今、研究機関でコンサルをやる魅力
夏休みの余韻を楽しみつつ、仕事モードへの切り替えは順調でしょうか?こんにちは、ミナべです。しばらくぶりにnoteで筆を取りました。
僕が代表を務めるMIMIGURIは、研究機関でありながらコンサルティングファームでもある、「ハイブリッド型」の組織です。「問いのデザイン」「パラドックス思考」「チームレジリエンス」「ワークショップデザイン論」「ミノリバ」などの書籍を出版し、「CULTIBASE」を運営している企業といえば、ご存知でいて下さる方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、事業拡大に伴うコンサルタント募集広報と、この場で活動する魅力について少しお話しさせてください。
コンサルが人気職種に?
近年のコンサル産業は1.8兆円市場(日本のコンサルティング市場規模将来予測(2023‐2030))に成長し、過去5年間で市場規模が2倍に膨れ上がったといいます。それに伴い、アクセンチュアさんをはじめとした、外資系コンサルファーム各社は数千人規模の大量採用を加速。大手7社の国内従業員数は約7万1000人、3年で4割も人数が増えたそうです(日本経済新聞より)。
中途採用市場において、「仕事をもっと面白くしたい!」という思いを持つ方々が転職を考える際、特に「スタートアップ」や「コンサルファーム」が候補に挙がることが増えてきました。これらの産業は、「ポータブルスキル(持ち運びできる力)」を開発できる点で非常に人気があります。
かつては、コンサルティング業界内での人材流動が主流であり、コンサル大手のBig4すべてで就業経験を積むことを「グランドスラム」と呼ぶそうです。しかし、近年では、事業会社やスタートアップでの経験を持つ方がコンサルティング業界に転身するケースも増えており、業界全体での人材の多様性がますます高まっています。
コンサルファームのビジネスモデルは?
スタートアップの成長フェーズは、それぞれ異なる挑戦が求められます。シード期はプロダクト立ち上げ、シリーズAでは事業や組織の再現性の確立、シリーズBは事業と組織の拡大、シリーズCでは利益創出と上場準備、そして上場後は100億以上の規模での大規模な組織化が求められる、といった具合です。参画する際に、その状況がわかりやすいでしょう。
一方で、コンサルファームの成長プロセスは異なります。スタートアップが財務レバレッジを活用してJカーブを描くのに対し、コンサルファームは「人、顧客、知識」という資産をビジネス基盤としています。マッキンゼーさんが1997年に提唱した「ウォー・フォー・タレント(人材育成競争)」のように、長い時間をかけて人材育成に投資し、顧客との関係性を築き、知識を蓄積しソリューションとして編み出していく必要があります。つまり、長期的な視点での「資産形成」の複利を活かして成長を実現するのです。
コンサル産業の中でのMIMIGURI
既存の大きな規模のコンサルファームが産業寡占を深め、顔ぶれも基本的に変わらないのですが、我々のように起業して成長を志すケースもあり、一般的にブティックファームとも言われます。我々に参画頂くイメージをあげる為に例えをすると、「産業内に寡占的メガベンチャーがいる中で、起業してシリーズA程度に育っているスタートアップ」にご参画頂くようなイメージでしょうか。
我々もまだ100人を目指す段階で、事業づくり、組織づくりにてんてこ舞いなフェーズです。しかしながら、「①フェーズ的にも、全員で場づくりをしていくことが最大テーマ」「②研究機関兼コンサルという独自産業のビジネス展開」「③Jカーブとは異なる、長期時間軸での資産形成」という、独自の面白さがある段階と言えるでしょう。その魅力と面白さについて、以降で語らせていただきます。
①対話を通じたプロジェクト
