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笹藪のマイナー昆虫、ヒサゴクサキリ
ビオトープ周辺にて、連日ヒサゴクサキリを見かける。
家のすぐそばにある笹薮から来たのだろう。
オスであったりメスであったりするので、複数匹が飛来しているようだ。
ヒサゴクサキリは背面に瓢箪の様な模様があり、瓢の名を冠する由来となっている。
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ヒサゴクサキリの顔には、近縁種のクビキリギス等には見られない特徴的な緑色が入る。
また、他の草食性キリギリス類と同じ様に比較的大きな顎を持っており、噛まれるとそれなりに痛い。
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これは笹や細めの竹類を主な餌とするために発達したものだろう。
この虫が見られる周辺には必ず笹藪が存在し、笹藪無しでは決して生きられない。
多少離れた場所で見つかる事はあっても、自らの意思で笹藪から大きく離れる事は少ない。
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クマザサ新芽から発生した菌類
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ヒサゴクサキリの繁殖に笹藪が必須となる理由の一つとして、特殊な産卵方法も挙げられる。
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本種はその特徴的な産卵管を笹の葉鞘内に差し込む事で産卵を行う。
笹が棲家であり、餌であり、揺籠となっている。
それ故に笹から離れて暮らす事ができないのだ。
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かつての自分にとってこの虫は年に1度見られるか否かという頻度でしか出会えないレア昆虫だったが、ここ数年は年に数十回以上出会えるようになった。
庭や近所の笹藪の規模は変わっていないので、単純にこの虫の生態と活動の傾向を知った上で気にするようになっただけなのだろう。
本種は昆虫の中でもマイナーな存在であるが、それは笹藪からあまり離れないために目視し難い事に加えて、その鳴き声も大きく関係していると考えられる。
「シチッ」という鳴き声を出すが、その鳴き声は短く、時には風に揺られた笹が擦れた音にしか聴こえない場合もある。
笹薮は大抵の場合、常にどこかしらが風に揺られているために聴こえ難さに拍車がかかる。
「言われてみれば鳴いているような気がする」という程度の存在感なのだ。
しかし、気にしてみると(市内においては)意外とそこら中に生息している事が分かった。
小規模な笹藪でもその鳴き声が聴こえる。
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ちょうど8月がヒサゴクサキリの鳴き始める時期なので、これを読んでいる方も笹藪を見かけたら、少しばかり本種の事を気にかけてもらえると嬉しい。
笹の新芽が何者かに齧られた跡があるのなら、本種が生息している可能性はグンと高まる。
上記画像もよく見てみると、不自然に新芽だけが枯れて白くなっている箇所がいくつかある。
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