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テニスのオープンコートとは?

こんにちは、トモヒトです。

今回は、オープンコートについて考えていきます。


3つのオープンコート

オープンコートは、返球できないエリアのことを表します。

オープンコートには、3種類あるとされています。

①空間的オープンコート
プレーヤーが相手のボールを待つための合理的な場所、つまり「合理的待機位置」に戻れないときに生ずるエリアを指す。
②時間的オープンコート
相手のポジショニングが正確で空間的には空いていないエリアであっても、早いタイミングで打球することで相手のポジショニングの時間を奪い、相手が返球できないようなウィナーをねらう、または相手のエラーを誘うという考え方である。
③心理的オープンコート
相手の予測に反したエリアへの打球や、テニスのセオリーとは異なる配球をすることにより、いわゆる「逆を衝く」と言われる状況をつくり出すことである。

日本テニス協会: テニス指導教本Ⅰ(2015)

ここでは、①と②を中心に話を進めていきます。

合理的待機位置

まず、①の空間的オープンコートを考えるうえでカギとなる「合理的待機位置」について確認しておきます。

合理的待機位置は、「相手の返球可能範囲の二等分線上」に存在します。
「相手の返球可能範囲」は、相手の技術レベルや状況によって変化しますが、おおよそ目安としては「相手と自分のコートのTゾーンを結んだ線上」となります。

下図の定義づけそれぞれに外側・内側を考慮して、合理的待機位置の目安をみてみます。
例えば、2Cの内側のポジションは2C_in、2Cの外側のポジションは2C_outとします。

コートポジションの定義

ここでは、C, Dのみ見ますが、A, Bについても考え方は一緒です。

2C, 2D, 2D-

まず、相手がエリア2(サービスラインの後ろ)にいる場合の合理的待機位置をみてみます。

相手がエリア2のときの合理的待機位置

相手が2Cのときは、合理的待機位置はC_inになります。
また、相手が2D_inのときはC_out、相手が2D_outや2D-_inのときは4C_out、5D_inあたりになります。

3C, 3D, 3D-

次は、相手がエリア3(ベースラインの内側)にいるときです。

相手がエリア3のときの合理的待機位置

相手が3Cや3D_inにいるときは、4C_in、5C_inが目安となります。
また、相手が3D_outのときは4C_out、5C_out、相手が3D-_inのときは4C_out、5D_inになります。

4C, 4D, 4D-

最後は、相手がエリア4(ベースラインの後方)にいるときです。

相手がエリア4のときの合理的待機位置

相手が4Cや4D_inにいるときは4C_in、5C_in、相手が4D_outや4D-_inにいるときは4C_out、5C_outになります。

逆をいえば、自分の打球ポジションに対する相手のポジショニングが、合理的待機位置に対して左右にズレが生じていれば、それが空間的オープンコートとなりえます。

ポジションを前にする利点

②の時間的オープンコートを作るうえで、ポジションを前にすることが必要になります。
ポジションを前にする利点については、主に2つあります。

  1. 相手との距離が短くなり、返球が早くなる

  2. 自分の返球可能範囲が広がる

1.については、ボールスピードが同じであれば、相手との距離が近いほどボールの到達する時間は短くなります。

2.については、ポジションが前になるほど、ボールにより角度をつけやすくなるため、コートの横幅をより広く使うことができるようになります。
下の図は、両サイドのシングルスサイドとサービスラインの交点を基準として、ポジションの前後での返球可能範囲を比較したものです。

打球ポジション別の返球可能範囲

つまり、ポジションを前にとることができれば、より広い範囲により早く返すことができるため、ポイントが決まりやすくなります。
もちろん、自分への返球も早くなるなどのデメリットも存在するため、状況に応じてポジションを前後させる必要はあります。

まとめ

今回は、オープンコートについてみてきました。

ここでの内容は、オープンコートを考えるうえで根幹ともいえる内容です。
この考え方をもとに、次回は実際の試合のデータを見ながらより詳しくみていきます。

最後までお読みいただきありがとうございました。
ご意見ご感想あれば、コメントにお願いします。


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