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自己矛盾を語ることばをもつ

1週間毎日書いてみようと思い立ち、書きはじめたnote。
はやくも昨日、書けませんでした(苦笑)。

昨夜、自宅に帰り、パソコンを開いたときにはすでにもう、両手がかゆくてしかたがなかったのです。note書きはじめたらおさまるかなと思ったけれど、かく手が止まらない(どちらも「かく」ですなあ、、、音は同じ、、、)。ということで、あきらめました。

今年の春先から、わたしの手は爆発的にかゆくなりました。

幼少期からずっとかゆかった両手。
おそらく病気で入院していたときに投与し続けていた薬の影響か、注射の影響か、点滴テープのかぶれからなのか、退院後に皮膚のかゆみへの対処として塗ったり服用したりしていたステロイドの影響も大きいでしょう、ストレスなど精神的なこともありますし、原因はひとつではないと思うし、特定できないのですが、とにかく両手のかゆみと、かいたあとの痛み、そして、両手の見た目は、とても受け入れがたいものでした。

でも、ずーっとずっとかゆかったわけではなく、おさまったり、またぶり返したりしながら、行ったり来たりしながら、つきあってきました。
ここ10年くらい、ステロイドを塗るのをやめて「冷えとり健康法」の考え方をもとに「とにかく身体から毒を出しきる!」ということを目標に取り組みました。
それまでで一番かゆくて苦しかったときも、ぐっと我慢して、「出しきったら終わりだから」と踏ん張りました。

全身のアトピー性皮膚炎などで苦しんでいる方はたくさんいる中、わたしは両手首より先のみがとてもひどかったので、きっとその苦しさはまだマシなんだ、といいきかせながら、でも、自分のこととなるとやっぱり苦しいんだよう、と思いながら、食いしばって耐えていました。

そして、おかげさまで「もう治った!」と思えるほど、スカッとした日々もありました。そのときは、体内の毒をだいぶ出せたのかなと、自分を誇らしく思ったりもしました。

で、今年の春。もう、今までにないくらいのかゆみと痛みが出てきました。両手だけではなく、ひじのほうや、膝裏や、いろいろなところに広がりました。

仕事柄(鍼灸師です)、自分の手で、患者さんの身体に触れさせていただくので、手の状態はとても大切です(ですが、どれだけひどくても、さいわい、手のひらは割と大丈夫なのです)。でも、このかゆみと痛みにはもう耐えられなくなりました。患者さんにも、このままの手で触れさせていただくのは失礼だと思いました。いや、そこまでいく前に、自分でなんとかできなかったのか、と自分を責めたりもしました。

それで、もういてもたってもいられず、超久しぶりに病院に行きました。「ステロイド抜いていたのですが、もう耐えられなくなりました。効く薬をください」という気持ちで。
病院の先生も「ああ、これはひどいね。たいへんだったと思うけれど、抜いていた時期が長いから、すぐに効くと思うよ。でも一番強いやつね。まずは2週間続けてみて」と、薬を処方してくれました。
「ありがとうございます」と、いったけど、、、!

一番強いやつね、じゃねーし!
どれだけの思いで、今までステロイド抜いてきたと思うんだ!
とか、謎にお医者さんに怒りが湧いてきました。

あ、その前に、周りの人たちにも「もう薬塗ったら?」「そんな頑なにならんでも、、、」「薬塗るのが、何でそんなにアカンのや?」とかいわれ続けてたし、いや、なんなら、わたし自身も皮膚のことで悩んでいる患者さんに「ステロイドは、徐々にでも抜くことをおすすめします」という話をしている本人ですし、どの口がいう、とそれこそ患者さんに失礼だ、と自分を責めたり、治療者としてどうなんだ、それ、と自分ツッコミしまくったり。もう、たまらない自己矛盾だらけだったんです。

病院に行ったはいいけれど、どうしたらいいか、本当にわからなくなりました。

それで、まずは、薬は塗らず、もう少しできることをやってみよう、と思い、小麦粉を抜く食事に変えました。しばらく様子を見てみようと。それと、いつもお世話になっている治療者の方に相談し、そのときのわたしによいサプリを聞いて飲んだり。

それで、何週間か過ごしたのだけれど、かゆみと仕事とをてんびんにかけて過ごす日々が続くようになり。何度、ステロイドに手が伸びそうになったか、、、という感じでした。

でも、なんとか耐えていました。

で、、、何の関係があるのか、と思う方もいらっしゃるかもしれないのですが、その頃に、世界で目を疑いたくなることが起こりました。今までもずっと、世界では大小あれど起こっていたことだけど、自分も全然目を向けていなかったことも含めて、本当にショックでした(これについては、もっと語りたいことがあるけれど、今は、このことばだけにしておきます)。

でも、わたしが世界の争いを止めることはできない、と思ったときに、「自分単位で」それを捉えてみることにしました。そうしたら、なんと、わたしの中でも争いが起こっていたのです。ショックすぎた、、、でもそれは事実でした。

脱ステロイド!
ステロイド反対!
と、ステロイドやら薬やらを敵視しすぎていたのでは?と。そして、それによるストレスがあったのでは?と。
これは、自分の心身に起こっている、自分単位の戦いだと思いました。

わたしは、産婦人科のクリニックでも働かせていただいているし、患者さんの中には、病院に助けられている方(これは、うん、いろいろと思うことはありますが、ここでは、こう書いておきます)がたくさんいるし、良い面もたくさんたくさん知っているはずなのに。

自分の中で、バランスを崩していたことに気づきました。
偏った考えがあったかもしれない、と、いっぱい自分を省みました。
これはいい、あれは悪い、という対立構造が明らかにあることを感じました。
今まで、ジャッジしないことや、白黒だけではなくグレーも受け入れることや、0か100かではないようにしようと、めちゃめちゃ取り組んできたのに、それには気づいていなかったです。

気づいたけど、それでもまだ、、、ちょっと、、、無理、、、だったんです。だからといってすぐに、身体に毒であると知りつつ、ステロイドを塗ることは許せませんでした。

でももう身体が無理になった日がありました。
かゆくてかゆくて仕事にならん!!! 今日はたくさんの患者さんが待っているんだぞ!!! となったときに、もうベッタベタにステロイドを両手に塗りました。泣きながら塗りました。本当に、悔しかったなあ、、、

そこから、たぶん、自分の中の戦いはうすれていったのだと思います。たぶんね、、、
「わたしは、自分の中の敵を受け入れたんだ」と思いました(今回の戦争についても、本当にたくさん思うことがありますが、自分は自分なりに、歴史を調べたり、偏った見方をしないようにしたりしています。それより、自分の中の戦いを終わらせることが、何より大切でした。世界は自分の反映だとも思っているからです)。

ということで、わたしは、わたしの統合の道を歩み出しました。
かといって、わたしの選択が正しいとも思いませんし、もっと違った考えが出てくる余白も残していきたいです。

で、タイトルにある「自己矛盾を語ることばをもつ」ことについてですが。まずは、自分は矛盾だらけなんだと認めようと思いました。そして、人もそうなんだろうと思いました。みんな矛盾を抱えて生きている。

そして、その先に、この一人一人が本当に違う感性、考え、表現、ことば、、、を持つこの世界で「自分は自分の自己矛盾くらい、語れることばをもちたいな」と思った次第です。

ここまで来れたのも、オープンダイアローグの考えかたに出会えたこと、実践していること、が大きく影響しています。感謝。