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【前編】COVID-19ワクチンの仕組み。いつから、どこで接種できるの??

(文:ナース経験12年 ガーベラナースさん)

今回は、番外編として、皆さんも気になっている新型コロナウイルスワクチンについて、厚生労働省の発表を元に解説していきたいと思います。前編では、ワクチンの仕組みや接種の一般的な説明、後編では、がんの方はワクチン接種する上で気を付けて頂きたい事などについて解説して参ります。

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新型コロナウイルスが世界中に猛威を奮い、大変な1年になった2020年でした。
ここ最近世界のあちこちで新型コロナウイルスのワクチン開発や、接種開始のニュースが飛び込んできていますね。。日本でもその話題で持ちきりです。
ワクチンに大きな期待を持ちつつも、そもそもワクチンって一体どうやって体に効くの? 副反応は大丈夫? などが気になっている方、日本ではいつ頃、どんな形で接種開始になるか知りたい方……。
特にがんに罹患している方は、新型コロナウイルス感染症の、「元々基礎疾患がある人は重症化しやすい」という特徴に恐怖を感じながら過ごされてきたことと思います。
日本でも、接種に優先順位をつけるとも言われていて、一体自分は優先接種の対象なのか? ワクチンを接種しても大丈夫なのか? など、気になっている方も多いのではないでしょうか。
ここでは、厚生労働省の発表している資料を参考に、新型コロナウイルスワクチンについて解説いたします。

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一般的なワクチンの仕組み

そもそもワクチンって一体どんな仕組みで体に作用しているのでしょうか?
ワクチンの仕組みをものすごく簡単に説明します。
そもそもウイルスが体内に入ると、人間の体が異物を感知してやっつけようと免疫が活性化します。ウイルスと免疫のバトルにより発熱が起こったりします。そして、体の免疫が一時的にウイルスに侵されてしまった状態が「感染」です。
ワクチンでは、その体の免疫の機能をうまく利用します。ウィルスを安全に加工した一部をワクチンとして体内に入れることで、体の免疫を活性化させることが出来ます。これにより、実際にウイルスが体内に入ってきた時に、あらかじめ活性化させておいた免疫の信号がキャッチし、働いて、感染を抑制することを期待します(感染予防)。
また、実際に感染したとしても、症状を起こさないこと(発症予防)や、免疫の働きにより重症化を防ぐことが出来る(重症化予防)とも言われています。

ワクチンの効果について

令和2年8月21日新型コロナウイルス感染症対策分科会資料3.新型コロナウイルスワクチンの接種について資料7より引用(2020.12.31閲覧)

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000662188.pdf   

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COVID-19ワクチンの有効性と安全性について

どんなワクチンでも、ワクチンに限らず治療薬でも副反応や副作用があります。ワクチンを接種することが有効かどうかは、一般的にはワクチンの有効性とワクチンによるリスク(副反応など)のどちらが大きいかによって決められます。

ワクチンの接種に関わる判断について

令和2年8月21日新型コロナウイルス感染症対策分科会資料3.新型コロナウイルスワクチンの接種について資料7より引用(2020.12.31閲覧)https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000662188.pdf

しかし、この新型コロナウイルスであるCOVID-19は、世界でもまだ開発されたばかりです。臨床試験で有効性や安全性について検証されているとは言え、いつも皆さんが受けているようなインフルエンザワクチンと比較して、沢山のデータがあるわけではありません。
また、イギリスや南アフリカが大きな話題になりましたが、新型コロナウイルスの変異種の確認も相次いでいます。このことからもウイルスが次々と変異し、今開発されているワクチンの有効性が、完全なものかどうか誰にも判断できない。。。ということは、皆さんも理解できるのではないでしょうか。
こうした状況の中でも、国は各国の製薬会社と密に連携しながら、できる限り安全性と有効性の確認されたワクチンを承認し、きちんと説明と同意のもとでワクチン接種を進めていくことを基本としています。
また、接種を受けた後に副反応が生じた場合の健康被害についても救済制度を受けることが出来るように、予防接種法の改正などの法整備も進められています。

予防接種後健康被害救済制度のパンフレット(厚生労働省ホームページより
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou20/kenkouhigai_kyusai/dl/leaflet_h241119.pdf 

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COVID-19ワクチンの接種費用は?いつから、どこで受けられるの?

では、いよいよ新型コロナウイルスワクチン接種について、具体的な解説をしていきたいと思います。
費用や接種までの流れなどは、皆さんもとっても気になっている所だと思います。
まず、新型コロナウイルスワクチンの予防接種は、一体いつから始まるのでしょうか?

厚生労働省のホームページによると、
安全で有効なワクチンが承認され、供給できるようになった時には、医療従事者等への最初の接種が2月下旬から始められるよう準備を勧めています。と記載されています。
ワクチンの承認だけでなく、全国で接種できる体制作りや、ワクチンの共有・流通を考えると、国が必死に準備を進めようとしていることが伺えますね。

次に、接種費用についてですが、現時点(2021年1月16日)では、
全額公費で接種を行う見込みです。
と、ホームページにはっきりと明記されています。

今の所、接種にあたっての費用を心配する必要はなさそうで、一安心です。
ただ、接種場所や、どのような流れで接種を行っていくかについては、まだ詳細は決まっていないようです。
何回接種が必要かどうかは、ワクチンの種類によって異なります。
厚生労働省からは、
現在わが国が確保を見込んでいるワクチンについては、2回接種となる見込みです。
と発表されていますが、その辺りは実際に接種する事になった時、もう一度しっかりと確認して指示に従っていく必要がありそうですね。
いずれにしても、現時点では決まっていないことも多いようなので、ニュースや国の発表、お住まいの市町村のお便りなどで定期的に確認していくことが望ましいです。
このトピックは、以下を元に記載しています。詳しいことが知りたい方は、厚生労働省のホームページから確認してください。

厚生労働省.新型コロナウイルス感染症のワクチンの詳細について(2021年1月16日閲覧)

【後編】では、がんに罹患されている方のワクチン接種などについて更に解説を深めていきます。

筆者ご紹介 ガーベラナースさん
合計臨床経験12年。ER・集中治療室経験などを経て訪問看護の道へ。訪問看護は管理者を含め6年のベテランナース。在宅看護領域で修士課程修了、ケアマネジャーの資格も持つ。
ガーベラの花言葉「希望」「常に前進」通り、じっとしていられない猪突猛進タイプ。山登りやスノーボードなどアウトドア好き。子どもが成長し一緒に山登りを楽しむのが夢です。

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