見出し画像

ビオトープ近辺にて捕食を行うハエトリグモ


ビオトープ脇のサトイモ苗では食物連鎖が発生していた。

ハエトリグモの仲間が小型コオロギ(マダラスズ?)を捕食していた。
この辺りではシラヒゲハエトリを最もよく見かけるが…この幼体は少し違う種であるような気もする。

サトイモ苗に害虫が発生した場合はこの蜘蛛が真っ先に捕食してくれるのだろう。孵化直後のイモムシ等ならば簡単に捕らえられるはずだ。
ただし、周辺に隠れ家が少ないために常駐するとは限らない。どちらかと言えば徘徊性が強い種類のハエトリグモに見える。

ハエトリグモに限った話ではないが、自分の体ほどの大きさの相手ならば比較的簡単に捕らえてしまうその能力の高さには脱帽する。

そういえば、以前にこの場所の近辺でシラヒゲハエトリがキンバエの仲間を捕食する瞬間を目撃した事を思い出した。カメラロールを確認すると、2年前に撮影した物だった。

キンバエの仲間を捕食するシラヒゲハエトリ

忍び足で近寄ったシラヒゲハエトリは5センチほど離れた距離からキンバエに飛びかかり、捕獲されたキンバエはすぐに抵抗する力を失った。
流し込まれた毒によるものなのだろう。機動力の要である翅のある胸部を狙われたために即座に無力化され、飛翔による逃亡も難しかったのかもしれない。
外殻を一瞬で貫いてしまう蜘蛛の毒牙は相当な硬さのはずだ。

捕食の一部始終は当時試作していたハエ養殖装置の付近で行われた。ハエ養殖装置に関しては以下の記事で解説している。
悪臭を振り撒いてしまう性質上、再現性はかなり低いと思われるが、当noteの中でも閲覧数上位に入る記事だ。

養殖装置に産卵を行うべく飛来したキンバエ。その場所から30センチほど離れた距離にいたシラヒゲハエトリはそれに気づくと、少しずつ少しずつキンバエに近づいて、上記の捕食に至った。
養殖装置はウジ専食の捕食者を誘き寄せる効果があるが、それだけなくハエを狙う蜘蛛等の餌場となっている事が分かる。
思い返せば、この場所では養殖装置設置以降にトンボの目撃例が顕著に増えた。これもハエを狙った故のものだろう。

雨避けが必須かつベランダ等に常設する事ができない装置ではあるが、ビオトープにトンボを呼び込む効果、常駐させる効果も多少は望めるのではないだろうか。

ニクバエやキンバエ等の大型のハエばかりではなく、小型のハエやハエの蛹に寄生する寄生バチ等も数多く飛来するため、イトトンボによる捕食も少しばかり期待できる。(イトトンボ類はカメムシ目やガガンボ、蚊等の捕食の観察例がメインで、ハエ類を積極的に捕食するかは不明だが…)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?