令和版百人一首 恋の巻〜片想いは永遠に

言えずとも容易に消えぬ君が今 心麗し遠き青空

片想いはお相手の存在がとても間近に、
けれども遠くに感じるものです。
代わりなどいくらでもいると言われても、
その方はこの世界に一人だけ。
失うことなど微塵も考えられないものです。
想いを告げられないことの理由に、
今の柔らかな気持ちをもう少し味わっておきたいというものもあります。
無意識に終わりを想定してしまう、
なんと儚いことでしょうか。
ただお断りされるよりも、本当に会えなくなってしまうこともまた辛いものになります。
例えば、その方が亡くなられてしまったり、ふいに他へと引っ越しされてしまったり。
そうすると、言わなかったことが後悔となってしまいます。
時には、それがそれで良かったのだと思うことも混ざります。
不思議なもので、その方はずっとそこにいるような感じになります。
想いのままにとはいかず、追いかけることもせず、
ただひたすらに色褪せずその方は笑顔のままです。
時を経るごとに、笑えなくなりますが、
それもまた。