アジアで特に熱い！タイのシューゲイズ10選！

2024年4月17日 21:28

例えば、2023年〜現在にかけて、シューゲイズというジャンルがこんなにも話題になることを誰が予想しただろうか？

先日〈Interscope〉からデビューしたWispやflyingfishのようにTikTokでバズを生み出し流行った今どきのアーティストはもちろん、julieのようにセンスだけでメジャーからリリースしているアーティスト。名盤を作り、ツアーを回り、メディアに評価されることによりどんどん知名度を上げていったWednesday。自身のレーベル〈Julia's War〉を立ち上げ、DIYで仲間と快進撃を続けるThey Are Gutting a Body of Waterなど本当に数え切れないほど素晴らしいシューゲイズ・バンドがニューゲイズという言葉を拡散させながら、アメリカを中心に話題になっている。

少し上の世代でいうと、DIIVが音楽性を変えヘヴィーなシューゲイズを鳴らした『Deceiver』をリリースしたことや、Nothingがシューゲイズ主催のイベントをDIYで開催したりしている事も大きいだろう。

その流れはアジアにも確実に影響していて、元々日本をはじめアジアでは、シューゲイズ / エモの2つのジャンルは滅法強かったけど、ここから更にこの流行にどうやって乗っかっていくのか？というのはかなり大事な気がしていて、実際にSpotifyでは〈Haze〉というアジアのシューゲイズが特集された公式プレイリストも登場している。

日本もかなり良いアーティストがたくさんいるのだけど、今回は僕が色々チェックしていてヤバイ！と思ったのはタイのシューゲイズ・シーン。なので今回はその中からバンドを10組紹介していきたい！いつからこんなに出てきたんだ！って感じでワンサカ良いバンドが出てきていて、これから先も面白いことになりそうなので。

1. Blue Yogurt

Bangkokを拠点に活動中のバンド、Blue Yogurtはドリームポップ / シューゲイズを中心にヴォーカル、Gluayのキャッチーな歌声を活かしたインディーミュージックを鳴らしているバンド。Fazerdazeのようなインディーポップから〈Captured Tracks〉系統のサウンド、更にはFor Tracy Hydeのような日本のバンドにも影響を受けているであろう。2022年から新曲リリースしていないのが少し残念だけど、今リリースされている曲だけでも十分にポテンシャルを感じさせられるし、ライブとかはたまにやってるみたいだし今後の活動にも期待したい。

2. Death Of Heather

既に来日公演を2回行っているなど、今回紹介するアーティストの中で恐らく日本で一番知名度があるであろうDeath Of Heather。彼らはDIIVを中心とした〈Capturd Tracks〉系統の音楽から影響を受けたデビューアルバム『Death Of Heather』を2020年にリリースし、昨年更にヘヴィーゲイズに舵を切ったEP『Forever』をリリースしている。UKで人気を得ているシューゲイズ・バンド、bdrmmとRemixという形でコラボしていたり、For Tracy Hydeとスプリットの7インチをリリースするなどタイ国外のアーティストとのコラボレーションも積極的にしている彼ら。昨年観れたライブも本当に欧米のアーティストに引きを取らない素晴らしいライブだった。キッカケだけで欧米進出できるクオリティーを持っているバンドだ。

3. KUNST

〈to'morrow records〉でもCDを取り扱っているBangkokで活動中のアーティスト、KUSNT。90sのオルタナティブからインディーポップ、シューゲイズまでを感じさせるバンド。AlvvaysからWolf Aliceのようなバンドからの影響を感じさせるサウンドとキャッチーなメロディーを武器にシンプルにファジーなギターミュージックを鳴らしている。少しキラキラとした甘酸っぱさがあるのもポイント。透明感のあるシューゲイズをやるのに100点なのもヴォーカルの声質もとても良いし、遠くまで響き渡るストレートな音楽です！

