『幻』の手配書
自分の師となる方々が集まり作られた報文が掲載された『月刊むし 2024年2月号』が発売された。
この日が来る事を、去年からずっと待ち侘びていた。
まさかこんな手配書のような表紙になるとは…。
しかし大いに納得できる。
表紙を飾る虫はキベリマルクビゴミムシ。
かつて日本中に生息していた普通種のはずが、一斉に全国から姿を消してしまい今や幻の存在となったものだ。
自分は本種との遭遇が人生における大きな目標の一つとなっている。
ここ20年の間に確認された複数のポイントでも見られなくなってしまった例がいくつかあり、環境の変化に非常に弱い。
一刻も早く各地から情報を集める必要のある本種が表紙となれば、それは『手配書』となるべきだと自分は考える。
少しでも多くの趣味人の目に留まり、目撃例に繋がってほしいと心から願う。
ちなみに自分は報文に一切関わっていない…というよりこの1年間は師達からかなり詳細な助言を受けたり議論を交わしたりしながら当県で探し続けたが、残念ながら会う事は叶わなかった。
夏季に休眠を行う生態を持つマルクビゴミムシの一種なので全シーズン本腰を入れて探していたという訳ではないが、出来る限りの捜索をしたつもりでも届かなかった。
今後も精進を続けたい。
今回の『月刊むし』、普段は棚に毎号数冊の本誌が並んでいる書店でも異例の速度で売り切れてしまっていた。
自分はその店で一冊だけ購入したが、数日後には残りの在庫が全て消えていたのだ。
発売して間もない状況でこのような光景を見たのは初めてなので非常に驚いた。
ヨドバシの通販ではすでに在庫切れ。
Amazonでは一度在庫が切れた後に再入荷したが尚も在庫僅少となっており、恐らくこの状況が何度か続くものと思われる。
在庫が残っていない場合は書店への取り寄せや『むし社オンラインショップ』の利用をオススメする。
同じ雑誌が複数回書店へ取り寄せられると店頭に常設されるケースもあるので、地域の書店や文化が育つ事に繋がるそちらの方を特に勧めたい。
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