ナマケモノと鉄フライパン
ナマケモノ
私は、極度のめんどくさがり屋である。着ていた服はその辺に脱ぎっぱなしにするし、昼ご飯を食べたお皿を次の日に洗うような人間である。しかし、部屋は意外と片付いている(きれい好きの人からするとそうでもないかもしれないが)。たいていのめんどくさがり屋がそうだとは思うが、なにも服を脱ぎっぱなしにしたくてしているわけではない。お皿だってそうだ。洗えるものなら、食事が終わってすぐにでも洗いたい。ただただ、その作業がめんどくさいだけなのだ。なので、定期的に脱ぎ散らかした服はきれいに洗濯して収納するし、お皿だって洗うのだ。たまに、キッチンの掃除だってする。
こんなめんどくさがり屋の私であるが、実は料理好きでもある。こんな言い方をしてしまうと、さぞかし料理上手なのだろう、と思われてしまうかもしれないが、そんなことはない。いつも味の素にはお世話になっているし、大好きな餃子も冷凍ものである。
料理の視覚的要素
家探し編を読まれた人ならわかるかもしれないが、私はミーハーで、ビジュアル重視の人間である。料理に関しても、その節がある。味がおいしいのは当然大事だが、私が求めるのは、その過程である。中華料理であれば、大きな中華鍋に油をたらし、ジュウジュウと音を立てる油の中に、ニンニクやらオイスターソースやらをぶち込んで炒めたい。パスタであれば、アルミフライパンに、オリーブオイルを大量にたらし、ニンニクやらトマトやらをぐつぐつさせたいのだ。こうした料理過程での視覚的要素が、私は大好きなのだ。アルミフライパンや鉄フライパンで料理を作る、その行為が好きなのだ。そして願わくば、私もかっこよく料理がしたいのである。
鉄フライパン
4月に鉄フライパンを購入した。理由は簡単、かっこいいからだ。とはいえ、適当に選んで買ったわけではない。鉄フライパンのメリット・デメリットは予習済みだ。シーズニングや焼き込みなどについても色々と調べた。
ざっくりと鉄フライパンについて話すことにしよう。
よく油慣らしという言葉を聞くと思うが、要は鉄の表面に酸化被膜を作って、モノを焼いたときに引っ付かなくするのだ。しかし、そのままの状態ではだめだ。初めにしっかりとフライパンを「焼く」作業がいる。フライパンを焼き続けていると、鉄が四酸化三鉄(詳しいことは私もわからない)という状態に変化し、青味がかってくる。この状態になったら、あとは油でコーティングしてやるだけだ。試しに目玉焼きを作ってみたが、卵がフライパンの上をすべるようになった。
↑ 目玉焼き
鉄フライパンについてすごく簡単にまとめると
1.鉄フライパンを青味がかるまで焼き続ける
2.フライパンが冷めたら、再度熱して油でコーティングしてあげる
以上である。
うまくいかない人は、フライパンの表面に焦げがついたままだったりしていることが多い。そんな時はヤスリで削ってあげれば復活する。詳しいことはここでは割愛する。
ナマケモノのための鉄フライパン
読んでいて思ったかもしれない。めんどくさがりのお前がなんでそんなに手間のかかるフライパンなど選んだのか、と。購入動機はかっこいいから、という、とてつもなくダサい理由である。しかし、使っていくうちに気づいたことがあった。料理の後にすぐに洗うようになったのだ。
これまでは、食後すぐにネットサーフィンに移り、気づいたら深夜1時、ふろに入って寝る、という流れ(この辺は目を瞑っていただきたい)で、料理の片づけは次の日というのが多かった。ところが鉄フライパンはそうはいかない。料理を終えて次の日なんかになると、赤さびができてたちまちメンテが必要になってしまう。何なら1時間でさびることもある。なんだか鉄フライパンにしてやられたようで悔しいが、私は食事毎に洗いものをするようになった。鉄フライパンは、私の怠惰な習慣を変えたのだ。
この記事を読んでいるナマケモノな皆さん(うそです。読んでくださってありがとうございます!)には、ぜひとも鉄フライパンを薦めたい。
ナマケモノこそ鉄フライパンを。
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