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アオヘリアオゴミムシ メモ
アオヘリアオゴミムシは公式記録においてもスジアオゴミムシの誤同定である事例が非常に多いとされる。
それを示す文献であり、本種に関する最も詳しいデータは月刊むし2022年06月号の記事『2019~2021年に関東地方で採集されたアオヘリアオゴミムシの記録』(中村 涼・源河正明・谷島 昻・法師人 響・西田恒介・平井文彦)に記録されている。これさえ読んでおけば採集や同定の大きな手助けとなるだろう。
アオヘリアオは名前の通りに鞘翅の縁や全体に緑色が乗るが、スジアオの羽化後間もない個体も似たような光沢を放つ事もある。テネラルかつ矮小な個体は特に勘違いされやすい。
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自身がアオヘリアオとの初遭遇を果たすために奔走していた頃、裏庭に突如現れたテネラル・スジアオは、その矮小さと未成熟故の鞘翅や前胸の緑色で一瞬だけ自分の心を大きく揺さぶった。
湿地から遠い自宅での発見だったために、すぐに冷静になれたが、「アオヘリアオかもしれない」と思い込んで同定してしまうと本当に勘違いしてしまう。
また、良好な湿地帯で遭遇するスジアオもかなり紛らわしい。
上記画像の個体を発見した時も一瞬だけアオヘリアオであると錯覚してしまった。
特に周辺に湿地が少ない森林や山地での発見はほとんどの場合でスジアオであり、そうした環境で採集されたアオヘリアオとする標本記録のいくつかが冒頭で紹介した文献にて否定されている。
ちなみに同文献にて、過去に都心で記録されたアオヘリアオ標本に関しては確実な記録と記されていた。
そして『アオヘリアオゴミムシ』と検索して出てくる画像の中で上位に表示されるアマナイメージズ販売の物はスジアオゴミムシの誤同定なので注意されたい。
アオヘリアオのサイズ感に関しては、どちらかと言えばセアカヒラタゴミムシの方が近い。
フィールドにおいても前胸が赤くなるタイプのセアカヒラタ色変個体は一瞬だけ見間違えてしまう。ゴミムシ類のほとんどは高速で移動するため、シルエットとサイズ感で捉えて仮同定する事が多いためだ。
セアカヒラタとアオヘリアオのみが多く混在するポイントなども複数確認したが、その際は本当に紛らわしい。
現地にて目視したその一瞬で仮同定を行い、周辺のマムシの有無や安全性を判断し、逃げ込まれる前に手を伸ばす。
どれだけ慣れても、これが毎度恐ろしい。
その他アオヘリアオの記事は #アオヘリアオゴミムシ からご覧いただきたい。
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