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【特集】 北欧エレクトロ・ミュージック・シーン注目のアーティスト15選

僕は北欧の音楽が大好きだ。2012年にTeam MeのデビューEPを直接バンドに送ってもらったのは海外から直接音源を買った初めての経験だったし、Postiljonenというバンドしか聴いていない時期もあった。ポップシンガーの中でもが大好きでLAで爆踊りしてただけで友達めっちゃ増えたみたいな日もあった。

北欧らしい冷たさ、英語のイントネーションなどUK/USの音楽には感じない部分を求めてとにかく漁るような時期もあったし、今でもノルウェーやデンマークにいる音楽で出会った友人たちとWhatsAppで音楽情報交換したりもしている。

その中で最近個人的に面白いなと思っているのが、北欧のエレクトロ・ポップ・シーンだ。Grimesからの影響を強く感じるアーティストを中心にLykke LiJenny Hvalなどが作ってきたシーンが独特の広がり方を見せていると思っていて、幾つかのアーティストは日本でも少し知名度があると思うけど、横の繋がりとかシーンとしても調べてみると面白いので、今回は北欧で活動している15組のエレクトロ・ミュージックを鳴らすアーティストを紹介していきたい。

1. COBRAH(Stockholm / Sweden)

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ストックホルムを拠点に活動中のアーティスト、COBRAH。Charli XCXがストックホルムのライブでCOBRAHをステージに招き一緒にパフォーマンスを披露したこともあったりするアーティストで、レイヴを感じるようなパンキッシュなエレクトロポップ〜ラップなどをミックスしたスタイルが特徴的だ。例えばShygirlとか〈LGBTQ〉のシーンとかに通じるアーティストが好きな人はマストチェックのアーティストだけど、その中でも特にエレポップの王道さが感じられるアーティストですね!

2. Das Body (Oslo / Norway)

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オスロを拠点に活動中のアーティスト、Ellie Lindenによるプロジェクト、Das Body。80sのシンセポップをルーツにしながら絶妙なオルタナティブとミステリアスを醸し出しているポップなアーティストでBlack MarbleからGrimes辺りのファンにまでオススメ。初期の曲は完全にネオンが光るポップさが売りだったけど、時が経つに連れてだんだんとニューウェーブやドリームポップっぽさも楽曲にとっては出てきているのが面白いところ!

3. Detalji (Helsinki / Finland)

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フィンランドはヘルシンキを拠点に活動中のプロデューサー、Krista Myllyviitaによるソロ・プロジェクト、Detalji。過去にはロンドンでKedr Livanskiyyeuleのサポートアクトを務めたこともあるアーティストで、Zola Jesusとかに近い感じのあるミステリアスでダークな低音のヴォーカルがまず特徴的だけど、その上でIDMのような実験的要素とEDM的な派手さのあるサウンドを作りあげ、足腰から動けるダークテクノを同時に味わうことができる。キャパ100人のクラブでガンガンになっていてほしい深夜2時のダーク・ダンス・ミュージック。

4. Erika de Casier (Copenhagen / Denmark)

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デビューアルバム『Essentials』が世界的に注目され、2ndアルバム『Sensational』を今年〈4AD〉からリリースしたアーティスト、Erika de Casier。R&B色が強いアーティストでUKのR&B系の新人アーティストとかとも共鳴するけれども、ワールドミュージックやエレクトロニックなクラブミュージックからの影響も感じるアーティストで、〈ノスタルジック〉と〈新鮮さ〉を同時に感じられるのが強みだと思うし、彼女特有のウィスパーヴォイスは今回紹介しているアーティストと重なる部分も多い。90年代のR&Bや現行のクラブミュージック、そして2030年の未来の音楽を同時に聴いているような気分になります。

