【viva不登校】第9話 親が「エゴ」に気づくまで
「焦り」がうむ悪循環
息子の心を切り裂いた日、その日から息子は学校から離れていった。徐々に、真綿に水滴が染み渡るように。その頃、妻と私は必死だった。
学校に行かせないと、不登校になってしまう
毎朝、四苦八苦しながら息子を学校に向かわせた。最初は、学校の前まで行き校門をタッチして帰る。それも徐々に彼の中に抵抗が生まれてきた。今度は、学校の手前にある神社まで行き学校の校門を遠巻きに見る。それもまた厳しくなり、次は家を出て、家の前の公園まで行き帰ってくる。親の焦りは募るばかりであった。
そしてその焦りと比例するように息子の顔から生気が失われていったのである。
一本の電話が気づかせてくれた「こと」
今までのように学校へ行かなくなった息子を前に、「何が息子を学校から遠ざけているのか?」毎日繰り返し繰り返し夫婦で考えてみる日々。1ヶ月ほど経ったある日、一本の電話が自宅にかかってきた。着信の番号を見ると市外局番は同じであるため取り敢えず出てみた。それは息子と同じクラスのお母様からであった。
「●●さんの息子さん、もしかして学校に来られていないですか?、実はうちの息子も少し前から学校に行けなくなってしまい。息子から●●さんの息子さんも学校に来ていないと聞き、大変失礼ながらお電話させていただきました。」
息子同士は仲が良いらしいが、お母様とお話するのはこれが初めてであった。ここでは、その息子さんに起きていたことはプライバシーもあるので割愛するが、端的に言えば、
担任の先生が「Monster」だったのである。子供たちに対する所業の数々、ウルトラマンが居てくれたならばスペシウム光線で瞬殺されているはずだ、その「Monster」は、いや、まだ「先生」としておこう。
その電話のお陰で、霧に包まれていた我々に一筋の光が差し込んできたのである。
viva不登校。
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