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若者(ワカモレ)のすべて


「ワカモレ⁉️
 おもしれ〜‼️‼️🤣」



カルディコーヒーの店内でそう叫ぶ小学生がいた。
恐らくは、文字を覚えて間もないほどの低学年だろう。
彼は店に並ぶ商品の中から『ワカモレ』を見つけて、その名前の絶妙な語感に爆笑していた。
小学生の感性なら本当に面白いだろうな、と思った。
なんかめちゃくちゃ黄緑だし、ドロドロだし、見れば見るほど、知れば知るほどにワカモレからは『おもしろ』が溢れてくるだろう。
原料のアボカドもまあまあ面白い名前をしているな。
これらを一つ一つ教えていけば、終いには窒息してしまうのではないかとさえ思うほどに彼は笑っていた。




自分が小学生になったばかりの頃は、何もかもが分からない事だらけで、常に不安に満ちていた気がする。
ただ、『面白い語感』に触れた時はその度にそれらを忘れるほど笑っていた事も思い出した。
生涯で一番笑った時の記憶は今でもハッキリと覚えている。








それは、テレビから突然

「新番組❗️
 ボボボーボ・ボーボボ‼️🕶」


と聞こえてきた時だった。

そのCMは、当時小学校低学年の自分にはあまりにも衝撃だった。めっちゃ鼻毛がウネウネしてるし。刺激とハジケが強すぎる。おもしろすぎる。


CMを観てからは、訳がわからなすぎて5分以上、10分未満は笑い転げていた。楽しくも息が苦しかったその記憶。
それ以降、無事にどハマりした。初めて全巻を買う事になったジャンプ漫画がボーボボだった。


そんな事を思い出した。
ワカモレに笑い転げている彼も、同じように瞬間を楽しんでいるのだと思う。
それを微笑ましく感じながら、頼まれていた品をいくつか買ってカルディを後にした。











「アハハハハ‼
 ️ブイヨン⁉️⁉️⁉️🤣」


店を去った直後、背後から再び彼の笑い声が聞こえた。
違う『おもしろ』を見つけたようだ。
たしかにブイヨンも面白いわな。










関連動画


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