5. Jouska (Oslo / Norway)

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ノルウェーはオスロを拠点に活動中のMarit Othilie ThorvikとHans Olav Settemによるデュオ、Jouska。2人組のベッドルーム・ポップ・デュオではあるけれども、そのサウンドからはドリームポップ、エレポップ、R&B、エクスペリメンタル、アンビエントなど様々な要素を感じることができるし、GrimesYumi Zouma辺りのアーティストが好きな人にはマストでチェックしてほしいし、R&Bのテイストも色濃く入っていて、個人的にはThe InternetSydのソロアルバム『Fin』が好きだった人にも刺さると思っている。

6. LonelyTwin (Stockholm / Sweden)

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スウェーデンはストックホルムを拠点に活動中のプロデューサー、Madelene Eliassonによるプロジェクト、LonelyTwin。少しフォークなテイストを持ち合わせたエレクトロポップやKllo辺りを彷彿させるドリーミーなエレクトロポップを鳴らすプロデューサーで、過去にはMGMTの"Electric Feel"のカヴァーがヒットしたこともあるアーティストだ。とにかく心地良いドリーミーなヴォーカルとそれに絡み合う激しすぎないエレクトロニックな音像がノスタルジーを生み出し、夢見心地な気分にさせてくれるのだ素晴らしい。Shuraとかが好きな人は絶対にチェックしてほしい。

7. Murmur (Oslo / Norway)

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オスロを拠点に活動中のアーティスト、Sunniva Mellbyeによるプロジェクト、Murmur。どこかノスタルジックで切なくなるシンセポップ〜エレポップを鳴らすアーティストでGrimes辺りが好きな人にオススメしたい存在。そして上記で紹介したJouskaとはオスロを拠点としている仲間であって、 最新曲として先日リリースされた「Me & You」では共同プロデューサー、ミックスエンジニアとしてJouskaが参加している。オスロのシーンがどんどん面白いことになっているのを証明しているアーティストでもあり、更にはJouska / Murmurのどちらも後ほど紹介するSASSY009のライブメンバーとして活動しているのも面白い。

8. Niilas (Bergen / Norway)

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ノルウェーはベルゲンを拠点に活動中のプロデューサー、Peder Niilas Tårnesviによるプロジェクト、Niilas。girl in redがどこかのブログでステイホーム中に聴いているお気に入りの音楽として紹介していて個人的に知ったアーティストだ。UKのクラブシーンから影響を受けたメランコリックで心地の良いダンサンブルなベースサウンドを軸に鳴らしているのだが、その中でも彼の音楽の特徴といえば、北欧の少数民族(原住民)Samiの人たちの伝統的な音楽から影響を受けているところで、彼の音楽から醸し出される想像以上のナチュラルな美しさは、サーミ族の伝統から来ている。星を見に行きたくなる・

9. Ora The Molecule (Oslo / Norway)

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ノルウェーはオスロを拠点に活動中のNora Schjelderupによるプロジェクト、Ora The Molecule。先日リリースされたデビューアルバム『Human Safari』では80sを感じさせるシンセポップからアートポップのようなダークさや民族音楽っぽいフルートとかまでをミックスさせながらポップで独特な世界観を生み出している。一つのジャンルとして語ったり、類似アーティストを出すのも難しいが、個人的にはこのMVになっている「Die To Be A Butterfly」曲とかはSt. Vincentとか好きな人にまずチェックしてほしいなと思いますね。

10. Pearly Drops (Helsinki / Finland)

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フィンランドはヘルシンキを拠点に活動中のSandra TervonenとJuuso Malinによるデュオ、Pearly Drops。昨年リリースされたデビューアルバム『Call For Help』はGrimesyeule、更にはCharli XCX辺りが好きな人にはたまならないであろう少し不穏さのあるミステリアスなエレクトロポップとして完成度が高かった。実際にCharli XCX「Forever」のRemixも上げてたりする。北欧らしいサウンドどこか冷たくてダークな部分やナチュラルでアンビエントとかの要素を感じる部分もあるし、オルタナティブで独創的、そしてポップという素晴らしいバランスを作り出している2人組!