4. Lesssugär

僕がタイのシューゲイズに重点的に興味を持つようになったバンドであり、来日ツアーを一緒に回るバンド、Lesssugär。彼らはAlvvaysやFazerdazeを彷彿させるような超キャッチーな楽曲「stay away go!」からLAのWinterを彷彿させるスモークに包まれたかのようなドリーミーな音像がとにかく心地良い楽曲、更にシューゲイズやドリームポップ系統に寄ったBeach HouseやSlowdiveといったアーティストが好きな人にはマストでチェックしてほしい楽曲まで幅広い音楽性をポップに鳴らしているアーティスト。本当に最高なバンドなので、良かったら記事もチェックしてほしい。

タイから来るアジアの新星、Lesssugärについて紹介！

5. Low Fly

Low Flyというプロジェクトが先日リリースした『Noisy Poppy Lovely』という作品は今にも崩れ落ちそうなギリギリのバランスで成り立っているシューゲイズ。ローファイともまた違ったDIY感が詰まったサウンドから確かに鳴っっているシューゲイズ愛は、90の様々なクールなバンドが録音したデモを聞いているかのように荒々しく輝いていて、これが本当に癖になる。録音の仕方だけではなく、本当にセンスが出ているとしか表現できないが、一歩間違えれば不協和音のようにも聞こえてくるダークでカオスなサウンドが、何故か止められなくなる。中毒性抜群。

6. Nuthkitta

BangkokのSSW、Nuthkittaはシューゲイズやドリームポップ以外にもインディーポップからサーフロックまで様々なジャンルを鳴らすアーティスト。どのような音楽から普段影響を受けているのかは未知数だけど、とにかくメロディーの作り方が心地良いし、シューゲイズ代表の曲ではこの音の洪水の中から光が差し込んでいるような感じが本当にたまらない。タイ語がわからずタイトルの意味すらわからないけど、とにかくここでは無いどこかに連れて行ってくれる楽曲です。

7. Slowwves

タイはバンコクから現れたSlowwvesは先月リリースされたデビュー曲「Anywhere Else」が既に3万回近く再生されているなど、既に注目を集めている感じがある。この曲、水に流れていくようなメロディーとヴォーカルの惹きつけられる歌声の相性が完璧だし、ドライブするようなリードギターも完璧に作用している。ある意味このレベルのバンドが急に出てくるのが、今のタイのシューゲイズ・シーンが面白いことを証明していると思うし、オルタナとかの方向にも舵を切れそうな音楽性なのでこれからどんな楽曲がリリースされていくのかが楽しみで仕方ない。

8. srwks.

YONLAPAなどを輩出したタイはチェンマイから出てきたドリームポップ / シューゲイズ・バンド、srwks.はSlowdiveやBeach Houseといった幻想的で浮遊感のあるサウンドを鳴らすニューカマー。srwks. ＝ Sorrow Weekという意味らしくそのバンド名通り哀愁漂う「Hydrangea」はまさに上記で挙げた2バンドが好きな人には間違いなく刺さるであろうし、香港のLucid Expressとかが好きな人にもオススメできます。他にもインディーポップ系統の楽曲もリリースしているので、本当にタイのバンドはそこら辺の組み合わせを一つのバンドとして成り立たせるのが上手だ。

9. Svalblue

最近リリースしたEP『blue』も素晴らしい仕上がりだった4人組、Svalblue。EPのタイトル通りダークなブルーを感じさせるシューゲイズで、ギターの音色はシューゲイズなのだけど、全体的にはオルタナやポストパンクからの影響も感じさせるのが面白いところで、My Bloody ValentineだけではなくSonic Youthとかも好きだぜ！っていうリスナーには特にオススメしたいバンドだし、日本のSugar Houseとかにも通じるクールさがありますね！

10. Telever

タイの北部の都市、ナコーンサワンで活動中のシューゲイズ／ポストハードコア・バンド、Televerはヘヴィーで美しいシューゲイズサウンドと迫力のあるハードコアサウンドをミックスしているバンドで、先日開催されたSlowdiveのアジアツアーのタイ公演でオープニングを務めるなど注目を集めている。DIIVの『Deceiver』を彷彿させるような重圧なギターサウンドからFleshwaterのようなバンドのファンにまでオススメできる楽曲までを詰め込んでおり、本当にアメリカとかのバンドと勘違いするほどです！