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ふみサロ3月課題『ケーキの切れない非行少年たち』を読んで


2022年6月からエッセイ塾、ふみサロに参加しています。

毎月課題本から得たインスピレーションをもとに800字程度のエッセイを書き、参加者同士で講評する。SNSで発信するまでが課題。
8月から、SNSに投稿してから合評会となりました。

以下がエッセイ


困った子


大人が"良い子"っていうのは、
大人が扱いやすい子という意味なんだと、
親になって実感した。

息子は、全く私の思いどおりに動いてくれなかった。一秒でも良いから、じっとしてくれないかなと思っていた。
エネルギーの塊のような子で、いかに体を動かして、お腹を空かせて、食べさせて、ぐっすり眠らせるか、が日々の目標だった。

他の子より、ちょっと元気があるのかなぐらいに思っていたけれど、どうもそうでもないらしい。なんとなく育てづらい。
子育てってこんなに大変なのか?夕方、幼稚園や学校からの電話にはヒヤヒヤした。
また何かやっちゃった?

3年生の終わり、一度検査をしてみたら?と担任に勧められた。結果を聞いて、今までの違和感に納得がいった。
いくら細かく説明しても、分からない、できないことって、実は本人はとても困っていたんだ。"困った子"だった息子は、"困っている子"だったのだ。
ストンと腑に落ちた瞬間、たくさん怒ってごめんねという気持ちが沸いた。

診断名がつくほどではないが、言葉で気持ちを表現すること、表情から気持ちを察すること、社会的なルールを守ることが苦手。臨機応変な行動が苦手だから、スポーツは難しいでしょうと医者に言われた。

4年生から学校のマーチングクラブに参加した。得意な音楽を活かし、学校での居場所を見つけたようだった。
一番大きなチューバを担ぎ、隊列を組みながら演奏をする。毎日毎日同じ動きを繰り返し、演奏が上手になるとともに、学校生活は落ち着いていった。

音楽には社会性を養う力があるのだ。
演奏を最後までやりきるための、感情のコントロール。息を合わせるための協調性。お互いを聞き合う力。演奏しながら、自然と他者を思いやる気持ちが育っていく。努力することを覚え、皆と力を合わせて全国大会で金賞を勝ち取った。

困った子が頼られる存在となり、笑顔で小学校を卒業できた。マーチングがなかったらどんな子に育っていただろうか?クラブに関わっていた全ての方に感謝しかない。

             おわり


話題になっていただから、興味深く読んだ。しかし、読んでいるうちに苦しくなってきた。我が子のことを書いてあるようで、もっと早く気がついてあげてれば、もっと他にできたことがあったのでは、、、
でも、その時の私なりに、精一杯やってきた。医者にはスポーツは無理だと言われたけれど、中学・高校ではバスケもできて、親子共々、貴重な経験をたくさんさせてもらえた。そのベースとなった小学校での体験を書きました。

課題本



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