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スナハラゴミムシまとめ

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タニシに依存した生活史を持つ特異な絶滅危惧種・スナハラゴミムシに関する投稿記事をまとめました
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#昆虫

急増するスナハラゴミムシ

急増するスナハラゴミムシ

帰宅時、とあるポイントで絶滅危惧種のスナハラゴミムシを探し、30分で5匹を観察する事ができた。

何年も通っているこの場所で見られるスナハラの個体数は元々多いものではなかったが、ここ1、2年は明らかに増加傾向にある。

ここは良好な湿地帯とは絶妙に距離があって隔絶されており、かつては1年間の合計で5匹も見られる事などありえない話だった。

本種は飛翔による移動を頻繁に行う事が知られているため、この

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スナハラゴミムシの産卵及び孵化を確認

スナハラゴミムシの産卵及び孵化を確認

2023/08/07
絶滅危惧Ⅱ類であるスナハラゴミムシが何匹も孵化していた。
数日前に成虫が卵のような物を捕食している様子が見られたので隔離した所だった。

今回は忙しかったので軽く撮影した程度だったが、スナハラゴミムシの卵が公開されるのは恐らくこれが初めてかもしれない。
ゴミムシの卵はどれもほとんど同じような風貌とはいえ、もう少ししっかりと撮影すべきだったか。

過去にiPhoneで撮影した低

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2023/08/07採集記録

2023/08/07採集記録

2023/08/07
タニシの採集に向かう事を決めた。

前回の記事でも述べたように、スナハラゴミムシ幼虫が続々と孵化をした。
スナハラはタニシを好んで捕食し、特に幼虫となるとほぼタニシ専食と言っていいほどに嗜好性が偏っている。

自宅には餌用タニシ生体が何匹か残っていたが、これからスナハラ幼虫が何匹も追加で生まれてくる事を考えたら足りなくなるかもしれない。
さらには少し前に家族の多くが新型コロナ

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珪砂内に大量の産卵を行ったスナハラゴミムシ

珪砂内に大量の産卵を行ったスナハラゴミムシ

少し前に孵化を確認したスナハラゴミムシだが、本日も幼虫が続々と孵化をしていた。

元々メスが3匹いた所にペアが揃った事に加えて、専食するタニシを高頻度で与えているために大量に卵が生産されているのだろう。

数日前、飼育ケース内に新たに入れた産卵床内にも卵が産み付けられていた。
他ゴミムシのように卵を包んだ泥壺(マッドセル)を作った形跡は無く、直接土中に産卵したものと思われる。
前回の孵化幼虫回収の

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スナハラゴミムシは本来マルタニシ食だったのか?

スナハラゴミムシは本来マルタニシ食だったのか?

良好な湿地帯の指標にもなっているヒメタニシ。
しかし稲作と共に生息域が拡大した大陸由来の移入種である事はあまり知られていない。

関東では山地においてもヒメタニシが生息しているケースが多々あるが、タニシを好んで捕食する昆虫であるスナハラゴミムシはそれを追いかけるようにして同所に生息する。
関東以外でもそうした傾向にあるのだろうか。
ヒメタニシが移入される前の関東ではどのようにして過ごしていたのだろ

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