出るのではと感じました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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