勝手に曲からストーリー3
曲:謎(小松未歩)
「ペンフレンド」
未麻は首をかしげている。
今朝ポストを覗いたら、
手紙が入っていた。
封筒を見ると、住所も名前も書いてない。
よくわからなかったが、そのまま捨ててしまうのは、ためらう。
なぜなら、内容が何かわからないままになるからだ。
少し怖いが謎を解明したくなる。
封筒を開けると便箋が一枚入っていた。
読んでみる。
(あなたは今頃どうしていますか?
友達という時間が長かったので、
気がかりです)
友達?
誰だろう?
未麻は心当たりがなかった。
それから、どのくらい月日が流れただろうか。
未麻は一人の人と出会った。
その人は勇斗という名前だ。
趣味が共通する所があり、
意気投合している。
勇斗は楽しそうに話すのだが、
時折何か言いたそうに黙る時がある。
そんな関係が3ヶ月ほど続いた頃だった。
勇斗に連絡したのだが返事がない。
(どうしたんだろう・・)
次の日も、その次の日も、さらに一週間経っても連絡が着かない。
未麻は気になるのだが、
それを紛らすために部屋の掃除をした。
棚を整理してると、封筒が目についた。
それは、以前読んだ差出人不明の手紙だ。
そういえば、この手紙の謎が解けていない。
そう思った未麻は、改めて手紙を読み返してみた。
(あなたは今頃どうしていますか?
友達という時間が長かったので、
気がかりです。
今はただ、あなたにお会いできる事を心待ちにしております。
お手紙が届いて10年後、また会えるのですから。
それまでどうかお元気で
勇斗)
えっ?
未麻は驚いた。
封筒を見た。
<2033・09・12>
消印は10年後の日付だった。
未麻は少し笑ってしまった。
(謎が解けました。
勇斗、待ってるよ)
未麻は小さい便箋にそう書くと、
封筒にしまった。