松下圭一『市民自治の憲法理論』を読もう!①
「自治について知りたいなら、松下圭一の本を読みなさい」と言われたので、とりあえず新書『市民自治の憲法理論』(1975年)を読んでみました
松下圭一って誰?
そもそも松下圭一って誰??
と思ったので、bingに聞いてみました
『市民自治の憲法理論』
松下さんのことが分かったような(?)気がするので、いよいよ本題!
この本を一言でいうと、憲法学にケンカをふっかけた本(笑)
『市民自治の憲法理論』の内容
内容は一貫していて、「市民自治めっちゃ重要!国から自治体への上位下達はダメ!」
Ⅰ 市民参加と法学的思考
当時1970年代は、公害問題などが問題となっていました
この公害問題を受けて、市民は環境に関する権利を訴えました
松下は、このような市民の問題意識から立法が行われる「自己立法」が大事だとしました
1.憲法と対立する法学的思考
皆さんは、日々「国民主権使ってるな〜」と感じていますか?
正直そんな感じしない人が多いと思います(笑)
松下も同じ考えで、国民が主権をもつ「国民主権」が採用されているにもかかわらず、「選挙」という行動でしか主権を行使していないことを問題視しています
そして、行政の過程が市民から見えないようになっていること(=ブラックボックス化)も問題視しています
だからこそ、市民による政治批判と参画が大事だと主張します
2.官治型理論から自治型理論へ
松下は「分節政治システム」という独自の用語をつくりました(松下は独自の言葉作りがち)
これは、「権力は集中させないシステム」のことを意味しています
シビル・ミニマムとは、ナショナル・ミニマム(25条)の対義語として松下が考えた造語です
シビル・ミニマムは、市民の立場から社会保障を考えることを意味しています
↔︎ナショナルミニマムとは、国家の立場からみた社会保障のことを指します
3.分節政治システムの構想
松下は、⺠主政治に隠れている、「治者と被治者の⼀致」という国⺠主権の⽭盾が広がっていることを指摘し、この矛盾は全体主義になっていく可能性を示しています
→そのため、憲法の構造は、従来のような個⼈を国家に解消していく「等質」国⺠主権ではなく、「分節」国⺠主権の必要性を主張しています
4.市⺠⾃治の法学的課題
私の自治体と皆さんの自治体の規模や課題はそれぞれ異なってますよね🤔
だから全国画⼀的な⾏政⼿続法で政治を行うのはダメで、市民や自治体から発信していく必要があると主張します
Q&A
1970年代(学生運動の時代)に書かれたこともあり、市民運動は「選挙に行く」「デモに参加する」など政治参加のことを意図していました
しかし、現代では、NPOなどのように、政治参加以外にも市民運動と言われるものはたーくさんあります
現代の文脈に合わせると、市民運動の意味を広げる必要があるかもしれませんね!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?