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【TOMONARI x FOOTBALL 】バルセロナの育成機関、ラマシア(la masia)とは?!

筆者であるNo.19のサポートしている(?)クラブであるスペインのFCバルセロナには世界でも有数の育成機関が存在する事をサッカーファンのみなさんであればご存知だろう。
そう、それがラマシアだ。
ここではそのラマシアを深堀していきつつ、バルセロナにとってどれほど重要な機関であるのかを解いていきたい。

【目次】
①ラマシアとは?
②ラマシアの過去・現在・未来
③ラマシアのこれからの課題

ラマシアとは?

まず初めにラマシアについて紹介していこう。今では、多くのプロサッカークラブでもu-18などの下部組織が存在する。ラマシアも言ってみればその一つであるが、その規模が世界トップクラスだ。ラマシアとはいわゆるサッカー寮みたいなもので、スペイン国内だけでなく、世界中の有望なサッカー選手が集まる場所となっている。
もともとはラマシアはカンプノウの近くに併設されていたが、今ではシウタットデポルティーバ(トップチームも練習する場所)というバルセロナ郊外の地に移行している。大きな敷地を持ち、新しくできたエスタディヨハンクライフを含めたくさんのサッカー場がある。週末になるとそれぞれのカテゴリーのチームが一斉にここでリーグ戦なり練習試合なりを行う。
ラマシア所属の選手は全員寮に入ることになる。つまり、両親の下から家族の下から離れサッカー漬けの生活を送ることになる。もちろんのことではあるが、ラマシアでは文武の両道が目指される。サッカーと同様に人間として必要不可欠なことを教育し、一から子供を育成する。つまり、午前中は勉強、午後からはサッカーをするという訳だ。筆者にとっては夢のような環境だ。

ラマシアの過去・現在・未来

ラマシアには長い歴史がある。その中でたくさんの選手が在籍し、その長い歴史を作り上げてきた。ここからはそのラマシアに在籍した選手、今もなお在籍している選手、これから輝くであろう原石のような選手を紹介していこう。

【過去】

シャビ・エルナンデス

ラマシアで最高傑作の1人であるシャビ・エルナンデス。バルセロナは4-3-3をよく使うが、主にCMFとしてプレーしていた。シャビ、イニエスタ、ブスケッツの3枚のボール回しは圧巻だった。1998年から2015年まで長きに渡ってバルセロナを支えてきたシャビは、監督として故郷へ帰還。ボロボロだったバルセロナの再起を期待されている。

カルラス・プジョル

今までで最もキャプテンシーのある、まさに漢といえばそう、プジョルだろう。背番号5を背負い、バルセロナの最終ラインを牽引し、チームを鼓舞し続けたプジョルはある意味ラマシアの選手らしくはなかった。しかし、勝者のメンタリティ、フィジカルにおいて、ラマシアの選手たちの手本となっていたに違いない。もしかしたら彼は今のバルセロナに1番必要な選手かもしれない。

ビクトール・バルデス

テア・シュテーゲン、クラウディオ・ブラボの前にバルセロナのゴールマウスに立ちはだかったのがビクトール・バルデス。サイズがあるわけではなかったが、とにかく熱く、感情を全面に出してプレーするのが印象的だ。よくミスをすることもあったが、持ち前のメンタリティで乗り越える姿勢はまさにプロフェッショナルだった。

ジェラール・ピケ

先日引退を発表したばかりのピケは、小柄な選手が多いラマシアでは大柄なCBだ。それでも足元の技術も最高で、バルセロナのスタイルを語る上では欠かせない選手だった。サッカー面では足がそこまで速くないこと以外言うことなしだが、オフザピッチこそピケの主戦場だった。数々の口攻撃を披露してきた。バルセロナでの最終戦でも審判に抗議し退場している(ピケが言ったかどうかは定かではないらしい)。

【現在】

リオネル・メッシ

ラマシアの歴史で最も重要な存在であるのがリオネル・メッシ。12、13歳ほどの年齢で故郷のアルゼンチンを離れバルセロナにやってきた少年はホルモンの病気を患っていたが、治療代を全て出すという契約と共に入団。そこから類まれなる才能を見せ続け、現在までトップを走り続けてきた。ラマシア史上初のバロンドールを獲得したのもメッシだ。