弊所プロジェクトの産業ポートフォリオを見ると、主に(A)社会インフラを担う大企業(製造業や情報通信など)、(B)100億から1,000億円規模を目指す中堅・中小企業、(C)教育機関や学習関連企業、(D)持続可能な地方モデルへの関与が主要な対象となります。これらは、政府が2024年の経済財政運営と改革の基本方針2024で示された注力分野でもあり、日本が人口減少と市場規模縮小に向き合う中で、社会全体の循環構造を形成するために欠かせない分野です。
ソリューション的には、創業当初は「デザイン開発」や「ワークショップ」を中心に提供していたMIMIGURIですが、その後ソリューションを拡張し、「人材組織戦略や制度設計」、さらに「人材組織開発プログラムの提供」にも取り組むようになりました。次第に、戦略領域や企業再生のコンサルティングファームが扱うような「戦略構想」や「組織変革」にも対応できるようになりはじめています。
MIMIGURIの実際のコンサルティング事例は、CULTIBASEでもご紹介しています。ぜひ、ご覧いただけたら嬉しいです。
また、MIMIGURIは、もともとワークショップファームとデザインファームの2社が統合して誕生した会社で、特に「対話の場づくり」が私たちのコアケイパビリティです。
そのため、「対話を通じた全社的な組織変革」も得意とし、「戦略構想や理念、仕組みの変革期において、単に改訂するだけでなく、組織全体が『学んで変化する場』をファシリテーションすること」が我々に求められる期待値です。言い換えるならば、「泥臭く土壌を耕すこと」がMIMIGURIのやりたい事でしょう。
②実践的研究機関
さて、私たちがなぜこのように泥臭いコンサルティングを行っているのか。それは、「探究・研究そのもの」が我々の「WHY」にあるからです。現代社会において、環境問題や先進国の人口減少を考慮すると、資本や資源の限界を無視して経済が無限に成長し続けることは現実的ではありません。
したがって、次の三つの要素が近年の最重要経営アジェンダとされています。第一に、環境問題を含む無形資本を豊かにする経営モデルへの転換。第二に、持続可能な利益創出の実現。そして第三に、個性・多様性を活かしあう社会の実現です。
しかし、社会全体と人々の価値観が急速に変化している現代において、従来の膨張的資本主義の手法は存在するものの、新たな時代において企業や個人がどう向き合うべきかはまだ解明されていません。
そこで私たちは、この未踏の山峰に挑む企業の冒険に同行し、実践を通じて知を積み重ねています。先人アカデミアたちの「巨人の肩」に乗りながらも、自らの研究と探究を続け、「実践的研究機関」として人類の未来に向けて、未解明の「わからなさ」に立ち向かっています。
そして、この全ての人が未知なる世界を探究する時代の到来を、"冒険的世界観"と定義し、その冒険を越えるための知をCULTIBASEで「オープンソース」として開いて、広く社会貢献することを目指しているのです。非常に"長期視点のミッションドリブン"な場所と言えるでしょう。
このようにして生まれた泥臭い組織変革の実践から構築された理論が、「整合モデル:CCM(Creative Cultivation Model)」です。詳しくは、共同代表の安斎が理論を解説している動画をご覧ください。
③探究を通じた学びのカルチャー
ここまでご覧いただき、本当にありがとうございます。私たちMIMIGURIの少し変わったところをご理解いただけたら嬉しいです。
"変わっている"とは、オリジナリティに溢れ、唯一無二のユニークな存在であるということです。私はそれを、個性と多様性が豊かであるという最高の褒め言葉として受け取っています。そんなユニークな仲間たちが集まり、MIMIGURIでは「学びながら変化し続ける文化」が根付いています。
コンサルファームに入る場合、一般的には「ケイパビリティの研鑽」が目的である事が多いでしょう。勿論そうした学習観も重要ですが、私たちの学びとは、「アイデンティティの変化を楽しむ」というもの。MIMIGURIでは「越境、狭間、往還」をキーワードに、各自の作家性を追求しながら、毎日が組織変革のように、全員で日々の組織づくりを担うことを大切としています。
