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Diary (Playlist) 2023/1/20

Anywhere (feat. Meshell Ndegeocello) / Sam Gendel

 Sam GendelがR&BのカバーAL『COOKUP』を2023/2/23にリリース&先行曲公開。収録曲は1992年から2004年にかけてリリースされたR&Bで、Ginuwine、112、Aaliyah、All-4-One、Soul 4 Real、Beyoncé、Joe、Erykah Badu、Mario、SWV、Boyz II Menなどのアーティストの楽曲をカバー。
 こちらは112の1998年リリースの楽曲「Anywhere」をMeshell Ndegeocelloとカバー。原曲はリズムマシンの硬いビートの上でメロウに歌うエレクトロR&B(今聞くとかなりアブストラクトだけど)なんですが、それをしっとり&抽象的にアレンジしてます。
 Meshell Ndegeocelloのやりたかったことはこれだったのではという、ソウルと接続しながら解体していく感じが面白いです。これはSam Gendelの凄さもあるけれど、Meshell Ndegeocelloの世界観に自分がやっと追いついただけな気もします。ネオソウルと違う方法でのソウルの解体という感じで、重力を無効にしていくというか。ネオソウルが最終的に(?)ライブとしてはマッチョorエンタメ方向→ある種ソウルの復興的になっていたのに対し、ライブでの演奏を軸とした解体に聞こえて、うむー、Meshell Ndegeocello聞き直さないとな。
 意外なほど原曲のフレーズは守っている(上で、かなり印象を変えている)のもポイントだと思うので、ぜひ原曲と聴き比べてください。

Pash Rash / Surprise Chef

 メルボルンのジャズファンク・バンドSurprise Chefの新曲。Big Crownからのリリースです。
 ばきっと分かれた左右の音の振り方がカッコよく、ステレオというかスピーカー2台だった昔を彷彿させる音像になっています。とはいえドラムやベースは中心にしており、ちゃんと現代的にもアップデート。こういう小憎い技が色々入っているのがBig Crownのアーティストの丁寧さですね。はじめの方のドラムのタムの音だけで個人的には勝ち確定です。

shaneen / Lionmilk

 Lionmilkが2023/3/17にAL『Intergalactic Warp Terminal』をリリース&先行曲公開。もう一曲はアンビエントR&Bだったんですが、こちらはエレピによるローファイなアンビエントジャズ。音がどんどん混ざって溶けていく感覚が素晴らしいです。

here comes a candle to light you to bed / Patrick Shiroishi

 日系4世のアメリカ人管楽器奏者/コンポーザーPatrick Shiroishiが2022/11/1にAL『evergreen』をリリース&2023/1/18に配信開始。ディープなアンビエント/フィールドレコーディング作。彼の数世代の先祖が眠るロサンゼルスのエバーグリーン墓地に訪れた際、先祖の近くにいることに安らぎを感じましたことを元に作られた作品とのこと。
 後半徐々にノイズ(歪んだ打楽器?雷?)が入ってきてかなり激しくなっていくんですが、それと共に音像も凄まじく広がっていきます。墓地が元になったと知るとちょっとした臨死体験的な音像みたいにも思えるけれど、どうなんでしょうか。

Jordan's Ark - instrumental / Killah Priest & Jordan River Banks

 Killah Priestの昨年のAL『Mr Universe』のインストverが2023/1/19にリリース。ラップが無いことで(よりはっきりと)わかるトラックの攻め具合がカッコ良いです。
 ざっくりというとプリセット的な音色で抒情的なメロディが爆音で鳴る楽曲なんですが、これってヒップホップあるあると同時に今だとニューエイジ的なものにも聞こえるんですよね。どこまで意図しているかはわかっていないんですが(まぁでもウータン系の人だからな)、ヒップホップとニューエイジが同じであることを証明するようなトラックの質感が面白いです。インスト作としてしっかり楽しめます。

Step By Step / Eddie Chacon

 Eddie Chacon、2023/3/31リリースのAL『Sundown』により先行曲公開。ニューエイジ期の埋もれた名盤みたいな感じが面白く、この方向性だったら打ち込みの方が普通なんですが(多分)基本生演奏にすることで、あの当時特有の変なゴージャスさが出ています。

Cola (instrumental) / Toro y Moi

 Toro y Moiの2013年作『Anything In Return』のインスト版が2023/1/20に配信開始。多分LP化するにあたって2枚組化&インスト版もみたいな話なんですかね?
 多分一番聞いたToro y Moi作なんですが(今でももちろん好きなんですが)、今改めてトラックだけで聞くと今こそ聴きたい感じで最高です。昔の自分センス間違ってなかったぞと伝えたい。シンセのアナログ的/ちょいローファイな雰囲気に対し、ピアノのゴージャスな響きの浮き加減が良いですね。

Telephone / Andy Shauf

 カナダのSSWであるAndy Shaufの新曲。2023/2/2にリリースのAL『Noum』収録曲。
 一つ一つの音色がやさしく気持ち良いインディ的な音像なんですが、メロもしっかり丁寧で繊細なのが素晴らしいですね。カバーしても持つような(Andy Shaufを知ったのがBBNGの「To You」のカバーだったんです)美メロが滅茶苦茶良いです。

L'uccello magico / Nino Rota

 映画音楽の巨匠Nino Rota、1976年の映画『カサノバ』での楽曲の2022リマスター版が配信開始。エレピによるやや無調かつラウンジ的な演奏で、初期電子音楽とエレベーターミュージックが交錯するようhなやたらカッコ良い曲なんですが、当時どういう評価だったのかなどは全然調べてないです。とりあえず良い。これは今リマスターしますね、という感じです。

Tiyo Ki / Rian Treanor & Ocen James

 UKのアーティストRian Treanorとアチョリ族のフィドル奏者Ocen Jamesのコラボ作『Saccades』が2023/1/20にリリース。Rian Treanorのリズムが凄まじすぎて笑います。エレクトロなフィーリングありつつ、わかりやすいリズムにならないかっこ良さが最高。AL最後がこれまたマジかと思える凶悪remixなので必聴です。


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