アンドレス・イニエスタ

今は日本でプレーするイニエスタも、ご存知の通り、ラマシアの出身である。今もなおW杯の決勝で決めたゴールは鮮明に記憶に残っているが、バルセロナでもシャビ、ブスケッツらと共に世界最高のプレーを見せ、多くのタイトルをバルセロナにもたらしてきた。あまり情熱的な選手では無いが、魔法使いのようなパス、ドリブルは圧巻。ラマシア史上最高の選手の1人である。

セルヒオ・ブスケッツ

今のバルセロナのカピタンを務めるブスケッツは、グアルディオラに才能を見出された選手である。元々ブスケッツのお父さんもラマシアの選手だ。中盤のいわゆるピボーテの位置でボールを配給することが主な仕事だが、長い手足からボールを隠す技術や奪う技術にも長けている。地味なポジションであるがゆえに注目されにくいが、クレからすればブスケッツ無しにはバルセロナのサッカーは成り立たないことなんて百も承知である。

セルジ・ロベルト

唯一、黄金期の世代の後の世代から生え抜かれたのがセルジ・ロベルトである。多くの才能ある選手がいたが、それよりも素晴らしい選手のもとに移籍をしていった他の選手とは違い、実力を示した。ユーティリティのあるプレイヤーでCF、CB、GK以外ならどこでも卒なくこなす。器用貧乏とも言われがちではあるが、そのクオリティは世界でも有数だろう。パリ戦の大逆転ゴールが記憶に新しい彼にはまだまだこれからもバルセロナを引っ張っていってもらいたい。

【未来】

アンス・ファティ

アンスは突如出てきたバルセロナのニューヒーローとでも例えようか。まさか、バルセロナの新しい10番が彼になるなんて誰も予想していなかったに違いない。しかしそれでも、アンスは素晴らしい才能を持っている。数々の記録を打ち立て、若い選手ながら多くのゴールも決めている。これから先バルセロナだけでなく、スペイン、いやいや世界でもトップの選手になっていくだろう。

パブロ・パエス・ガビラ(ガビ)

アンスよりもさらに若いのがガビだ。今年のゴールデンボーイ受賞者であるガビは、そのメンタリティや闘志が買われている。まだ若干18歳の彼は、かなりの負けず嫌いでラリーガの錚々たるトッププレイヤーにも負けず劣らずのプレーを見せている。今となってはラロハ、スペイン代表にも選出されるほどだ。アンスと共にこれからの活躍に期待したい。

ロナウド・アラウホ

もう未来の選手というには遅すぎるかもしれないが、まだ23歳という年齢ということには驚きだ。このウルグアイ人は今のバルセロナには欠かせない選手の1人である。対人、空中戦、リーダーシップ、この辺りが彼の特徴として挙げられる。バルセロナの選手としては足元の技術が少し足りない部分もあるが、シャビ監督の下その技術も改善されるだろう。そうなれば世界最高の選手の1人になることもそう遠い未来ではない。

彼らの他にもこれからの未来を背負っていけるような素晴らしい才能を持ったラマシアの選手はたくさんいる。例えば、ミンゲサ、リキ、コジャド、モンチュ、ペレス、セルヒオ・ゴメス、ククレジャ、イリアス、モリバ、、、挙げ始めるとキリがない。そうここからはラマシアのこれからの課題について話していこう。

ラマシアのこれからの課題

ラマシアの選手たちが皆目指すところはトップチームだ。しかし、現状のトップチームのフットボールはバルセロナの哲学、スタイルに沿ったものとは言えない。勝利を最優先にし、クロスボールを多用する。そのフットボールを見て、育つ下部組織の選手が、またバルセロナの哲学に沿ったフットボールが出来るだろうか?
やはりバルセロナにはバルセロナのフットボールがあり、まずそれを体現できるトップチームでなければいけない。それは過去の栄光ではないか、バルセロナのサッカーはもう古いという意見もあるかもしれない。だが、ボールを保持することでピッチを支配し、近い距離感の中でイマジネーションを発揮する。そして、相手DFを恐れずゴールに向かう姿勢を見せる。そのメンタリティがバルセロナに必要なのではないか?そのスタイルを取り戻さなければ、今のラマシアの選手たちにはバルセロナのフットボールは根付かない。ましてや、高いお金を使って勝利だけを考えたフットボールに未来などない。
より良い見本が、より良い選手、人間を育成する。ここを治すことが、草の根の部分が変わることへの第一歩になると私は考えており、これがラマシアのこれからの課題だ。

¡Visça el Barça!

No.19

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