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コース別の時間とボールの移動距離の関係から合理的待機位置を算出してみる③

こんにちは、トモヒトです。

今回は、時間の推移に応じてボールの移動距離がどのように推移するか、コース別にみてみます。
これを通じて、合理的待機位置の算出を試みます。

今回は、半面の中間/ベースライン上からのショットに対する合理的待機位置を考えてみます。


コースの定義

今回は、6つのコースで比較します。
6つのコースは次のように定義します。

  1. ショートストレート:ストレート方向へのショットで、サービスラインとシングルスサイドラインの交点付近を狙ったショット

  2. ミドルストレート:ストレート方向へのショットで、サービスラインとベースラインの中間かつシングルスサイドライン付近を狙ったショット

  3. ディープストレート:ストレート方向へのショットで、ベースラインとシングルスサイドラインの交点付近を狙ったショット

  4. ショートクロス:クロス方向へのショットで、サービスラインとシングルスサイドラインの交点付近を狙ったショット

  5. ミドルクロス:クロス方向へのショットで、サービスラインとベースラインの中間かつシングルスサイドライン付近を狙ったショット

  6. ディープクロス:クロス方向へのショットで、ベースラインとシングルスサイドラインの交点付近を狙ったショット

ただし、該当コースに入ったショットがない場合、そのコースのデータを除外することがあります。

検証方法の概要

任意のショットスピードに対して、6つのコースごとに0.001秒単位でのボールの移動距離を算出します。
スピード以外のショットの要素に関しては、次の範囲で検証します。

  • ショットの打ち出し角度:1~19.5°の範囲で0.5°刻み

  • 回転量:1200~2950回転の範囲で50回転刻み

これらの条件でボールの移動距離を算出後、コースごとに水平方向への移動スピードが速いショット(=任意の時間での移動距離の最大値)を代表値として抽出します。


ショットスピード別の結果

130km/h

まずは、サイドライン付近/ベースライン上から130km/hのショットを打った場合の、時間とショット移動の関係を見てみます。

時間とショット移動距離の関係

1.000秒時点での、各コースのボールの移動距離は次のようになります。

  1. short straight=-m

  2. middle straight=23.537m

  3. deep straight=24.933m

  4. short cross=22.458m

  5. middle cross=23.927m

  6. deep cross=25.241m

仮に、1.000秒時点でボールが到達しているポジションで5つのコースへのショットに対応する場合、どこに構えるのがよいかを考えてみます。

今回は、以下の条件で合理的待機位置を算出しました。

  • 一番外側を通るミドルストレートとショートクロスの2ショットを基準にする

  • ミドルストレートのポジションから合理的待機位置までの距離が、ショートクロスのポジションから合理的待機位置までの距離と等しくなるポジションを算出

  • 前後に関しては、ベースライン後方1mで固定

この条件で算出した場合、合理的待機位置は下図の青丸の位置となりました。

合理的待機位置

この位置は、デュースサイドのシングルスサイドラインから5.064m離れた位置で、ベースライン後方1mのポジションとなります。
また、ミドルストレートとショートクロスへの移動距離は5.459mとなります。

ほかの3ショットに対する移動距離は以下のようになり、5コースへのショットに対して、5.459mの移動で対応できることがわかります。

  • ディープクロス=3.354m

  • ディープストレート=5.155m

  • ミドルクロス=4.157m

ちなみに、相手のショットに対する反応時間を0.3秒と仮定すると、5.459mを1.000秒で移動するには、7.799m/s以上で走る必要があります。

160km/h

次は、サイドライン付近/ベースライン上から160km/hのショットを打った場合の、時間とショット移動の関係を見てみます。

ショットとショット移動距離の関係

0.780秒時点での、各コースのボールの移動距離は次のようになります。

  1. short straight=-m

  2. middle straight=23.094m

  3. deep straight=24.839m

  4. short cross=-m

  5. middle cross=23.793m

  6. deep cross=25.169m

仮に、0.780秒時点でボールが到達しているポジションで4つのコースへのショットに対応する場合、どこに構えるのがよいかを考えてみます。

今回は、以下の条件で合理的待機位置を算出しました。

  • 一番外側を通るミドルストレートとミドルクロスの2ショットを基準にする

  • ミドルストレートのポジションから合理的待機位置までの距離が、ミドルクロスのポジションから合理的待機位置までの距離と等しくなるポジションを算出

  • 前後に関しては、ベースライン後方1mで固定

この条件で算出した場合、合理的待機位置は下図の青丸の位置となりました。

合理的待機位置

この位置は、デュースサイドのシングルスサイドラインから4.323m離れた位置で、ベースライン後方1mのポジションとなります。
また、ミドルストレートとミドルクロスへの移動距離は4.848mとなります。

ほかの2コースに対する移動距離は以下のようになり、4コースへのショットに対して、4.848mの移動で対応できることがわかります。

  • ディープストレート=4.406m

  • ディープクロス=4.08m

ちなみに、相手のショットに対する反応時間を0.3秒と仮定すると、4.848mを0.78秒で移動するには、10.1m/s以上で走る必要があります。

160km/h + ショートクロス130km/h

最後に、160km/hをベースに、ショートクロスは130km/hで打つ場合を想定して、合理的待機位置を考えてみます。

今回は、160km/hの4コースに対する合理的待機位置で、130km/hのショートクロスに対応する方法について考えてみます。
ここでは、ショートクロスは1.000秒のポジションで返球すると仮定します。

ショートクロスを1.000秒のポジションで返すには、160km/hの合理的待機位置から6.045m移動する必要があります。
相手のショットに対する反応時間を0.3秒と仮定すると、6.045mを1.000秒で移動するには、8.636m/s以上で走る必要があります。

まとめ

今回は、コート半面の中間/ベースライン上のポジションからのショットに対して、時間とショット移動距離の関係から合理的待機位置を算出してみました。

サイドライン付近/ベースライン上での結果と比較すると、ポジションが横にずれた際にどのような変化が起こるか、コートカバー範囲はどのようになるのかが見えてくるかと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。
ご意見ご感想あれば、コメントにお願いします。


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