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寝起きの逆白湯


『寝起きの白湯さゆ』、体に良いとされるその逆を飲む。
起き抜けに、頻繁に飲む。

基本的にはキンキンに冷やしたノンアルコールビールか炭酸水を飲む。炭酸水の割合が高い気がする。
アルコール入りの飲料は嫌いではないが、月に一度も飲まないかもしれない。

ちなみに、キンキンじゃない状態だとあんまり美味しくないというか、開栓後数分経った飲み残しは「はぁ!?不味うまくなっ」と口に出しかけるような風味がする。ビールよりも早急に飲まなければならない。
パッケージデザインや色彩も「キンキンに冷やしてくれ」と主張しているような色をしている。

これを無塩のトマトジュースで割る事も多い。トマトジュース嫌いでなければという条件付きだが、キンキンのピークを過ぎた際は割る事で雑味が抑えられる。
ビールをトマトジュースで割る『レッド・アイ』というカクテルが好みの範疇であるならば、この飲み方も同じく受け入れられると思われる。



キンキンに冷えた飲料を寝起きに飲む事は、今しかできない事だろう。
厳密には、老いた後も飲む事自体はできるが、その際に著しく体調を崩すだろうし、復帰に時間がかかるはずだ。
今でさえ、内部から体温を一気に持っていかれる感覚がある。


冬季にもそうして飲む。
「なんか寒くない!?」と思った時、事前にキンキン冷えの炭酸水を飲んでいたという事もしょっちゅうだ。
内部から体温を奪われる事の恐ろしさを手軽に知る事ができる。
体調を崩さない範囲内であれば、この感覚は嫌いではないし、体調を崩すギリギリからの回復をする感覚も嫌いではない。いっそ体調を崩しても良いかもしれない。










『冷凍デブ』こと、友彦


自分は体温を奪われた上で、それを取り戻していく感覚。回復の感覚。薄めに薄めた臨死体験のようなものが好きなのかもしれない。
というより、この世の幸福の最たるものの一つはそれだと思っている。真冬の帰宅後に入るコタツなどもそうだろう。空腹を経た食事も似たようなものか。生の実感という娯楽。
晩秋に連日、橋の下で寝たサバイバル経験及び冬季の車中泊経験の積み重ねに由来するのかもしれない。

雪山の如く、ガンガンに冷房を効かせた室内で扇風機の風を受けながら毛布に包まる事も、幸福の最たるものと捉えている。
雨風を凌げて衣食住が担保されている。そんな環境でなら安心して体温を下げる事ができるし、毛布というセーフティもある。

ただし、これも若いうちにしか安全に楽しめないだろうし、今年の関東圏でそんな事を毎日すれば、莫大な電気代によってしっかりと息の根を止められる事になるだろう。





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