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近未来SF大河 どないすんねん喜代原和弘氏 「第一話 道」

 永禄200X年、京の都はホ○○○右京大夫が組織した恐怖の武士団・黄泉宇利虚塵軍に完全支配されていた。右京大夫は専横を極め、幕府・朝廷・寺社等々あらゆる権門を思いのままに操り、本朝はまさに末世の観を呈していた。
 そうした絶望的状況の中、天下にその名を轟かす皇別氏族の貴種にして、天下無双の猛将・喜代原和弘氏は、本拠地の岸和田城に陣を構え虚塵軍に猛烈な抵抗を続けていた。しかし、右京大夫被官の三好氏率いる大軍の猛攻に衆寡敵せず劣勢に追い込まれた喜代原勢は、宿老たる織田上総介・辰浪摂津守の所領・尾張への転進を決定したのであった。

 尾張に拠点を移した喜代原氏は猛将としての血気をおさえられず、即座に京へ攻め上ることを強硬に主張した。
「腕力、力攻めは当家の祖法や!今すぐ京にカチ込んで黄泉宇利をシバキ上げたるわ!!」
 これに慌てた織田上総は、すぐに喜代原氏を諫めた。
「上様、なりませぬぞ。軽挙は身を滅ぼしまする。」
「なんでや!どかーんといてまえばええねん。」
「まあ落ち着いて、某が私淑致しまする伴天連、アントニオ・イノキチウスの言葉をお聞きなされ。」
「伴天連とか遅れとるで。時代は密教や。お遍路せなアカン!」
「まあまあ…。この道を行けば~云々…。」
「アカン、泣けてきた。ワシが間違っとったわ。」
「まずは、近江源氏の佐々木大魔神と誼を通じ、しかと謀を進めねばなりませぬぞ。」
「そやな。よっしゃ、やったるで!!」

斯くて、喜代原氏の覇業が始まろうとしていた。


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