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「合議で決めたいわけではないけれど、集合知で助けてほしい。」 推進力の高い自律的プロダクトチームをどう作るか。

🐳この記事は「ログラスサマーアドベントカレンダー2023」の35日目の記事です。
明日はマーケティングチームのマネージャーの刈谷さんの予定です!

皆さんこんにちは、ログラスでプロダクトの責任者をしております斉藤です。
今回は、拡大フェーズのログラスで一体感を持ちつつ強力な推進力を維持し続けるために、どうプロダクト戦略を考えているかを書こうと思います。



きっかけ : わたし考えるひと、あなた実行する人

ログラスの社員は100人を超えるところです。
プロダクトチームは30人を超え、プロダクトマネージャーだけでも半年前は1人だったのが5人になりました。

ログラスには隔週で組織や中長期のことをプロダクトチーム全員で考える会があるのですが、そこで「わたし考えるひと、あなた実行する人。にならないためにどうすべきか?」という議題があがりました。
元ネタは今年のRSGTで発表されていた森さんのこちらのスライドです。

そこでは「分断することで他責にならないか」「分からないまま作ったら良いもの作れないのではないか」「後戻りが増えて効率がむしろ下がりそう」などの感想とともに議論がかわされました。

いまはプロダクトチームも30名でエンジニアの経営管理ドメイン知識も高く、顧客への関心も強くとても良い状態だと思っています。そんな今からこの議論ができているのは素敵なことだと改めて思っています。

これからも強いチームでありたい

私はアウトカムの高いプロダクトづくりをするためには各々が必要なことを集中して考えられる環境が大事だと考えています。
その環境を作るために最も大事な要素がプロダクト戦略です。

この未来に行けば勝てる、と信じられる明確なプロダクト戦略があれば、プロダクト戦略をもとに価値の優先順位とその作り方をPdM+各チームで考えられる土台が出来ます。

この未来に行けば勝てる、と信じられる明確なプロダクト戦略を考える。

プロダクトの成功には戦略が必要

優れた戦略とは詳細な計画のことではありません。意思決定を助けるフレームワークが戦略です。(中略)優れた戦略は単なる機能の列挙ではなく、より高いレベルのビジョンや目標に焦点を当てるべきです。優れた戦略は組織を何年にも渡って維持できるものであるべきです。

プロダクトマネジメント ―ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける」(Melissa Perri 著)

戦略とは意思決定を助けるフレームワークである。
つまり優先順位の判断に使えるものになる。

戦略がないとすべて場当たりな意思決定になる。
「顧客からのチャーンリスクが上がってきたから開発する」「ユーザーの満足度が下がったから開発する」「これが出来ると売れるから開発する」

短期的な成果にはつながるが長期にわたって勝ち続けられるかは分からず、今あるマーケットで戦い続けることしかできなくなる。それでは緩やかな成長しかできない。短期のものごとに左右されすぎない成長し続けるための意思決定の指針が必要である。

プロダクト戦略=意思決定の指針を作る。

戦略を考える際の要素

社会・事業・プロダクト x 時間軸を分けて勝てるプロダクト戦略を構築する。

社会:顧客の課題レベルの変化やほかソリューションの変化、技術の進化など
事業:事業の主要指標とそれらの目標数値
プロダクト:プロダクトがフォーカスする価値、しない価値。UVPは何か。
時間軸:今、1年後、5年後(ざっくりで良い)

要素の洗い出しの例

次に1年後までに必要になりうる価値をビジネスインパクトの仮説とともに並べ、価値の優先順位を決定する。

この中で1年後までに優先する価値、劣後する価値を決めます。
ここからは1PdMが1つの大価値を持ち、その中での価値の優先順位をチームとともに意思決定していってもらいます。
大価値の粒度は例えば「Loglassへ予実の情報を取り込むための作業時間を月に1時間以内にする」などで、対象と程度を明確にしています。


さあここまでくれば実行するだけ! ではない

目的に立ち返ると「推進力の高い自律的プロダクトチームをどう作るか。」である。
じゃああとよろしく!となった場合の最大の障壁は理解と共感にある。
なんでこの価値にフォーカスしたのか?なぜほかの価値を劣後させたのか?この価値ってつまりどういう意味なのか?説明は大変で100%の理解と共感を得ることは難しい。
また、大変なケースだがよくあるのはとあるエンジニアからみたら明らかな情報について考慮されておらず、価値の優先順位が変わることである。

どうすべきか

適切に巻き込む「合議で決めたいわけではないけれど、集合知で助けてほしい」

全員で全部を考えることはできない。統合に時間がかかるし意思決定が必要なものは合議で決めるとスピードが落ちてしまう。
最後は誰かがオーナーシップをもって決定する必要がある。

しかしプロダクト戦略は記載したように多くの情報を取りまとめて決定すべき事項である。だからこそ決めるとき、ではなく考えるときに巻き込む。

このときにやったワークの内容。ワーク1は事業課題の優先順位、ワーク2は価値の優先順位についてチームから理由とともに出してもらう

実際にこのときのワークで大事にすべき大きな価値の1つが抜けていたことに気づけました。巻き込まずに進めていたら大きな後戻りをすることになっていたかもしれません。


改めてプロダクト戦略は意思決定の指針である

指針は、勝ちにつながっていると確信され、みなが頼りにする状態になって始めてワークする。形骸化する指針はいらない。

推進力高く勝てるチームであり続けるために、プロダクト戦略をどう考えているか、どうチームを巻き込んでいるかの事例をご紹介してみました!

詳しくどんな形でプロダクト戦略を作っていったのか。開発チームでどう実行まで進めていってくれているのかについてはログラスの私以外のPdMが近々きっと書いてくれる予定です!


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