さらに面白いのが、MIMIGURIのチーム編成です。一般的なコンサルファームでは「プロジェクトアサイン」のみでチームが構成されますが、MIMIGURIでは「探究共同体」として、共に探究するチームが別途設けられています。
さらに、このチーム内には「2人の責任者」が存在し、1人は顧客資産やプロジェクトのリードを担当し、もう1人は内部の人材組織開発を担当します。この二重体制によるピアマネジメントが、「個性・多様性を追求しつつ、チームでの探究活動を強化する」ための仕組みとなっています。
余談で他にも「仕組みを回す為の投資幅」が大きく、もしこの原資を「事業開発」に投資に置き換えれば、売り上げがシンプルに2倍近くになるでしょう。しかし、私たちは「学習」に重きを置き、急がば回れの精神で、「長期的に人や知識の資産形成を重視する独自の航路」を選んでいます。
経営者としては短期的な利益追求に惹かれることもありますが笑、じっくり長い時間をかけて成長し、分厚い年輪を刻んだ「屋久杉の縄文杉」のように、味わいのある企業経営をしていければと考えています。
現在目指している事、課題があること
「組織の研究機関兼コンサル会社だから、さぞ理想郷なのだろう」という誤解を受けることがよくあります。
私たちの学習観は「アイデンティティの層で、変化し続けること」に重きを置いています。対話の姿勢も、理想的で美しいものではなく、「分断を恐れず、自ら踏み込み、泥臭く場を創る。そしてその過程で自分自身が変化すること」に価値を見出しています。つまり、全力で挑戦するからこそ生まれる「矛盾」と「葛藤」を愛する文化が根付いており、これはある意味で人を選ぶ場所かもしれません。しかし、そうした人達だからこそ、あらゆる場の困難に全力で向き合い、労い、信頼し、感謝し、励ますことができると感じています。
しかし、この独特な学習文化は、ハマると抜け出せなくなる沼の様なものでしょう。こうした事を背景に、現在抱えている課題は以下のとおりです。
こうした中で、毎日みんなで矛盾に葛藤しながらも、全力で知恵を絞って乗り越えていく日々です。「気長で泥臭い経営」ならではの、スタートアップでは生まれない独自の課題に挑みつつ、共に「学び続ける組織づくり」をしていけたら嬉しいです。
こんな方にオススメです
次なる挑戦として「コンサルティングか、事業会社か?」と悩まれている方が多いとお聞きします。
MIMIGURIは、「①コンサルファームとして、様々な企業の経営課題を解決すること」「②事業会社として、全員が組織づくりに深くコミットしていること」「③研究機関として、全員で研究や探究に取り組むこと」という、三つの要素を兼ね備えたユニークな場です。
正直、これらの要素のどれか一つをとっても「二郎系ラーメン」並みに濃厚で重たいチャレンジですが笑、これを三つ同時に深めることで、「自分だけの探究を構想し、仲間と共に学び続ける力」を一緒に学びあえればと考えています。ある意味で、「課題が超ヘビーな実践的社会人大学院」の様な場所かもしれません。
そんなユニークな環境だからこそ、内部のコンサルタントのみんなも個性・多様性に富んだ多彩なメンバーが集まっています。さまざまなバックグランドの方もいるので、あなたの前提を理解しながら、探究を一緒に進めていけるはず。元々の「職能」がその人を表すというより、"○○さん"はその人そのものでしかなく、唯一無二の作家性が溢れています。
私たちと実際にお会い頂いて、独特な文化感覚や、個々の探究なども実感頂けたらとても嬉しいです。以下のherpから面談が申し込めるので、ぜひご応募ください!お会いできるのを楽しみにしています。
また、コンサルタント以外の採用も絶賛募集中です。オープンポジションもありますので、「関心あるけれども、自分はMIMIGURIで働けるのだろうか?」なども、カジュアル面談でお答えいたしますので、どしどしご連絡ください。
過去にファシリテーター募集の記事も書いたことがありますので、そちらも合わせてご確認ください。それでは!
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