11. Ponette (Oslo / Norway)

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ノルウェーはオスロを拠点に活動中のPonetteは今回紹介しているアーティストの中で一番純粋なポップスにフィールドが近いアーティストだと思う。壮大さを醸し出すエレクトロニックでオルタナティブなトラックの上で透明に透き通るメランコリックでポップなヴォーカルを乗せるスタイルで、スウェーデンのポップスター、Lykke Liの一部で感じるオルタナティブでダークな一面を色濃く表現した感じのアーティストと言っていいと思うし、ヴォーカルとかもまだまだ伸びしろを感じるので、いつの間にかめちゃくちゃ売れていたりもするかもしれない。

12. Ruusut (Helsinki / Finland)

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フィンランドのエレクトロ・ポップ・バンド、Ruusutはオリジナリティーのある独自のポップさを表現しているバンドの一つであろう。例えば最近耳にすることが多くなってきた日本でも流行ったパラパラとかに使われていそうな感じのサウンドを2017年とかから取り入れているし、北欧らしいメランコリックな要素やGrimesとかから影響を感じるサイバー的やハイパーポップの要素も馴染ませたり、男女ボーカルを上手くミックスさせながらユニークなエレポップ・ミュージックを鳴らしているバンドだ。ヴォーカルのRinga MannerはPintandwefallというアートポップ系のバンドもやっているのでチェックしてみてほしい。

13. Sassy 009 (Oslo / Norway)

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既に数回名前が出てきているオスロを拠点に活動中のSunniva Lindgårdによるプロジェクト、Sassy 009もこの特集を組む上では欠かせないアーティストだ。元々は3人組として活動していたが、現在はSunniva Lindgård以外のメンバーは脱退し、ソロプロジェクトとして活動中。そこに先ほども言及した通りJouskaやMurmurがサポートで加わっている。過去にはClairoをゲストに迎えた「Lara」などで注目も集め、SXSWにも出演を果たしている。ここで紹介している他のアーティスト絶妙なミステリアスで実験的なムードを醸し出しながらもポップを保っているのが凄いし、ドリームとノイズを巧みに利用したサウンドプロダクションはエレクトロポップ好きからR&Bにまで響くはずです。流石北欧人?スノボもうまい。

14. Smerz (Copenhagen / Denmark)

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ノルウェー出身、現在はコペンハーゲンを拠点に活動中のCatharina StoltenbergとHenriette Motzfeldtによるデュオ、Smerz。2018年にリリースした『Have fun』というEPで世界中から注目を集め、今年の2月に待望のデビューアルバム『Believer』を〈XL Recordings〉からリリースしたアーティストだ。不穏でミステリアスに包まれた空気感を出しつつも、電子サウンドを軸とし、R&BやHIP-HOPなどからの影響も感じる唯一無二のサウンドを作り上げている。今回の記事のテーマが”Club”であったとしたらSmerzが作る音楽は街ではなく、ノルウェーやデンマークの森林の奥の方や深海の海底で鳴っているかのようなムードを作り上げているのが魅力的だ。クラシックなモノを最先端に置き換え、ノスタルジックすらを破壊する最狂のアーティスト、Smerzはこのテーマに限らず2021年の台風の目となるアーティストだと思う。

Softcore untd. (Bergen / Norway)

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メンバー各々が別々の名義でも活動しているノルウェーはBergenのスーパーな人たちを集めた4人組のコレクティブ、Softcore untd.。オルタナティブな音像から影響を感じるダークな要素とHIP-HOPやK-POPとかにも通じるようなヴォーカル、更にはポストパンクやエレポップなど80sを感じるサウンドまでをミックスさせたポップでありダークなセンス抜群のサウンドを鳴らしている。リリックはノルウェー語で歌われているけど、特に違和感もなくヴォーカルもとてもすんなり入ってくるし、新鮮さも持ち合わせている。ポッ2020年にリリースしたデビューアルバム『Bygger opp, river ned』を聴いたときは衝撃的でしたね。

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ちなみに今回紹介した下記のタイトルは販売中です!

Das Body / Das Body
Erika de Casier / Sensational
Jouska / Everything Is Good
Smerz / Believer

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