がんと告知され、大ショック!!このモヤモヤはどうすればいいの?
がんを罹患された方の病気が発覚してから、治療・退院・療養を経て新しいライフスタイルを見つけるまでの変遷をイメージすると以下のようになると思います。(必ずこのような形になるとは言えませんが……)
ここでは、それぞれの状態で起こることや、罹患された方が感じていることについて、ご紹介して参ります。
(文:訪問看護経験者 すみれナース)
がん告知…患者さんのこころ
がんが発覚するきっかけには、自覚症状を訴えて診察を受けられる方の他に、無自覚のまま定期検診などで見つかる方もおられると思います。
今は生涯で2人に1人ががんになると言われている時代ですが、実際にがんの告知を受けたときに、平気でいられる人はあまりいないでしょう。それでも、多くの場合は時間の経過とともに病気に立ち向かいながら、自分らしい生活をとりもどしていくのです。具体的にはどのような過程をたどるのでしょうか。
ショック・混乱の時期
がんと告知されるなどの強いストレスを受けたとき、人は「まさか、そんなはずはない」「何かの間違いだ」と現実を認めたくない気持ちになり、何も考えられなくなることも珍しくありません。
これは大きな衝撃から心を守ろうとするための自然な反応です。そして、「何が悪かったのか」「なぜ自分だけがこんな目にあうのか」という自責の念や、怒りの気持ちもわいてきます。思うことや感じ方はひとそれぞれですが、時間の経過とともに変化していくことが知られています。
不安と落ち込みの時期(抑うつの時期)
一般的には衝撃から数日すると、漠然とした不安が大きくなって、気分が落ちこんだり、眠れなくなったり、食欲がなくなるなど、体の不調も出やすくなると言われています。物事に集中できなかったり、人と話すことさえ嫌になったりもします。
衝撃からすぐに立ち直れるひとは多くありません。この時期、不安に押しつぶされないよう、ストレスコーピング(ストレスの対処方法)※をしてみるのも一つの手です。
※「コーピング」とは、「対処する」という意味で、『ストレスにうまく対処しようとすること』を指します。目的は、ストレスに対処し、自分を楽にすることで、好ましくない反応(不眠や抑うつなど)を和らげ、心身の健康を維持していくことです。
ストレスコーピング
ストレスコーピングの方法としては、以下のような方法があります。
① 自分自身で落ち込んでいる自分をゆるす
前向きに考えようと自分の心を無理に抑えると、それがさらなるストレスとなってしまいます。落ち込んだ感情を認めてみましょう。
② 家族や親しい人に思っている事を打ち明ける
③ 疑問に思っていることは、医師や看護師などに聞けるところまで聞く
強い不安やモヤモヤした気持ち、ショックな気持ちなどは看護師や病院に設置されているがん相談支援センターなどで聞いてもらうことも出来ます。頼ってみるのも一つかもしれません。
病気や治療について分からないことは、医師に質問できるように、事前にメモなどにまとめておくと医師と話す時に落ち着いて臨めると思います。
④ 一人だけで病気と向き合わず、時には趣味や好きな事をして、自分らしくリラックスする時間を持つ
④ おもいっきり泣く
涙には、自律神経の状態を切り替え、副交換神経が優位になることで、脳がリラックスできるといわれています。人前では、心理的には緊張してしまいますので、1人のほうが思いっきり泣けると思います。きっかけがつかみにくい方は、映画や音楽から感情を動かすとよいかもしれません。
⑤ 体の不調が強い時は、無理をせず担当の医師や医療機関の専門家に相談して、しっかり休息をとる。
⑥ メモや日記に書き出してみる。
書く事によって気持ちが整理されたり、医師への質問がしやすくなったりするメリットがあります。
一人でメモや日記をつけるのは、なかなか難しい、という方にはTomopiiaのサービスをご紹介いたします。こちらのリンクをご覧ください。ご興味のある方はぜひご登録を!
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適応の時期(新たな生活への出発)
不安な気持ちは、その不安の正体がわからないとさらに強く感じますよね。でもその不安の正体に向き合っているうちに、本来ひとがもっている困難を乗り越えようとする力が働き出し、少しずつ落ち着いて物事に目を向けることができるようになります。
具体的には、自分の病気や治療法について調べたり、前向きにがんの治療に取り組んだりできるようになります。同時に仕職場や家庭での役割変更や手続きなど、現実的な段どりも進めていくようになります。
ひとにもよりますが、おおよそ2週間程度でこのように新たな生活を見据え、前向きな気持ちになっていくといわれています。しかし、誰もがそうなれるというわけではありません。中には「不安」や「落ち込み」の状態が数週間にわたって続く場合もあります。
・心配事が頭から離れない、考えたくないのに嫌なことを考えてしまう
・眠れない、食欲がない
・集中できない、落ち着かない、いらいらする
・生きているのが面倒に感じる
といった状態で、日常生活に支障をきたす状況が長く続く場合は、まず主治医に相談し、必要に応じて専門的なサポートを受けましょう。
心に大きなストレスを受けたときに、このような状態になることは誰にでもおこりうることです。決してあなたが弱いからではありません。お薬による治療が手助けになることもあります。
Tomopiiaではこういった方々をサポートしていきたいと考えています!
1人で抱え込まずにいて下さればと思います。
筆者ご紹介 すみれナースさん
合計臨床経験11年。7年は病院で外科、内科など経験し、訪問看護の世界へ。すみれの花言葉「謙虚誠実」「小さな幸せ」をモットーに働くおっとりナース。一方、一人旅もできる好奇心旺盛タイプ。息子の成長を楽しみにしている一児のママ。
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