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アメリカでの金銀箔業

本日は私が多分一番好きな仕事、金銀箔業について
お話ししたいと思います。

私の会社のやり方は西洋のそれなので、全然違います。
日本の職人さんが作業してるyoutubeを少しだけ
拝見したことがありますが、使っている道具から
工程まで何もかも異なっていました。
日本と私のやり方と比較すると、アメリカ方式は
よく言えば広い面をスピーディーに仕上げることができますが、
悪く言えば大雑把なんだな、さすがアメリカ〜と思いました。

私の会社では金銀箔を壁や天井に仕上げることが多いですが、
家具やアートフレーム、調度品にも施工します。
デパートやブティックなどの商業施設、オフィス、
個人宅の施工も非常に多いです。

一番基本的な仕上げ方法は、スムーズな下地の上に
ガイドラインを引き、液体糊を均一に塗った後、
およそ6cm角の金箔や銀箔を1枚1枚貼って行きます。
稀におよそ10cm角の大きさも貼ります。
日本と違い金銀箔は薄いノートのようなものに挟まれていて
それを1枚1枚めくって行きながら作業面に貼ります。
他にはロール状になっている金銀箔もあり、
二人で両端を持ち、ピンと引っ張りつつ貼っていくことで
大きな面積をスピーディに作業することができます。
ただ、このロール上はアルミ箔などに限ります。

非常に地味な作業なのですが、個人的には好きな仕事です。
金銀箔を貼っている時はかなり集中できますし、
同僚とめちゃめちゃ喋りながらやってることも、
イヤホンを耳に刺して中田のYoutube大学を聞いてることも。

金箔はとにかく薄いので非常に気を使う材料です。
鼻息ですら飛んでいきます笑
そして、手の油分で色が変色することもあります。
なので基本的に素手で触ることは禁止です。

何千枚と貼るような巨大面積の時は
流石に作業前から気が重いです。
なぜかというと、一度液体糊を作業面に塗ると
金銀箔を貼り終えるまでその日の作業は終わらないからです。
糊が乾いたり、埃などが付着するため
翌日に作業をすることができないのです。
それでも貼る作業が始まると楽しくて仕方ない。
金箔を触らないように、でも素早く綺麗に。

12年経ってもまだまだ修行中。
大好きな仕事のクオリティをずっとずっと
向上させていけるように日々精進です。

ちなみに、トップ画像は数ヶ月前に私が担当した
実際の天井写真。NYに最近リニューアルオープンした
あの超有名な宝石店の天井です。

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