呪術廻戦の『佐藤黒呼』と『スマブラ』
前回
・『佐藤黒呼』について
呪術廻戦の主人公・虎杖悠仁の元クラスメート、小沢優子が登場する回にて、優子の容姿や背格好の変貌を見たヒロインの釘崎野薔薇が「佐藤黒呼かよ」というツッコミを行うシーンがある。
佐藤黒呼は、漫画『幽☆遊☆白書』のキャラクターだ。
女子高生の野薔薇が幽☆遊☆白書のキャラクターを例えに出す事について不思議に思う読者も多かった。
この点について一度考察した事がある。
小学生の頃の野薔薇は放課後に親友のふみちゃんの家に上がって入り浸り、ふみちゃんパパともよくスマブラXの対戦をするような仲だった。
その際にふみちゃんパパの所有する幽☆遊☆白書を読んでいた可能性が高い。…というものだ。
相手の家族との関係が良好で友人宅に入り浸るような子供が、その家の本棚の漫画を読むという事は珍しい事ではない。
自分も友人宅で同じようにして『鋼の錬金術師』を読ませてもらっていたし、『シャーマンキング スピリットオブシャーマンズ』で対戦をしていた。
まあ、実際は冨樫義博ファンである作者の好みが反映されたシーンなのだとは思うが、こじ付けるならそうした理由に絞られる。
作中の五条先生の年齢は作者と近いものに設定されており、スカルグレイモンや井上和香等、当時の世代を感じさせるワードが出る場面も多い。
それを見るに、ふみちゃんパパの世代(作者の父親世代?)的にも幽☆遊☆白書が家に置かれている事はある程度辻褄が合う…かもしれない。
・『スマブラ』について
テレビ台の中にはゲームキューブが置かれているが、手前でコントローラーが繋がれている先は次世代機のWiiであるため、プレイしているゲームは2008年1月31日発売の『大乱闘スマッシュブラザーズX』だと考えられる。
Wiiにゲームキューブ版スマブラのディスクを入れてプレイする事もできるが、超必ボールが登場したのはXからなので、これはまず間違いなくスマブラXだろう。
極め付けは、後に高校生となった野薔薇は「Wii版なら負けないわよ」と言っているのでスマブラX説がほぼ確定となり、「メテオで復帰潰すの」というセリフからはかつてふみちゃんパパから助言された「復帰は確実に潰さないと」を取り入れて上達した事が窺える。
また、ふみちゃんパパの「滑空上手になったねー」というセリフや画面内2Pキャラクターのシルエットがメタナイトに酷似しているため、その際に野薔薇が使用していたのは滑空が行えるメタナイトで間違いないだろう。
かつてはカービィのアニメが放送されていた事もあり、自分が子供の頃はメタナイトだけを使っていた。(当時はかなり強いキャラだったようで、使用者も多かったと後に知る。)
そのため、「滑空」というワード1つでこのシーンを読む際の解像度が一気に上がった。
「もしや?」と思い、この考察をするに至る。
やはり同じポイントで気付く読者もそれなりにいたようで、その多くは作者と同じ90年代生まれだった。
…それに加えて、アニメではふみちゃんが困って冷や汗をかいているシーンの効果音が『ぼのぼの』(1995年版)のそれに酷似していたので、余計に『あの時代』を感じた。
冷や汗といえばあの音なんだ、あの時代、あの世代は。
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